第89話 中郷町(12)




〜ナビルside〜


俺たちは今『空列激新団』が磯原へ逃げようとしている領地を潰して回っている。

夜中なので、フーマは彼女たちとよろしくヤってる様だ。


その為、フーマの全7部隊の1,960体(280体×7部隊)とサイトのウィザード部隊1,000体(200体×5部隊)、それに俺の弟子たち(元空列激新団12人)を引き連れている。


「おいタカギ、元仲間との戦いは大丈夫なのか?無理してる様なら、別に俺だけでも良いんだぞ。」


「ナビルさん、大丈夫です。今残っている奴らは、連合内のクズ達です。自分の事しか考えず、仲間を守るなどと考える事はないでしょう。信頼を置ける、仲間のために身体を張って戦える奴らは、既にナビルさんに叩きのめされて…風馬さんの仲間になりましたから!」


「なら良いが、無理はするなよ。」


「大丈夫ですよ、あんな奴らに負ける訳無いですよ。でも、はお願いします。」


「あぁ、フーマも承諾しているし、殺さずに仲間として迎入れる様にするわ。」


「お願いします。」


「勢い余って殺しちまったら、すまねーな。」


「それは勘弁して下さいよ…。その場合は、俺たちが代わりに戦いますから!」


「まあ、相手の力量次第だな。って、早速現れてたぞ!」


ナビル達は華川町の南側から少しづつここ数週間かけて南下して、とうとう中郷町まで届こうとしていた。

そして、『空列激新団』が磯原町へ逃げる道を塞ぐことに成功したのだった。



「菊池、久しぶりだな。」


「高木か!生きてたのか、大丈夫なのか?」


「あぁ、楽しくやらせてもらってるよ。」


「それは良かった。それよりこれはどうゆう事だ?俺たちの領地を奪って……仲間といえど事と次第によってはタダでは済まさねえぞ。」


「今は楽しくやらせてもらっているが、俺たちはいま『深緑の妖精』として楽しくやってんだわ。」


「っんな!寝返ったのか……いや従属契約か。」


「そんなとこだ!だから、これからは敵同士って訳だな。」


タカギとキクチが話している間に俺が割って入った。


「そろそろいいか?そういう訳だから、ここは通さねーぞ。今からそっちに行ってやるから首を洗って待ってるんだな。生きたければ、全力で俺と戦え!」


「っう。テメーはめっぽう強い獣人じゃねーか……。高木たちは、こいつの奴隷になったってのか?ちきしょー。」


「奴隷とは違うな。まあ、菊池達には分からんだろうな。」


「話はこれまでだ行くぞタカギ。」


「わかりましたナビルさん。」


そして、俺たちは相手の領地へ攻め入った。



……実に呆気なかった。

相手のキクチたちはザコだった。

根性も無えし、小の根も腐っており使い物にならん…。


俺は早々に戦う気を無くして、タカギたちにあとを任せた。

それでも、ある程度のモンスターの数がいたので、戦闘終了まで数時間かかった。


その後、裏技を使ってキクチと従属契約すれば残りの『空列激新団』10人を配下に加えられる準備を整え、俺はフーマが来るのをひたすら待った・・・。




「いつまで待たせんだよ。」


「7時だから時間通りだろう!」


「そうだがよ。こっちは早々に決着が着いて、時間を持て余してたんだよ。」


「そっか、悪い悪い。で、高木コイツらがか?」


「そうです風馬さん。コイツからがです。従属契約をお願いします。」


フーマがボコボコになって拘束されているキクチの前に行き、従属契約を行い無事にキクチ達を仲間に加える事が出来た!


一気に石岡小学校付近の土地が手に入ったが、所々空地になっていたので、配下たちに占領を進めさせて、2日後には中郷町をほぼ制圧する事が出来た。


中郷町の制圧には、山中の異世界人との戦いが残っているが、ほぼ制圧したと考えて良いだろう!

後の面倒なやり取りはフーマたちに任せて、俺は、弟子達の訓練に力を入れる事にした。




〜風馬side〜


菊池達を従属契約して仲間に加えたら、それとは別に27人ものプレイヤーが仲間になった。その内2人が男で、25人が女だった。

明らかに雰囲気がおかしなかった…。


高木達が言っていた通りだった。


菊池達の従属配下だったのだろう……。


男は捨て駒として使われており、身体中にアザも凄かった。

ストレス解消のサンドバッグとしても使われていたのだろう…。


女たちも清潔にされているが、服を身につけていなかったり、下着姿だった。

目には絶望感が漂っていた…。

俺が近づくと土下座をして平伏している……。


「想像以上に酷いな……。」

小声で呟くと、菊池がヘコヘコとしながら俺の元に近づいて来た……。


「風馬さんコイツらは良い仕事します。今度試してみて下さい。特にこの玲子は最高ですから良かったら、早速今晩辺りどうぞ……。」


ドガン。


俺は思いきり菊池のみぞおちに拳を突き立てた…。

そして、菊池が20〜30m吹き飛んで地面の上でヒクヒクしている。


状況を掴めないのか女たちが表を上げてちょっと震えている。


「みんな、まずは安心してくれ。さっき菊池たちと従属契約を交わした葛城風馬だ。それによって、あなた達も俺と従属契約したことになるからよろしく頼む。とりあえず、そんな格好だと嫌だろうから取り敢えず、俺の家に来てくれ。おいナビル、さっき配下になったヘナチョコ菊池どもに稽古でもつけてやってくれ…。1番厳しいやつで頼むぞ。」


「おういいが、アイツらだと保たねえと思うが良いのか?」


「あぁ、どうせ………構わない。」


「わかったわ。死なない程度にしごいておくわ。」


「よろしく! じゃあ、みんなはこっちに来てくれ。」


そういうと菊池たちの元従属配下だった27人を連れて俺の拠点へやって来た。

拠点へ来てやっと【創造】が使えるので、簡単に羽織る服を創造してみんなに渡した。


このままの状態で家に連れて行ったら、ミレーネと奈緒に何て言われるか……考えた誰でも恐ろしい。


「早速飯と行きたいが、まず風呂にでも入って来てくれ、ウチの風呂ならこの人数でも何とかいけるだろう。って、男は別だ・・・すまんが、この家の風呂に入ってくれ。」


俺は【創造】で家を2軒設置すると、男2人を中に入るように促した。

そして、風呂を上がったら、ウチのリビングへ来るように指示をだしておいた。



そこへ先程、話題に出た玲子が代表して恐る恐る話し掛けて来た。


「風馬様、これから私たちはどうなるのでしょうか?」


「…いや、別に変な事はしない。配下として皆と一緒に働いてもらうだけかな。あと、その風馬様ってのは止めてくれ!普通に風馬で良いぞ。」


「で、ですが、私たちは従属契約した配下ですので…。」


「うーん、そうかも知れないが俺はそんな『様』付けで呼ばれるのが好かん。」


「…そうですか。」


「そうだ!だからこれから普通にしろ。直ぐには難しいかも知れないが、徐々に慣れていけばいいぞ。」


「わかりました風馬様。風馬さん。」


「徐々にでいいから、お前たちも俺の事は風馬って呼んでいいからな。後は、昔の普通の生活を思い出して慣れろ!今まで菊池たちに捕まって大変だっただろう……。その辛い過去は消えないが……また俺の元で今まで以上に人生を楽しめ!といっても、俺もこんな世界になって今後どうなるかわからん…もしかするともっと辛い事になるかも知れないが、やれる事は俺が手伝ってやる。とにかく下を向いていないで、顔をあげて上を向いてみろ。少しは何か違ってくると思う! とりあえず、今は風呂入ってから用意した服を来てリビングへ集合しろ。」



そして、俺は女たちを風呂へ送ってからリビングへ行った。




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おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒

・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)

・従属配下 : 58人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲、中郷組12人、菊池達37人






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