第9話 わかるって素晴らしい
ステータスチェック事件で少し家の中がざわついたが、祖母の一声で大分落ち着きを取り戻した様だ。ありがとうおばあちゃん。
その後は同年代の子たちとの交流などが僕の刺激になったのと知力の成長がはやいおかげだろう、凄い勢いで語彙が増えていった。それに伴って意識体である僕にも変化が現れた。
わかる・・・!
そう、言葉が分かるのである。日本語と同じように!スムーズに!
わかるって素晴らしい。ちょっと泣きそう。
いままでもなんとなくわかってはいたが、家族の会話がはっきり理解できるようになってきて、初めて自分と家族の名前が認識できるようになった。
僕はどうやら、この世界で豊かを意味する「ラーツ」という名らしい。いい名前だね。
父は「ソルサ」、母は「パーナ」、兄は「デイル」、祖父は「クラーフ」、祖母は「リエイダ」という名だという事がようやく理解できた。ちなみに猫は「ニャーゴ」と呼ばれていた。
そこからは時間が経つのが早かった。
気が付けば走り回れるようになり、絵を描いたり、家族に話しかけたり、時には兄に倣って店の手伝いをしたがったりもした。体も心もすくすくと育っていて脳内おじさんも嬉しいよ。
2歳のステータスチェックの際、魔力の成長を驚かれ、体力、筋力が少ないと言われたことを踏まえそれ以降のステ振りで魔力の半分を体力に追加することにした。
やはり身体は資本。体力は裏切らない。である。
元気に3歳を過ごし、4歳の時のステータスチェックでは狙った通り体力の成長が増し3、魔力の成長が抑えられ1の上昇となった。
ステータスもちゃんとコントロールできていることが分かった。
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