第80話 中郷町(3)
ナビルたちにも招集をかけておいたので、俺が涼真さん家から戻った時には配下が全員ダイニングに揃っていた。
「みんな知ってると思うが、さっき『空列激新団』って連合から攻撃を受けた。今回は大体半分の戦力を攻守に分けて迎え撃つことになった。具体的には〜〜省略〜〜」
「ナビル、ジェイド、サミュエルの3人は中央部隊だから、遅れを許されない重要な場所だ。期待しているぞ!!」
「了解っす。最近ナビル兄さんばっかり活躍しているし、この大きな戦いで俺も活躍するっすよ。」
「そうですね、サミュエル。私たちも頑張りましょう!!」
「おうっす。」
「サミュエルもジェイドもレベル5になってクラスチェンジしたし、がんばれ!」
「レベルが上がった力を兄さんたちに見せるっすよ!」
「戦略はお前たちに任せるから、ジェイドしっかりとみんなの手綱を握ってうまくやってくれ。何かあれば都度連絡くれれば、すぐに対処するようにするから、無理だけはするなよ。」
「わかりましたよ。お気遣いありがとうございます。」
その後も兄弟3人で話が盛り上がっている。
「ミレーネと奈緒は、俺と一緒に遊撃部隊入だ。初っ端からの出動は無いが、いつ援軍要請があるかわからんから、準備はしておいてくれ。」
「私とシズカはいいけど、ナオが疲れてるんじゃない大丈夫??」
「私も大丈夫よ。ちょっと寝不足だけど、これくらいどうってことはないわ。ねぇフーくん。」
「あぁ、そうだな。今日から少し夜は控えような?」
「「ダメよ。」」
「少しだけでも控えないと、万が一重要なときに対応出来なかったら大変だし……。」
「・・・・考えておくわ。」
「そうね、多少は考えてもいいけど、雑になったり手は抜かないでね。」
「善処します。」
「ならいいわよ。」
一応、言質を取ったので、夜の行為についてもある程度余裕を持って対応する事ができそうで一安心である。
◇◆◇◆◇◆◇◆
午前4時反撃開始だった。
まず防衛側に関しては、今までモンスターだけで対処していた箇所へ元プレイヤーの配下たちがフォローに入った。
的確にモンスター達へ指示を出して、前線を立て直す。
ただ、どうしても手勢でこちらが不利である。
フォローできない領地は、相手に抜かれてしまい6時間の安全地帯を与えてしまう。
この安全地帯(敵の領地)を起点に領地を奪われてしまうので、なるべく領地を取られずにこちらが取るのが好ましいが、相手も馬鹿じゃないので中々うまくいかない。
こちらの各攻撃部隊は、1,000体。
(北側、中央、南側と3箇所あるので、合計は3,000体)
俺から2部隊(D級モンスター560体)、涼真さんから1部隊(E級モンスター240体)、斉藤くんから1部隊(C級モンスター200体)だ。
C級モンスターの力量を測るのにもってこいの戦場である。
こちらの部隊が占領を仕掛けると相手は占領されて6時間の保護期間が発生させないために結構な数を当ててきた。
その数3,000体ほどで、こちらの数の3倍ほどだ。
しかし、敵がこっちの3倍だがその数ではマジシャン系のC級モンスターの攻撃には全く対処ができていなかった。
D級装備(鉄の杖)を装備した魔法攻撃は凄まじい威力だった。
相手は魔法防御が全くできておらず次々とファイアボールなどの爆裂系の攻撃の餌食になっている。
魔法攻撃の有用性の1つに射程距離がある。
弓で届かない距離まで攻撃が可能なのである。
これは、過去にLv5土地を占領する際にマジシャン系モンスターに手を焼いたときに経験済みである。
マジシャンを倒しに敵が押し寄せて来るが、手前の前衛に阻まれて全然近づけない。
マジシャンたちはただ敵の後方へ向かって連続で魔法を唱えて攻撃しているだけで、どんどんと敵の数が減っていく……これだけ見れば一方的な展開である。
ただ、これは3倍もの敵の猛攻を耐えている前衛の働きがあるから成り立つ先方である。敵モンスターも鉄シリーズ装備(D級)のD級モンスターの軍勢である。
気を抜けば前衛に穴が空きマジシャンへ攻撃が届けば、蹂躙されてしまう可能性もある。
まあ、それを許す配下たちでは無いが、何が起こるか分からないのが戦いである。
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)
・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲
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