第59話 ミレーネ


そういえば、ミレーネと知り合って1年が過ぎていた。


あっという間に過ぎ去った1年だった。

最初は姿が見えない敵同士だった。


「突如姿が見せたかと思うと、相当警戒されてたっけ。まあ、敵同士だったから仕方ないか。」


それで最終的に仲間になるなんて考えられなかったな。こんな世界になるんだし、何があるかわからない。


これからは、もっと仲間を増やしていって安全な領土を確保し、自由なスローライフを送りたいな。



ミレーネとは今でもほぼ毎日といって良いほど、よろしくヤッている。

昨晩は俺のベッドに凄いキワドイ下着を付けたミレーネが入ってきた。


夜ベッドの上で健全な若い男女が一緒にいたら、まあする事は一つしかない。

生まれてきた姿で、そのまま朝まで一緒のベッドで寝ていた。


ミレーネはまだ寝ていたので、起こさないようにベッドから抜け出して、気分転換に朝風呂に入る事にした。


たまに誰か入っているが今日は先客がいなかった。俺が風呂に入っているとミレーネが後からやってきた。


この時間帯は、仲間の誰かが朝食を取るために来ている可能性がある。

そんなのお構いなしにミレーネは発情したネコのような甘い声で俺に擦り寄って来て、俺の大事な部分を刺激する。


昨晩は、結構夜遅くまでずっと合体したまんまだったのに、元気である。


それは俺も同じで、そんなことをされたら下半身が元気にならない訳がない……朝はリビングルームに誰かいる可能性があるのに・・・・。


風呂を早々に切り上げて、バスタオルを巻いたままミレーネをお姫様抱っこして2階のベッドまで運ぶ……。「っきゃ♡」


ミレーネと2人で予定より遅れて朝食をとりにダイニングへ行くとすでにみんな揃っていた。

すでに朝食を済ませている者もいれば、食べている最中の者もいる。


ねーちゃんが「お盛んなようで」と茶化してきた……やっぱり聞こえていたか。

そんな事を気にしないでちゃっちゃっと朝食を食べる。


みんなと今日やる事や連絡事項などを一通り簡潔に話して、朝は解散となった。

各々やるべき事をやる。




そして、今日の昼間は、珍しく奈緒が田中家と一緒に偵察任務を行うらしいので、別行動となった。


ほぼ毎日俺、ミレーネ、奈緒の3人で行動していたので、ミレーネと2人きりだと新鮮であった。


今日は趣向を変えて水沼ダム方面へ向かうことにした。

水沼ダム方面といえば、エルフたちがいる方角だ。


「なあ、親戚っていたりしたのか?」

「何よいきなり?」


「今後エルフたちとも戦う事が多くなってくると思うから、いろいろと考えることがあってさ。」


「親戚はいたけど、全然会ってないわね。 それにいたとしても私には将来を誓った人がいるし……。」


ミレーネがこっちを見てちょっと赤くなっている。


「そうだな……。そういえば、ミレーネたちが住んでいた前の世界でこの辺りに拠点を置いていそうな大きな組織ってどこか心当たりあるか?」


「獣人たちの組織体はわからないけど、エルフたちだったらミヒラン男爵家が近くにあったわ。私たちの村はこの男爵領の一分だったのだけど、あまり良い待遇だったと言えないわね・・・・。」


ミレーネは、さっきまでの顔と違って、少し険しい顔つきになっている。


「税金などが酷かったのか?」


「税もあるにはあったけど、最悪って場所ではなかったわ。酷いところは本当に酷いもの……。それよりは、警備体制をほとんど配置して貰えなくて、自衛で人間族や鬼族たちからの防衛を行っていたわ。通常、貴族ともなると領地経営や防衛のために警備を敷いてくれるべきなんだけど、私たちの村はあまり裕福でなかったから手を回して貰えなかったのよ・・・。」


「なんでそんなやつが貴族なんてやってるんだろうな! 民を守るべき存在の者が職務を全うせずに過ごしているなんて頭にくるな。」


「・・・・まあ、何にせよ未練はないわよ。いまの生活の方が何百倍も楽しいもの!!」


「それなら良いけど。何かあればすぐにでも言ってくれよ。可能な範囲でならミレーネのためなら何でもするつもりだしな。(言っておいて、ちょっと恥ずかしい。)」


「だったら、フーマの子供が欲しい♡」


「いやいや、そういう意味じゃないから。今すぐは無理だな……そのうちな。」


「絶対だよ!?」

「ああ、絶対だ。」


水沼ダムの畔で少しゆっくりして、異常が無いことを確認すると南側へ移動した。




この華川町の南側は、人獣や人間達でごった返している無法地帯となっている場所である。ここで、防衛ラインを守るというのが役割の一つだった。


あまり、南下し過ぎると目立ってしまい、他の同盟たちから集中砲火を受けるので、この場所は防衛ラインを守るのが日課となっている。


「調子はどうだ?」


俺が獣人のジェイドとサミュエルに声をかけた。


「相変わらずってかんじですね。これといって大きな動きはありませんよ。」


「そうっす。今日も本格的にはどこの同盟も攻めてきてないっす。元気のいい獣人が1人おりましたが、僕達が追い返しておいたっす。」


「そうか分かった。そのまま警戒を続けてくれ。」

「「了解です(っす)。」」


俺たちも軽く「占領」を行ってからまた違う場所へ移動する。




今度は涼真さんが防衛している華川町の東側だ。


「涼真さん、何か変わりはないですか?」

「っあ、風馬くん。ここに来るなんて珍しいね。」


「ちょっと今日は各所を見て回ろうかと思って。」


「そうかい、こっちも相変わらずって感じかな。ただ今日は、ちょっとこれから他のプレイヤーとの交渉があるから、そっちへ行ってくるよ。」


「そうだったんですね。了解です。何かあれば連絡下さい。」

「ああ、わかったよ。それじゃあね。」


そう言って、涼真さんは出かけていった。





次に中郷町へ移動した。


「ヒデさん、領地拡大は順調に進んでますか?」

「ちょっと、いまは敵の反撃にあっている状況だね。」

「そうですか、だったら俺たちも参加します。」


「それは助かるよ。あっちから敵が攻めて来ているから、対処を頼んで良いかい?」


「いいですよ、だったらミレーネと一緒に行ってきます。ミレーネも良いよな?」


「私は別に良いわよ。」

「じゃ、行ってきます。」


そう言って、少し中郷町で汗を流すのであった。


そんなこんなで一日が過ぎた。

夜になりみんなと夕飯を取り、簡単な1日の報告会をおこなった。


俺の仲間(配下)は田中家を含めて9人まで増えている。

結構多くなってきたが、同盟にプレイヤーが3人と言うのは何度もになるが課題だった。


それは、田中家が解決すために日々奮闘してくれているので、その結果を待つだけだった。




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おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒

・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲


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