第88話 中郷町(11)






【北側部隊(橋の防衛)】


中央で交戦が始まって2時間が経過した頃。


こちらに主力が居なくて手薄と感じたのか、相手が攻撃をしかけてきた。

ただ、こちらは防衛側なので、いくらでもモンスターを配置できる。


もちろん斉藤くんのC級モンスターも配置しており、相手が10,000体近く攻めて来ても、余裕で持ち堪えている。

中央での攻防は優勢に進んでいるので、このまま耐えていれば相手も引いていくだろう。


案の定、中央での戦いでこちらが勝利すると、相手は引いて防衛の体制を取った。

中央はプレイヤーを半数以上倒しており、逃走したのは5〜6人のみだ。


先程の北側での大規模な戦闘でも5人プレイヤーを討ち取り、『空列激新団』も10人程度となり、領地もかなり狭くなっていた。

その敵の領地も中央の橋から徐々に占領していき更に狭くなっていった。



【中央部隊(橋の攻略)】


先日の戦いで捉えたプレイヤー7人は、チーム高木たちの説得もあり、俺と従属契約する事に成功した。

チーム高木と呼ぶのを改めて(12人)と呼ぶ事にした。


他にも中郷町で仲間になった者たちもいるが、それは涼真さんと斉藤くんのところに入っているので、俺のところには『元空列激新団』のみで12人が加わった。




〜菊池拓真(空列激新団)side〜


連戦連敗で俺たちの連合は連日お通夜の様だった。


「そろそろ潮時じゃないか?磯原町へ向かって移動しないか?」


「確かにこのままだと俺たちもやられちまうだろな…。」


「でも、磯原とのパイプを持っている訳ではないから、あちらさんも警戒するんじゃないか?」


「そういったこともあるだろうが、磯原へ行くしか選択肢はないだろうな…。」


「そこは北茨城トップ会談でのパイプを使ってどうにか調整してみる。」


「わかった。拓真は至急磯原の連合と連絡を取って逃げる手はずを整えてくれて!」


「了解だ。でも人手も減っちまったし、これからどうするよ?」


「そん時は、従属配下の奴隷どもを囮に暫く時間を稼ぐか……それとも性奴隷どもで相手を誘惑させるか、くくく。」


「お気に入りの女は、2〜3人残しておいてくれよ。それ以外はもう飽きちまったわ。」


「おいおい、ひでぇ話だなぁ。まあ、また磯原町でも捕まえられるだろうし、少し良い女を餌にしないと敵さんも色仕掛けに乗って来ないだろう。」


「そりゃそうだな。ハハハ。」



「方向性も見えて来たし、ちょっと憂さ晴らしに女でも相手してくるわ。」


「おう、じゃあ俺も行ってくるかな。みんなも行くか?」


「そうだな。最後になる女もいるかもしれんから、たっぷり可愛がってやるとするか。」


「玲子ちゃんは連れて行くんだからあんまり激しいことして壊すなよ。」



◇◆◇◆◇◆


その後、磯原の連合と連絡を取り、数日掛けた交渉の末にやっと磯原の連合への加入の約束を取りつけた。

ただし、条件はそこまで良いものでは無かった。


もちろん、同等では無く、吸収合併の形だ。

この吸収合併の条件に対して、仲間から反対意見は出なかった。

それはこの状況を考えれば妥当である・・・。


しかし、少しでも優遇されるように交渉を進めたが・・・負け犬同然で中郷町から磯原町へ逃げ延びるので、立場が弱く期待は出来なかった。


「加入してしまえば、後は裏で手を回していろいろとやるさ。性奴隷をあてがって接待でもすれば、少しは良い立ち位置を得られるだろう。」


「今は女の調達も出来ないから、今の奴らを丁寧に扱っておかないとな…。」


「その話は後でどうにでもなるだろう。それより、そろそろ『深緑の妖精』が来る頃だから磯原への逃げ道も整備しておけよ。大丈夫だろうな?」


「ああ、北へ移動する道も順調に占領しているから大丈夫だ。ちょっと厄介なのが、最近、磯原町の西側の無法地帯の動きが厄介そうだな。」


「何が厄介そうなんだ?」


「こっちの方、磯原町の市街地の方へ近づいて来てるんだ。それに巻き込まれてる厄介だと思ってな。」


「そんなこと今まで無かったした、ここまで来ることはないだろう。」


「そうだな。ただ、警戒はしておくは!」


「よろしく頼む。」



そんな夜の事。

性奴隷従属契約の女3人を相手に夜の運動をしていると、今まで準備に磯原町へ向けて作っていた領地が取られた始めた。


慌てて仲間に連絡を取ると、予備の磯原町への道(領地)も奪われている事がわかった。


「どうなってる?」

「いや、俺にもわからない。」

「俺もだ…。」


「ただ、意図的に夜の時間帯に俺たちの領地を狙っての犯行だと思う……。」


「そりゃそうだろう。ここで『深緑の妖精』を食い止めてるのも、磯原町へ亡命するための時間稼ぎなんだからよ。」


「でも、あいつらは東から攻めて来ており、磯原にも侵入してして無いし、北側から攻撃して来るなんて不可能だろう!」


「でも、現に攻撃されてるんだ。何処かの同盟や連合と結託してるのかもしれない!」


「それも可能性は0ではないな…。」


「って、こんなゆうちょな事してないで、このままじゃこっちが詰んじまう!すぐにでも磯原への進軍を進めようぜ!」


「そうだな。言い争いする前に、行くぞ。」


「「「「「おう。」」」」」









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おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒

・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)

・従属配下 : 21人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲、中郷組12人





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