第86話 中郷町(9)
そして、怯えながら船戸が聞いてきた。
「あの……私が夜・・・・皆さまのために何かしたりとかは……?」
「・・・・・あ〜〜〜、そのことか……。」
ゴクリと船戸の表情が強張り緊張した雰囲気でこちらの返答を待つ…。
俺は悪い顔をして、いっちょ脅してやることにした・・・ノリは大事だろう。
「相手は1日3人で各2時間まで相手してくれ。船戸は若いから人気になりそうだな…ウチの男衆は20〜30人いるから大変だろうが毎日頑張れ……。」
チーム高木のメンバーがみんな下を向いて、握り拳を強く握って、押し黙っている…。
「………わかりました。」
船戸から力のない言葉が返ってきた。
「ってのは、冗談だ。別に好きでも無いのとそんな事したく無いだろ?それとも、船戸は誰でもかれでもヤッちゃうのか?」
「そんな事する訳ないじゃ無いですか!」
船戸が慌てて否定してくる。
「いや、すまんすまん。ちょっとからかってみただけだ。さっきも言ったが、夜の相手の話は冗談だ。特に強制的に変なことをやらせるつもりは無いから安心してくれ。ナビルに何かされそうになったら、俺んとこに言いにこい。」
「ほ、本当ですか?従属契約したのに大丈夫なんですか?」
「しつこいなぁ〜、そんな事望んでないから大丈夫だ。他所がどうか知らんが、俺の同盟ではそんな事にはならないから安心しろ。自由恋愛ありだから、別に仲間内で恋人を作ってもいいぞ。」
「………ありがとうございます。っぅうう。」
船戸が泣きながら、お礼を言ってきた。
大した事は何もしてないんだがな…。
「それと、料理は自前でもやれる環境は整えてやるが、食堂があるからそこで適当に取ってもらっていいから。もしくは、俺ん家で食事をとってもいいぞ。最初は、いろいろと報連相も兼ねて朝食か夕食のどちらかは顔を出してくれ。その際にメンバーを紹介するから!」
そうゆうと、代表して高木が返事してきた。
「わかりました。まだまだ、わかならい事があるので、いろいろとご教授お願いします。」
「まあ、そんな固くなるな。よろしく頼むよ。」
そのあと、チーム高木の家を建ててやって、ザックリした1日のスケジュールを知らせた。
「具体的な行動指針や指示はナビルに任せてあるからアイツから連絡を受けてくれ。」
「いろいろとありがとうございます。他の所で、従属契約されてる人たちが酷い扱いを受けているのを見てきたので……。」
「確かに自分が力を手に入れたら、偉くなったと勘違いするヤツが出てくるだろうからな・・・・・。話は変わるが、ナビルは別にそこまで変な奴じゃないから安心しろ!ただの戦闘狂だ。訓練だとか言ってやり過ぎるようだったら、俺に言いにこい。」
「わかりました。あの人は戦闘の天才ですよ……。」
「いま、一対一で戦ったら俺でも危ないかもな…。」
「………そうですよね、あの人に勝って配下に加えてるんですもんね。」
「まあ、そんな所だ。」
チーム高木たちを主拠点へ連れて帰り、一通り家の設備を整えてた。
配下も増えてきたので区画もいろいろ整理してあり、従属配下の居住区はある一箇所へ纏めてある。
俺の家を中心に周りの区画を従属配下用に確保してある。
その方が、俺の家に集まりやすいし良いだろう。
転送陣の設置上限もあるし、そこらかしこに設置は出来ない。
「ところで、風馬さんの家って、アレですよね・・・?。」
船戸がちょっと呆れて聞いてきた。
「そうだ、凄いだろ!後で観にきてもいいぞ。2階は俺のプライベートスペースだからそこには入るなよ。あと、娯楽施設も多少あるから、自由時間には勝手に使っていいぞ。ただし、ちゃんと後片付けをしろよ。」
最近はあの豪邸のことを言われても開き直って気にしていない。
「マジっすか!何があるんですか?」
「それは行って自分で確かめてくれ。因みに風呂はおすすめだが、立て札が掛かってるときは、俺たちが使ってるから遠慮してくれ。」
「わかりました。おい、後でみんなで行ってみようぜ!」
「いいな。行こうぜ!」
「何か騒がしくてすみません。」
「いや、騒がしいくらいが、ちょうどいいんじゃないか。」
「そう言って貰えて助かります…。」
その後、チーム高木たちが新たな仲間になった事を夕食の際にミレーネたちへ説明した。
加入当初の暗い雰囲気も現実を確かめる事によってどこかへ消えていた。
とりあえず、いまは『空列激新団』との戦争中なので簡単な紹介にとどめた。
チーム高木たちも元連合の仲間たちとは戦いずらいだろうから、気を利かせてナビルと共に、華川町の南部の攻略へ参加させている。
中郷町攻略の要である中央部隊の戦力が落ちてしまうが、この前の全面戦争で、相手に多大なダメージを負わせたので暫くはナビル無しでも大丈夫だろうとの見通しだ。
ヤバそうなら俺が援軍に入れば大丈夫だろうとの考えである。
高木たちに聞き取りしても、中央部隊が持ち直すのはかなり時間が掛かるだろうと同じ意見だった。
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)
・従属配下 : 14人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲、チーム高木5人
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