それはただの愛
人が尊いものであると、多くの人は気づいていない。自分自身でさえも、何かに縛りつけて、屈辱という感情さえ味わうことも赦さないまま、奴隷のように死んでいく。神よ。なぜこの世を造り給うたのですか? 未熟な命など存在しない、すべからく尊い生命の大合唱の中で、なぜ多くの人間はその素晴らしさに気がつかないのでしょう。私の身近な人でさえそうです。私は皆に安心を覚えてほしいのです。恐れることなど、何一つとしてないのだと。恩寵の中に安らいでいればよいのだと。しかし、その欲求さえ今は存在しないようだ。何かを望めば、それが正当性を持たないほど苦しみが生じる。正当性を持っていてもなお、そうならなければいけないと思いこんでいればいるほど、苦しみは生じる。あなた様の元に戻るまでのゲームは、誰も棄権することができないのです。死んでも、なお。そんなこと、みんな知っているものと思っていた。父も母も、宗教を好まないようです。どうしてなのだろう。一面しか捉えようとしないのです、彼らは……。しかしそれも、あなた様の元にお帰りになるための必要な過程なのでしょうか。きっとそうなのですね。変えようとしなくていい。本当にそうですね。やきもきすることもありますが……。仕方のないことなのでしょう。しかし私は焦っている。彼らが今の自縄自縛のゲームを辞めない限り、彼らに本当の救いは訪れないのですから。愛しているからこそ、焦りは生じます。……あなたの計画のままに。……私は彼らに恐ろしい思いをしてほしくはない。死を忌避するかぎり、彼らが思い惑うのは必至でしょうから。己の死に直面しない限り、真の信仰心は生まれない。ならば、内省して先取りすることも可能だというのに。分かりません。恐れを直視することによってしか、真の悦びは与えられない。私はキリスト教徒であり、仏教徒であり、あなたの救いを受けた者です。(知ってる) どこにも属さないことによって、あなたを信じる。私はどうやって生きていけば良いのでしょう……。どうかご啓示をください。小説家になるほかないのでしょうか。そのためにはどうすれば……。
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