第2話 ”殺人鬼”と言う暴露

 【警察署敷地内】

「?そこで、何を―。」

 見張りをしていた警察官が、拳銃のグリップ部分で殴られた。

「おい。・・・本当に、奴は此処に居るんだろうな?」

 大柄で強面の男が、青年へ問いかける

「安心してよ。―僕は、そこまでじゃないからさ。」

 強面の男は、疑心暗鬼になりながらも、仲間達を連れて中へ入った。


「・・・大変な事になりましたね。」

「佐々木さん。・・・準備は宜しいですか!?」

 私は、ハンドガンを強く握りしめた!

「何時でも準備満タンっすよ!」

「―行きます!!」

 私達は、部屋から出た…!


 【警察署内】

 1階ロビーの場は騒然としていた…!多くの警察官が、地面に倒れ、若い警察官1人が、胸ぐらを掴まれていた!

 強面の男は言う。

「・・・おい。『桜』は何処に居る?」

「ひぃっ!・・・し、知りません!知りませぇんっ!!」

 そう言うと、壁へ投げ飛ばされた!

「・・・見当違いじゃないのか?あぁ!?」

 強面の男が、青年へ詰め寄ったが、ポーカーフェイスで言った。

「間違いないって。・・・ほら。お出ましだよ?」

 そう言うと、私達が1階へ降りて来た!

「―動くな!」

 佐々木さんが、ハンドガンの銃口を正面へ向けた!…しかし、強面の男達は、びくともしなかった。

「何だ?・・・まさか、あれが『桜』なのか?」

「そうだよ?」

「ただの若造と小娘じゃねぇか!ふざけているのか!?」

 そう言い放つ男に対して、佐々木さんは撃った!

「―ぐおっ!?」

「・・・あまり調子に乗るなよ。―だと思ってたら、痛い目に合うだけだぜ?」

 強面の男の主犯格は言う!


「・・・構うな。行けぇ!!」

 男達が襲いかかってきた!佐々木さんは、冷静に男達に向かって、銃弾を浴びせ、どんどんと倒していく!

 私も男達の頭部に向かって、弾を撃った!

「なっ!?」

「な〜んだ・・・。―意外と弱かったんだね。あんたら。」

 青年が捨て台詞を吐くと、男の前へ立った。

「・・・おい!お前達の目的は何だ!」

「そんなにかっかしないでよ。血圧が上がっちゃうよ?」

 完全に馬鹿にした発言だが、佐々木さんは冷静だった。今度は私が言う。

「今すぐ降参しなさい!さもないと―。」


「何言ってるの?―”失敗作”のクセに。」

「!?」

 何で…?何で、私の事を知っているの…?

「あんたの噂知ってるよ?・・・世界の重要人物を殺し続けた”連続殺人者”だって事。

 ・・・まさか。誰も知らないなんてとぼける事は無いよね?」

「・・・。」

 私は、冷静を保ちつつも、手が少し震えていた…。―場に残された警察官や民間人達が動揺始めた…。

「―ネットにあった”殺人鬼”って、あの女だったの?」

「―何で、此処に居るんだ?筈じゃ?」

(・・・。)

 そんな時だった。


「―お前に言われたくはねぇよ。坊主。」

「!は・・・班長!?」

 特殊班『桜』の班長、『千國ちくに』さんが現れたのだ!

「ど・・・どうして此処へ!?」

「ちょっと、此処へ来る用事が出来たからな。―そんでもって、この有様か・・・。

 ―随分とやってくれたじゃねぇか、坊主?」

 青年は言う!

「おっさん・・・。あの女が、”殺人鬼”だと分かって、警察へ入れたのか!?」

「・・・そうだが、何か不満か?」


「・・・そうかよ。俺達、”エリート組”は上り詰めて来たのによぉ・・・。”殺人鬼”は簡単に警察官かよ・・・。

 ―ふざけるんじゃねぇ!!」

 青年が、懐に隠し持っていたサブマシンガンを出し、周囲へ乱射した!その場に居た全員、頭を伏せて避けた。

 千國班長が指示を出す!

「成美!撃て!!」

「!はいっ!!」

 私は、乱射する青年の頭に向かって撃った!…が、しかし!


「・・・痛ってぇな!!―先に、お前を殺してやるっ!!」

 収まるどころか、完全にキレさせてしまった!佐々木さんは悟った!

「頭に撃ったのに!?・・・もしかして、”デザイナーベビー”!?」

 私は、署内の柱の裏へ隠れ、銃弾を避けた!―青年は変わらず、乱射してくる!

「クソクソクソッ!!出てこい!!」

「誰が出るか!!」

 私は頼りないハンドガンで、応戦するしかなかった!

「佐々木!」

「は、はい!」

「―を要請する!お前は成美の時間を稼げ!!」

「分かりました!!」

 そう言って、佐々木さんは身を決して、青年へ飛びかかった!

「な、何をするんだ!」

「は・・・早く!成美さん!!」

 私は直様、ハンドガンで頭に向かって、何発も撃ち放った!…けれども、青年は死なない!

「この・・・タフガイ野郎が!!」

「どけぇ!!」

 佐々木さんは投げ飛ばされた!

「佐々木さん!!・・・こっのぉ!!」

 再び撃つけれども、自由になった青年は、弾丸をかわし、私に近づいてくる!

「ははは!ここで終わりだ!」

 青年が、ククリナイフを取り出し、私に向かって、喉元を切ろうとした!


「―撃てぇっ!!」

 大きな声と共に、が、青年に直撃した!

「うわああ!!」

 私は、その衝撃で地面へ押され、気絶してしまった…!


「・・・美!・・・成美っ!!」

「・・・はっ!」

 私は飛び起き上がると、多くの刑事と鑑識が臨場していた…。

「は、班長・・・?」

「すまん!・・・だが、軽症で済んで良かった。」

「まさか、を使ったんですか!?」

「あぁ。―まぁ、後で始末書と裁判所に怒られるがな・・・。」

 苦笑する班長…。―その”対人用発射機”のは、”デザイナーベイビー用ロケットランチャー”。普段は、”裁判所の令状”が必要なのだが、『桜』は特別許可で使用出来る品物重火器だ。

 千國班長は、これで青年を撃ったのだ。その青年は…?

「ううう・・・!」

「しかし、まさか相手も”デザイナーベビー”だとは・・・。通りでタフガイだと思った。」

「・・・班長。」

「何だ?」

 私は、青年に言われた事を報告した…。


「あいつに・・・。”殺人鬼”だと言われてしまいました。」

「・・・まさか、それで警察を辞めるつもりなのか?」

「わ、分かりません・・・。」

「・・・そうか。」

 そんな話をしている時、ボロボロの青年は、警察病院へ運ばれた…。

 ―でも、何であいつは、私の”過去”を知っていたのか?…それが気がかりだった。

 私は揺れていた。―”過去の自分”と”今の自分”を…。


続く…。

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