第85話 中郷町(8)



〜菊池拓真(空列激新団)南側side〜


少し時間を遡る。


本日、中央部隊が一気に戦力の大半を注ぎ込んで敵を迎え討つ作戦を行うとの事で、我々南側部隊も同調する事になった。

戦闘が始まると今までの惨敗が嘘だったかの様に終始優勢な状況だった。

しかし、モンスターの損失だけで見たらこちらが甚大で負けているが、戦いには勝っている。


そして、このままいけば敵を殲滅できるかもしれない状況まで来たが、相手も馬鹿では無く強力な援軍が現れて合流されてしまった。

数的な優位性は変わらないので、更なる追撃部隊を敵へ向けて送り込むと、敵は尻尾を巻いて全軍逃げてしまった。


今回の勝利は大きいに違いない!

勝利の勝どきをあげる。


すぐさま防衛から攻撃へ切り替えて、相手の領地の占領を行うがC級モンスターが配置されており中々攻略出来なかった。

ただ、相手を追い払った事に成功して少しの間余韻に浸っているのだった。


そんな矢先に中央部隊の井上彰から驚きの連絡が入った。

本日、中央部隊は大規模な戦力を投入して敵の殲滅を図ったが失敗に終わった。

被害が甚大で、25人いたプレイヤー数は10人にまで減ってしまったとのことだった…。信じがたい連絡であった。


合流して詳しい状況を確認すると、敵の南側と北側を攻めていた部隊が中央部隊へ襲いかかったとの事だった。


敵も戦力を1箇所に集中させてきたのであった。

我々南側部隊は敵を追い払ったと浮かれていたが、それは中央部隊を壊滅させるための敵の作戦だったのだ……。




〜風馬side〜


敵の中央部隊との熾烈な戦いに一時決着がついた。

危ない部分もあったが、敵の戦力を大幅に減らす事に成功したので、大成功だろう。

それにしても、新しい『占領』の新たな仕様がわかった。


・Cランクモンスター参戦、及び2万体での大戦で、戦闘時間1時間→5時間へ変更。


「戦争の規模が大きくなると、解放領域の時間も増えるのか……涼真さんたちにも情報共有しておこう。」



そして、ナビルから意外な要求を受けた……。

今回戦った相手の内5人を俺の配下へ加えて欲しいとの事だった。


「何でそうなるんだ?そいつらは信用出来るのか?」


「……そこまでは分からんが、鍛えれば中々使えそうな奴らだったからな。出来れば俺の下で修行をさせたい・・・。」


「・・・・まさか、ねーちゃんみたいに門下生が欲しいのか?」

「そんなんじゃないわ!!」


「「………。」」


ナビルにしては、慌てて否定してきたな、怪しいな。


「ナビル、図星を突かれて焦ったか…?まあいいや、ただし俺は説得するのを手伝わないぞ。仲間にするなら構わないが、厄介な奴等なら面倒ごとが起こる前にいろいろと誓約条件を付けるぞ。」


「…わかった。門下生じゃ無いが、使える手足が欲しくてな、それで構わないから少し時間をくれ。」


拘束しているらしく、これからそいつらとの交渉に入るそうだ。






数時間後、話がついて俺の配下に加わる事になったそうだ。

まさか上手くいくとは思ってもおらず、ナビルの交渉能力を侮っていた。


新たに従属契約する者たちが俺の目の前にやってきた……。

どこがて凄くシゴかれた跡が目立つ……。


「お前たちは俺の配下になる事でいいんだよな?」


ナビルが彼らをひと睨みする。


「は、はい、もちろんそのつもりです。これからよろしくお願いします。」


「……うん、よろしく頼む。」


裏技で一度で5人を従属契約するとこができた。

高木、増田、横田、黒木、船戸の5人だ。

同盟名は興味が無くて覚えていなかったが、高木真一がリーダーだったので、この5人を『チーム高木』と呼ぶ事にした。


「俺は葛城風馬だ、ナビルと従属契約している。そして、これからお前たちを『チーム高木』と呼ぶことにする。そしてお前たちは、ナビルの元に付けるから、よろしく頼むな。」


「・・・・・はい。何か規則・ルールなどはあるのでしょうか・・・・?」


「う〜〜ん……特に無いな。とりあえず、仲間に危害を加えるなとの命令をしておくが、それ以外は特にないから好きにしてくれ。」


「「「「「っえ?」」」」」


「本当にそれだけですか?」


「おう、そうだぞ。家は5人一緒でいいか?女もいるようだから、別々にした方がいいなら要望は可能な範囲で聞くぞ。」


「……特には無いよな?」

「「「大丈夫です。」」」

「私もみんなと一緒で大丈夫です。」


最後に紅一点の船戸からも確約を得た。


「風馬さん、俺たちはみんなで1つの家で大丈夫です。出来れば、個部屋を貰えたらありがたいです。」


「おう、わかった。後は何かあれば気が付いたら言ってくれ。」


「わかりました……。」



そして、怯えながら船戸が聞いてきた。

「あの……私が夜・・・・皆さまのために何かしたりとかは……?」


「・・・・・あ〜〜〜、そのことか……。」


ゴクリと船戸の表情が強張り緊張した雰囲気でこちらの返答を待つ…。

俺は悪い顔をして、いっちょ脅してやることにした・・・ノリは大事だろう。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒

・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)

・従属配下 : 14人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲、チーム高木5人





<他作品>

最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489


よろしければ、ご覧ください。

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