第71話 最強種(1)
近況ノートに【キャライラスト(イメージ)】を載せましたので、よければご確認下さい。
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フィールドボスは北茨城市の各地でも出現している。
磯原町では鬼系統、大津港町ではヴァンパイア系統など多種多様であった。
そして、フィールドボスは【創造】で生み出せるモンスターとは全くレベルが違う。対処できない地域では甚大な被害が出ていた。
更に厄介な事は、異世界人との攻防が激しい地域でフィールドボスが発生する場合だ。この場合、プレイヤーは互いに攻撃が通らないため、何とも言えない雰囲気である。
プレイヤーへ攻撃を行なっても不思議な力によって防がれてしまう。目に見えないバリアーみたいな物に守られている感じだ。
中郷町で発生したフィールドボスは既に2匹共ウチの同盟が撃破しているので、フィールドボスに対するそれなりの耐性はある。・・・が、それにしても当たりを引きすぎだろう。
華川町でもフィールドボスが発生した。しかも、俺たちの領地のど真ん中での話だ。弱いプレイヤーたちにとっては最悪の惨事になりかねないが、ウチの同盟に取っては・・・・ラッキー、強運の持ち主が身内にいるのだろう!!
ただ、現れたフィールドボスが結構厄介な相手だった・・・。
少し時間は遡る。
いつもの様に朝一でみんなしてlv5の土地開拓へ向かっている最中の事だった。主拠点の近場のlv5土地は、順に占領しておりもう既に取り尽くしている。
歩いて30分以上の場所しか残っていなかった。朝の散歩と考えれば結構良いが、意外と面倒な距離だった。
そろそろ、要塞を建てて瞬時に移動できるような状況を作って置こうと思う。
そんな事を考えていた時だった。
急に辺りがドンドンと暗くなってきた……。
「これってアレよね?」
ミレーネが俺に話しかけてきた。
「ああ、たぶんアレで間違い無いだろうな。」
ねーちゃんの方を見るとちょっとウキウキしているのがわかった。すると本当にすぐ近くにズドーンと大きな音がした。
「ここここ、これは・・・・。」
映画で見たことある奴だ。
高さは2mほどで、全長は5m、4足歩行のゴツい・・・映画の奴よりデカいな。
「トリケラトプスか、当たりを引いたな!」
ナビルがなぜか変なことを言った。
「トリケラトプスって、こっちの世界と同じ呼び名か!って、何が当たりだよ!」
「恐竜系統は最強種なだけあって、ドロップ品がピカイチなんだよ。もしかすると、ルーンブレード以上のレアアイテムを手に入れられるかもしれないぞ!」
「「っっっお!!」」
ナビルがとても良いことを言っていたので、つい俺とねーちゃんが反応してしまった。本当につい反応してしまった。別に喜んでいるわけではない・・・。
「ナビルそれは本当か!次にレアアイテムが出たら、私が頂くぞ!風馬は一番最初にもらったんだから我慢だ。」
「何言ってんだよ……(みんなの視線が痛い)そんなの……当たり前だろ(視線に負けた…)。」
「よし絶対だからな。言質も取ったし頑張らなくてわ!」
ねーちゃんが更に気合を入れた。まずは、敵の行動パターンの把握を行う。トレント(巨大な木のフィールドボス)と同じように配下モンスターを向かわせて様子を見る。
その結果、大きくは3つのパターンを掴んだ。
・ツノ攻撃(頭を上下左右に振っての攻撃)
・突撃攻撃(スピードの乗った突撃攻撃)
・シッポ攻撃(長い尻尾を振り回す攻撃)
俺、ねーちゃん、ナビル、ヒデさんが前衛。
ミレーネ、奈緒が後衛の陣形で挑む。これまで通り、配下のモンスターを戦いに参戦させることはしない。いても肉壁になるだけで、ただの兵の損失でしかない・・・。
他のプレイヤーならそんなことを言っていられないのかもしれないが、ウチは少数精鋭部隊ですから。
〈対戦状況〉
俺 6人 vs 敵 トリケラトプス
結構余裕を持っていたのだが、蓋を開けると・・・かなりの苦戦を要した。
ミレーネと奈緒の遠距離攻撃はほとんどボスにダメージを与えられない。急所となる目などへ決まればダメージが入るかも知れないが、ボスの硬い皮膚に当たってもボスは平気だった。
それは、前衛の俺たちにも当てはまる事だった。異世界でも最強種と言われることはある!!
唯一ダメージらしいダメージを与えられるのが『ルーンブレード』だけだった。
ダメージと言っても普通の攻撃ではかすり傷程度。『兜割り』が決まればある程度ダメージを与るが、トレントの腕を両断した『兜割り』でもこの程度だ・・・。しかもルーンブレードを装備しての結果だった。
トレント相手だとC級装備で腕を両断できたが、全然違う感触に戸惑ってしまっている。
「ナビル、そっちの世界でも恐竜はこんなに強かったのか??」
「いや、ここまでタフな奴は中々いなかったな。ボス扱いとなって、強さがグーンとアップしたのだろう・・・俺もここまで凄いとは想定外だ。」
「っち、なんで今回に限って恐竜なんて引き当てるんだよっ。」
「だが、ティラノサウルスよりはマシだ・・・。あれが、フィールドボスで出たと思うと・・・正直この戦力では逃げるので精一杯だろう。」
前衛で戦っている俺たちは、ボスの攻撃を躱したり流したりしながら、何とか出来ているが、このままではジリ貧だった。
これが、他のプレイヤーなら、絶望的なことだろう。いや、俺と同等の条件を得たプレイヤーがいれば別か・・・。
その時1つのアクシデントが起きた。
ボスがツノ攻撃を行なっている際に足がもつれて少しツノ攻撃の軌道がズレてしまったのだ。
ボスの攻撃を正確に読み取り冷静に捌いていたねーちゃんにとってそのアクシデントは悪い方向へ動いた・・・。
軌道がズレたボスの攻撃を受け流すはずが、剣でモロに受けてしまい弾き飛ばされねーちゃんは木に激突してしまった。
そこへボスがチャンスとばかりに突進による追い討ちを仕掛ける。頭に生えた鋭く大きな2本の角がねーちゃんに迫ってくる。
「ねーちゃん!」「リサ!」「師範!」
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲
<他作品>
最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489
よろしければ、ご覧ください。
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