第79話 中郷町(2)
斉藤くんにはウィザード系のモンスターを中心に召喚して戦力の増強を図ってもらっている。この段階でC級モンスターを召喚している者はほとんどいないので、もう少しC級モンスター部隊を揃えたら攻め時かもしれない。
ここ1ヶ月は北茨城トップ会談の影響もあるのか、『深緑の妖精』の行動に警戒する動きが強くて、中郷町側の内陸への侵略が遅滞していた。この流れを払拭するためにもC級モンスターの戦力にはかなり期待していた。
・ウィザード系1体の召喚が300DP〜400DPの消費量。
斉藤くんのDP獲得量が600DP/時なので、1日30体〜40体のC級モンスターの召喚を行っている。
そんな矢先、中郷町で動きがあった。
それは夜中のこと、俺がミレーネとの一回戦目を終えて、奈緒と裸の二回戦目を繰り広げているときだった。中郷町の最大連合である『空列激新団』から攻撃を受けていると連絡が入った。
最近はこういった大きな連合から攻撃を受ける事が無かった。流石にウチも中郷町の海岸線から中央部まで領地を拡大し過ぎて目立っているからだろう。
涼真さんと連絡を取って家へ向かうと、夜中だったがすでに涼真さんの他にねーちゃんや
「みんな集まってるんですね。」
「ああ、ちょっと今回は大きい連合が相手だから戦争も長期間する事が予想される。そこで、攻守に分担を分けようと思っていて、みんなにも集まってもらっているんだ。」
「私としては静香や如月一門たちの実力もこの機会に測りたくてね。」
「その件は、僕も了解しているから、今回の作戦を話すから、意見を聞かせて欲しい。」
「わかりましたよ。」
俺、涼真さん、ねーちゃんで話を進めて、最後に斉藤くんが返事した。
「わかりました。」
大まかな配分はこうだ。
・攻撃部隊:静香さんたち門下生、如月一門の半数、獣人3人、ヒデさん
・防衛部隊:ねーちゃん(高萩方面)、涼真さん(華川町東側)、斉藤くん(華川町南側)、如月一門の半数(中郷町)、田中家3人(中郷町)
・別枠(遊撃):俺、ミレーネ、奈緒
攻撃部隊は、3つに分かれ各々1,000体のモンスターを引き連れ並行して進軍する。
・北側(如月一門)
・中央(獣人たち)
・南側(ヒデさん+静香さんたち)
各々1,000体モンスターの内訳は・・・
・俺 2部隊(D級モンスター280体✕2部隊)
・涼真さん 1部隊(E級モンスター240体✕1部隊)
・斉藤くん 1部隊(C級モンスター200体✕1部隊)
◯ : 深緑の妖精
△ : 空列激新団
= : 川
◆ : 如月一門(攻撃隊)
◉ : 獣人たち
◀ : ヒデさん+静香さんたち
▶ : 田中家
【地図】※横向き推奨
磯 原 町
==========◯===
△△△△△△◆◆◯▶◯◯
△△△△△△◆◆◯◯◯◯
山 △△△△△△◉◉◯◯◯◯ 海
側 △△△△△△◉◉◯◯◯◯ 岸
△△△△△△◀◀◯◯◯◯
△△△△△△◀◀◯◯◯◯
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高 萩 市
3部隊が足並みを揃えないで、1部隊だけが突っ走るとその部隊だけ敵地の奥へ入ってしまうので、四方から集中攻撃を受ける可能性があり、全滅のリスクが高まる。
一番重要なのは中央であった。
敵も反応しやすいので、それだけ相手にする敵が多くなる事が想定される。
進行が遅れてしまうと全体の計画が崩れて、他の場所に影響を与える。
とても重要な場所なので、ナビルたちへ任せてある。
別枠で遊撃隊の俺は自分の1部隊(D級モンスター280体)と斉藤くんの1部隊(C級モンスター200体)を率いて領地全体の攻守をサポートする役割だ。
攻撃部隊が苦戦していればサポートに入り、防衛側が抜かれそうならそこへ向かったりする。防衛の場合はモンスターの数に限りなく率いて戦える。
「基本的に涼真さんの考えで良いと思います。気になるのは、空列激新団との戦争中に磯原町からチャチャが入らない様に川を活用して上手く防衛が必要ですかね。」
「それはあるね。そのために田中家や如月一家の半数を中郷町の防衛に回してあるよ。」
「確かにそれなら大丈夫でしょうね。」
「僕のC級モンスターもある程度防衛に回しておく様にするから心配しなくて大丈夫じゃないかな。」
「そうだな、よろしく頼むよ斉藤くん。田中家には川を渡らせない様に対策してもらうわ。」
「そうしてもらえると助かるよ。では、解散して攻撃部隊は1時間後の午前4時に現場集合でよろしくね!」
「「了解です。」」
ねーちゃんは涼真さんと如月一門たちと攻撃・防衛の人選を協議している。
「斉藤くん、俺も家に帰って報告して出発の準備をしないといけないからそろそろ帰るわ。」
「分かりました!僕も戻ります。でわ!」
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・セフレ : 1人 笹野静香(恋人公認)
・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲
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