第12話 逃走劇の始まり

「ふむ なるほどな。」

話を全部言い終わった俺はすでに体が重くて

寝てしまいそうだった。

目を開けておかないといけないのは、

分かているのだが、

まだ昼の疲れが残っているのか

目をつぶってしまった。


「寝てしまったか春斗。」

私はやっと目をつけられている理由が

わかったのだが

春斗は寝てしまった。

だから私は

「もうそろそろ出てきても

いいんじゃないか。」

と少し大きな声をだした。


「うーん。」

「起きたか春斗。」

少しあくびをしてから

「あぁ 起きたぞ。」

と少しトーンの低い声で答えた。

起きた当初は、

なぜこんなところにいるのだろう。

と思い少し不安になったが

葵を見ると思い出したかのように

理解ができた。

不安な時に葵を感じると元気になるような

ことが2回起こったのだが、

葵は前世の恋人かなにかだったのか?

と思ってしまったが、

それよりも葵の服に血がついていた。

「おい どうしたんだよその血!」

「あぁ

これか?

実は春斗が寝ているときに

警察が来たんだ。」

「は?

それで殺したら確実に刑が下るだろ。」

これで完全に悪人か。

と焦りと絶望を感じていた。

「安心しろ。

そいつららも組織の仲間だった。」

「組織ってこないだの犯人の?」

「あぁ その通りだ。

それらしきセリフがあったからな。」

ほっとした。

「まぁ

この話は置いといて、

この後どうするんだ?」

「組織の行動を見つつ、

秘想石と仲間を見つけようと思う。」

「秘想石ってなんですか?」

「初めてこの世界で合ったとき

石を渡しただろう?」

「あぁ

あの少し温かい石のことか?」

「あれが秘想石だ。

秘想石は、

秘めた想いを石にこめた石のことだ。

これは、来世でも触れば思い出す石だ。

私たちが来世でも集まれるようにと仲間たちと一緒につくった石なんだ。」

と思い出すように語る葵は、

少し悲しそうに見えた。

「でも世界が違かったら石は、

無いんじゃないですか?」

「でも私の家にあったから、

何かしらのパワーが作用して、

この世界にもある可能性が高い。」

俺は、

じゃあその異世界とやらに行って

とって来た方が速いんじゃないか?

と思ったがそれよりも、

「そういえばお前にも家族が居るんだから

お前は、来ちゃダメだろ。」

「心配するな。

私の親は、

数年前に金を置いて出ていった。

それに私の家にいても捕まるだけだろ。」

と返された。

その言葉で気まずい空気になってしまった。

しばらく黙っていると、

「警察が来る前に探しに行くぞ。」

と言われ周りをかだつけ始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る