第65話 候補者(6)
〜斉藤和人side〜
僕は、風馬さんと別れたあとに無理を言って、仲間たちの遺品を集めて貰っていた・・・。
現在の僕の戦力だけでは、周りからの奇襲を受けた場合、対処ができない。
何かあってからでは遅いとのことで、風馬さん達が仲間の遺品を集めてくれて、そのまま何も言わずに去っていった・・・。
「本当はこんな形で再開したくなかったが・・・。」
手に持っている仲間の遺品をみると、自然と目から涙が溢れてくる・・・・。これまで会社の同期で仲が良かった5人である。
仕事の愚痴を言い合ったり、一緒に旅行もしたり、合コン何かにも誘ってくれて参加した・・・様々な記憶が蘇る。
そして、そんな平穏な日々が終わり、この世界が始まった・・・直ぐに僕を同盟に誘ってくれた、どんな辛い日々もこのメンバーがいたから乗り越えられた・・・。
「いまはもう・・・お、お、お前らも(いない)、う、う、うわぁ〜〜〜。」
ボロボロと目から涙が溢れ出す・・・声も張り上げて大声で泣いてしまう。
一時間以上はそのままだったろうか。声もガラガラで出なくなっていた・・・。
ただ、このままじゃ大切な仲間に顔向けが出来ないと思い、力いっぱい叫んだ。
「ぼ、ぼ、僕、これから、、、、お前らの分まで頑張って生き抜くよ!そして、こんな世界にしたやつの顔に一発お見舞いしてやる!!その時は、天国から見ててくれよな!!」
何故か『『『『おう(うん)。』』』』と言う声が聞こえた気がした・・・。
◇◆◇◆◇◆
〜風馬side〜
何の問題も起こらず次の日になった。
俺が斉藤くんの領地へ迎えに行き、その足で、設置した転送陣を通って涼真さんの拠点を訪れた。
「斉藤くん、別に試験じゃないしちょっとした面接だから問題ないよ。そんなに緊張しないで!」
「でも、理沙さん達のリーダー何ですよね…。あんな強い人のトップって、どんな人なのか…うっっ。」
「涼真さんは想像している感じの人じゃないよ。・・・・たぶん。」
〜斉藤和人side〜
風馬さんに連れられて、『深緑の妖精』のリーダーの主拠点に来ている。
「どうぞ。」
理沙さんの声がして家の中へ通してくれる。この扉を潜ればリーダーが……どんな強面の人が現れるのだろうか・・・。
「胃が痛くなってきました・・・・。」
「何か言った?」僕が呟いた言葉に理沙さんが反応した。
「何でもないです。」
扉をが開くと、想像と違ったインドア派の感じの人が立っていた。
「こんにちは、僕が『深緑の妖精』のリーダーをやっている五十嵐涼真です。よろしく。」
「・・・斉藤和人です。この度は同盟の皆さんに危ないところを助けて頂き、ありがとうございました。」
「まあ、偶然居合わせただけですから助かって良かった。ところで僕達の同盟に入りたいって本当?」
「もちろん本当です。僕自身は強く無いですが、【配下】にステータスポイントを振っているので、絶対にお役にたてると思います。」
「そっか、まあ僕も前線にはあまりいかないから一緒だね。僕もサポート中心だからさぁ。うちには理沙や風馬くん、それにナビル達もいるから楽をさせて貰ってるんだ。」
この前、意識を失いそうな中で、フィールドボスと戦っていた理沙さんの姿を思い出していた。
「確かに理沙さんの強さは凄まじかったです。」
「まあ、そういうこと。細かなルールは後で教えるけど、一番大事なのは仲間だから!仲間を信じられない人はこの同盟にはいないし、いらないと思っている。斉藤くんは大丈夫?」
「……僕は、大丈夫な仲間を失いました……が、こうして僕を助けてくれて、心配してくれる人達に出会いました。この恩に報いて、みなさんに信頼してもらえるように頑張りますので、どうか僕をこの同盟へ入れて下さい。お願いします。」
深々と頭を下げた。
「・・・・わかった、これからよろしくね。」
「ありがとうございます。」
これで、正式に『深緑の妖精』に加入するとこができた!
この時、緊張して気付かなかったが、理沙さんと同じ五十嵐さんと言うらしい……!
その事を確認するため風馬さんの苗字を確認すると「俺は葛城風馬ね。よろしく」と言ってきた。
僕の淡い恋心は一瞬にして消え去ってしまった。ただ、理沙さんが憧れの存在であることには変わりない。
名前 斉藤 和人
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 F (0)
魔力 F (0)
配下 D (25)
創造 F (0)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲
<他作品>
最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489
よろしければ、ご覧ください。
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