花火大会で告白なんてロマンチックなこと僕には無理なようです。
タカ 536号機
君に伝えたくてそれでも伝えられなくて(物理的(音)な意味で)
「わー、久しぶりに来たけど、賑わってるねー、あっみてみてあの女の子可愛いー」
「そうだね、ここに来るのも3年ぶりだね」
僕らは今日地域の花火大会のゴリラん祭(夏の陣)に来ていた。
そもそも、僕らは高校3年生受験シーズン真っ最中である。しかし、今日は受験の息抜きを兼ねて三年ぶりにこの祭りにきたのだ!
しかし、それは幼馴染みである鈴原 葵を連れてくるための名目上であり、僕の真の目的は葵に告白するためである!
僕と葵は家が隣で僕は5歳の頃から葵が好きで現在片想い歴13年(彼女いない歴18年である)である。
友達的な意味でも葵のことが好きなため振られた場合友達でいることすらダメになるのは流石にキツく今まで告白できなかったのだ!
しかし、目標の大学は異なるため今年しかチャンスがないのだ。
そこで僕は親友である追田(通称おいちゃん
性別 男)に橋渡し役になってもらい葵ちゃんを花火大会デートに誘うことに成功したのだった。(デートですよね?男女が2人だけで出歩いてたらそれはもうデートって呼んで差し支えないですよね?)
ここまでは完璧にうまくいった。
アニメ風に言うなら「計画通り(悪い顔)」だろうか?
あとは花火が上がり始めたタイミングでロマンチックに告白するのみである。
「あっそろそろ花火が始まる時間だね、どうする?」
勿論告白場所も考えてある。
「じゃあ、3年前に見つけた人が全然来なくて花火の見やすいあそこにいかない?」
「うん、そうしよう」
よし!ここまでマジで完璧だ!
そうして僕らは花火大会から離れて近くの公園に行くことにした。(ここが花火が見え人も中々来ない良いスポットである)
「それでさ、今日はありがとね。受験なのに花火大会なんて来てくれて」
「いいんだよー、私も息抜きしたかったしね!これぞ勝ち勝ちの関係でしょ」
「うん、そこは英語にしようか」
うんうん、英語で言うべき単語を日本で言っちゃう癖も変わらないな、可愛い。そして
元気に笑う葵が可愛い。
いつもなら、そう思って終わりだ。でも、今日は違う!
「葵ちゃん!」
「どうしたの?」
ありったけの勇気よ僕に。
「今日は受験の息抜きに花火大会って僕言ったよね?」
「うん、おいちゃんからそう聞いたけど...」
「それも確かにあるんだけどね」
「?」
「本当は」
「あっ花火始まったよ」
うん?なんか葵ちゃん言ったかな?それより、本当は葵ちゃんに僕の本当の気持ちを伝えるためなんだよって言うんだ!
「本当は
「そ、そうだったんだ。ずっと気づかなくてゴメン。でも、いいと思うよ!」
「いいの?じゃあ言うね」
僕は葵ちゃんのことが好きなんだ!
うー緊張で舌が回らない
「ぼ、ぼ、僕は
「そっかそうなんだ!ずっと一緒にいたのに全然気づかなかったよ!」(赤い顔で鼻血を出しながら)
よし!なんとか僕は伝えきった後は返事を待つだけだ!でも、顔が赤いから少しは意識してくれてるのかな? ど、どうなんだろう
「そ、それでどうゆう所が好きなの?」
「そ、それは」
女とか男とか関係なく一緒に元気に明るく話してくれて普段は可愛いのに時にはかっこよかったり全部、全部が好きなんだ
「女とか男とかなく
「そうなんだ、素敵」(鼻血で顔真っ赤)
よし!伝えたぞ!顔真っ赤だし少しは意識してくれたのかな?
「わ、私はね」
ドキドキ もう、緊張して葵ちゃんの顔見えないよ
「いいと思うよ」
「ほ、本当に?」
「うん」
やばい、幸せすぎる。
人生で一番いい日だ今日は、ありがとうお母さん産んでくれて、なんか世界に感謝!
「じゃあ、私応援してるね!おいちゃんと上手くいくこと」
葵ちゃんが何か言っていたけど幸せに浸る僕には何て言ったのか聞こえなかった。
うん、聞こえなかった。
「あれ?聞こえてない?おいちゃんと上手くいくこと応援してるね!ファイト」
聞こえないって!そんなの聞こえないよ!
「じゃあねー、今日は誘ってくれてありがとう!ガンバ」
「う、う、うんまた明日ー」
葵ちゃんは颯爽と去っていってしまった。
僕はさっきまであったはずの幸せを噛み締めるべく叫ぶ
「なんでそうなるんだぁぁぁぁー!?」
とりあえず明日誤解を解いて告白をし直すんだ!
僕は明日待ち受ける誤解の数々を解く方法をまずは探さないといけないようだ。
本当になんでこんなことに
花火大会で告白なんてロマンチックなこと僕には無理なようです。 タカ 536号機 @KATAIESUOKUOK
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