第83話 中郷町(6)
〜高木真一(空列激新団)side〜
敵獣人3人の中央部隊。
モンスターの損失を考えずに残り20分で敵の獣人率いる中央部隊を全滅する為に特攻部隊を次々と送った。
そして、俺たち自身も上からの命令で、打って出ることになった。
敵のモンスターを全滅できても幹部クラスの配下を逃しては意味がない。
「ここであの獣人3人を仕留めるのだ!増田、横田、黒木、船戸、俺と一緒にあの正面の獣人を倒しに行くぞ!ここが攻め時だ!」
「おっしゃーやるぞ!」
「私も絶対倒してやるわ。」
「良し、行くぞ。」
「俺たち5人の連携を見せてやろうぜ!」
タンク1人、剣士2人、槍士2人の同盟である。
タンクが敵の攻撃をシャットダウンして、近距離、中距離からの縦横無尽の攻撃を行いこれまで多くの敵を倒してきた。
これまで、こっちの人数が多くなるような体制を取って、一人一人確実に削って行く。そして、5対1になったら負け無しだ。
今回は最初から絶対に負けないこの体制を取れるので、一気に蹴りをつけてやるつもりだ。
敵を既に囲んでおり、徐々に且つ確実に敵モンスターを葬っていく。
敵中央部隊を突破できれば、こちらの勝利も見ててくるところまで来ていた・・・その時、中央部隊の前線に獣人の1人が現れて、破竹の勢いで暴れ始めた・・・。
鬼神が如し・・・凄まじい強さだった。
ただ、こちらは、5対1の必勝パターンにすることが出来ている。
敵の増援も望めそうにない・・・これはチャンスである。
あの獣人を倒せば、中央部隊は『空列激新団』の勝利である!!
「増田、横田、黒木、頼んだぞ!」
「おう任せとけ!」
「行くぞ!」
「「おう。」」
3人がいつも通り、タンクの増田を先頭に獣人(ナビル)へ向かって突っ込んで行く。
ドガーン。
増田の十八番のシールドアタックが獣人に決まった。
これを受けると普通は相手が吹っ飛んで倒れ落ちる。
これだけで、重傷を負う事もある程の威力だ!
軽トラックで吹っ飛ばされる感じだ。
だが、増田の様子がおかしかった。
「なんだとぉ〜、うりゃー。」
増田が再び足に力を入れて獣人を弾き飛ばそうとするがビクともしなかった。
増田が一旦引こうとバックステップをしたと同時に獣人が増田を追ってきて、鉄の盾目掛けて思い切り殴って来た。
「逃すかよ〜。お土産だこれでももらっとけ!」
ドガーン。
「何だよコレは……。」
増田の盾が弾け飛んでそのまま獣人のナックルが増田のみぞおち当たりを貫いた。
「なんだよコイツは……。」「……。」
増田が倒れたが、横田と黒木が左右から獣人に向かって、渾身の横払いの一撃を仕掛ける。これで倒せると思うが、手を抜かず、更なる追撃を放つために俺と船戸も相手との距離を詰める。
「フン。大した事がねーな…。」
横田と黒木の渾身の一撃は獣人(ナビル)のナックルによって器用に弾かれた。
そして、横田は迫ってくる獣人に強烈な蹴りを頭に受けて崩れ落ちた。
「バケモノめ…。」
「よくも、増田と横田を〜!」
船戸が槍で鋭い無数の突きを放つ。
決して甘い攻撃ではないこれまでこの突きで数々のモンスターを葬ってきた。
俺もその動きに釣られて突きを放つ。
その2人の無数の突きが獣人の体を貫いたように見えたが・・・・全く手応えがなかった。
「やったのか…?」
「バーカ、それは残像だよ。」
後ろから声がして振り返ると、船戸と黒木がうずくまりながら倒れていた……。
「強すぎる…。」
今の俺ではどうしようもないな……ただ、仲間を置いて俺だけでは逃げられんな。
「いざ尋常に勝負!」
「これだけの力量差を見せつけても逃げないのか……良い覚悟だ。久しぶりにあった強き者よ。」
「行くぞ。」
「あぁ、掛かって来い。一瞬で決めてやる!」
一気に地面を蹴り相手との距離を詰めてその勢いのまま渾身の突きを放つ。
「今までで最速の突きを放てたかもしれない…。」
「良い攻撃だ!」
俺の一撃は獣人に紙一重で避けられ、逆にカウンターの一撃を食らってしまい、俺は崩れ落ちた。
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)
・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲
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