第9話 一夜が過ぎ、
「おい ちょっと来てくれないか?」
事件のあった翌日。
俺は廊下で会った担任の先生に呼ばれた。
「わかりました。」
と言って先生の後ろを付いていく。
係や委員会、
部活でも無い先生に呼び出されるのは、
面会の時だけだっただろう。
問題を起こしたわけでも
普通に面会をするわけでも
無いと感じとっていた。
そうして着いたのは職員室だった。
「ここに座って待ってくれ。」
とデスクが固まった場所の隣にある
真ん中にお菓子が入った器のある
普通にどこの家庭にもあるような
4人座れるテーブルに案内された。
このな説明必要だったか?
お茶とノートパソコンを持って
先生が戻ってきた。
「ちょっと市の方から
知らせが入っててな。」
と言ってとあるページを見せてきた。
そこには、
昨日起きたデパートでの事件について
と書かれていた。
「この事件については、知っているだろ?」
「はい
ニュースなんかでもとりあげられてたので」
嫌な予感が出てくる。
確かニュースでは、
犯人、人質について、爆発物や鉄砲
の3つについて話されていた。
ざっと読んだだけでも
解決した人、犯人の計画、これからについて
と書かれている。
2、3個目については知らないけど、
一個目については、
知られてないから報道されてないんだろう。
「それでこの一つ目の解決した人が
拘束されていた人々の証言で高校生だということがわかっている。」
「それでなんで僕が呼ばれたんですか?」
「ここの学校の制服を着ていた165cmの
男子のそうだ。」
「なんでピンポイントに165cmだと
わかるんですか?」
「近くにあった165cmの冷蔵庫と
同じだったそうだ。」
確かに電化製品店があったがそんな近くに
いった覚えがない。
「でも165cmの人は
まだいたんじゃないてすか?」
「それはそうだが決定的な証言があった。
それは前に助けてもらったことのある
春斗という人にまた助けてもらった。
という証言があった。」
え?
前に助けてもらった?
この町に来てから助けたのは、
この事件しか無いはずだ。
誰かが困ってるから助けたなんて前の町にも
無かった。
ということは、
俺の名前を知っていてかつ
この事件にも関わられたいやつが
いるってことか?
「大丈夫か?」
はっとした。
先生は困った顔をしていた。
俺も少し汗をかいていて
相当焦っていたのだろう。
「ちょと見ていいですか?」
「あぁ
おかしいところがあれば言ってくれ。」
昨日起きた事件について書かれている
データをまんべんなく読んだ。
情況や証言、
犯人の計画やこれからについて理解したが、
これからの俺の行動がよめない。
「これが事実なら俺は、
どうなるんですか!?」
「すまないがわからない。」
と答えて黙りこんでしまった。
だってそこには
全国が恐怖になるようなことが
書かれていた。
手始めに町の一番デカイ建物で
人質を誘拐し、
人が集まったところで
この団についての紹介を始める。
(以下の通り)
「俺らは一人に恨みをもったり政府反乱軍でもない。
俺らは、
助けようの無いやつが集まってできている。
結果から言うと世界を敵にする。
なぜって
それはだれも救いの手を
差しのべてもらえないつまり人から
見捨てられた。
だから俺たちは見捨てた人を救えないようにする。
こうやってな。
(誘拐した1人を殺す)
全員殺すとは言わないが少なくとも
地獄の世界にしてやるよ。
ただチャンスをやろう。
俺らと一緒に戦う奴らを募集しよう。
条件は一つ
それは見捨てられた奴だ。」
これだけ言えば警戒をし始めるだろう。
そしたら人質を出来るだけ連れて帰える。
ここまでで人質、宣伝の2つをクリア。
後は同じような事件を繰り返し起こし、
宣伝+人質+領土の3つの拡大。
最悪の場合放火して証拠を跡形もなく消去。
最終的に国を取り、世界に拡大する。
全ての国を手にいれたら
今まで裕福な暮らしをしていたものは、
奴隷として扱い、
逆に救いを差しのべてくれない人は、
王として君臨する。
途中に戦争が起きようが、
いっきに襲いかかってこようが中止しない。
簡単に言ってしまえば幸せが逆転することが
目的で、
この計画中は、
生死を問わないということだ。
そして失敗しないと断言できるほどの何かを
持っている事がわかる。
「これは
事情聴取や噂、犯行現場に落とされた紙
などから警察が作ったものだから
そうなるとは限らないが、
親玉的な存在が居て
次の事件が起きたら混乱は避けられない。
だから早くにもこれをもとに行動しなくちゃいけないだろう。」
と真剣に話している先生の話を聞きつつ、
この状況をどうにか打破するような事を
考えているが何も思い付かない。
第一なぜ僕の名前を知っているのかもわからない。
「とりあえず
事件同時刻に何してたか聞いていいか?」
と真剣に質問をしてきた。
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