第56話 南中郷駅(2)





南中郷の領土を拡大してながら、10日が経過しようとしていた。


そして、とある領地に大きな忍者屋敷が広がっていた…。



なぜ忍者屋敷と分かったかというと、門に大々的に伊賀流忍者屋敷と書いてあったからだ。


相当な忍者マニアなのだろう……それがお馬鹿さんか・・・。


どうせ南中郷は全て占領するつもりなので、その家の敷地を跨いで中へ入っていった。


すると、どこからともなく手裏剣が飛んできて、俺はその手裏剣を剣で弾いた。


「どこだ姿を現せ……。」

「……流石だな、こんなん攻撃じゃ当たらんか。」


「父上そりゃそうですよ。あんなバケモノを軽々と倒した同盟の人達なんですよ。」


そこに現れたのは忍者装束を身にまとった2人組だった。

そして、なぜか相手は俺たちのことを知っているようだった。


「試すようなことをして申し訳ない。敵意はありません、以前、巨大な木のバケモノを倒すところを偶然見ていたのです。」


手裏剣を投げてきた方の父親らしい男が話しかけてきた。

そして、2人組は俺の前で片膝をついて懇願してきた。


「突然のことで申し訳ありませんが、私達を貴方様の傘下に加えて貰えませんでしょうか?獣人やエルフを従えて、あの巨大な木のバケモノを倒す強さを知り、主君として仕えたいと思いました。」


「私も父上と同意見です。どうか、貴方様の傘下へ加えて下さい。・・・・・お願い申し上げます。」


正直、こんな大事なお願いを急に言われても困る・・・どうしようかな、少し呆れてしまった……。


「その傘下に加えて欲しいというのは、同盟に加入するということか?それとも連合みないな組織を指しているのか?」


「同盟でも連合でもありません。貴方様に直接仕えるということなので、配下に加わると思って頂ければ結構です。」


「・・・・いきなり、どんなのか知らないヤツの配下になるっていうのか?それはおかしくないか?」


「いえ、私たちは貴方様、いえ葛城風馬様のことをここ1週間近く観察させていただき、判断した次第です。」


父親と話していたら、娘の方が俺を観察していたと言ってきた。



「え!なぜ名前をというか、観察って何さ?」


「私達はリアル忍者を目指しておりまして、普段より父上、母上と共に忍者の修行を続けておりました。 その一環で風馬様を観察する任務をおこなって、主と崇めるに相当する人物か秘密裏に調べさせて頂いておりました。ターゲットに気づかれずに観察・偵察することなど朝飯前です。」


「そうなのね……まあ、良くないが、とりあえずわかった。 ところで、その格好は何なの?普段からそんな感じなのか・・・?」


俺が呆れた目をして2人を見つめながら、質問した。


「風馬様はこの素晴らしさがわからないのですか!!忍者装束ですよ。こんな非現実世界になったんです、誰の目も気にせずに日々生活しております。その結果この格好をしております。だって、忍術が使えるようになったんですよ!!今まで以上に忍者への興味が高まりました。なんて素晴らしいんでしょう〜〜。」


「ちょっと娘が取り乱しておりますが……。娘のいう通りで、巨大な木のバケモノを倒すほどの実力の持ち主に興味を持たぬはおりません(風馬:自ら忍者とか言っているし・・・)。ここ1週間ほど遠くから、風馬殿を観察させていただき、勝手ながら人となりもある程度確認させていただきました。その結果、我が主に相応しい人は風馬殿しかいないと思い、今回の申し入れをさせていただいた次第です。」



2人の熱量がすごい・・・。

それにここ1週間ほど観察されていたなんて全く気づかなかった。


今後、仲間を増やさないとやっていけないと思っていたので、使えそうな人材なら配下へ加えても良いと思っていた矢先に、諜報部員として使えそうな人材が目の前に現れたのは・・・俺って強運なのだろうか?


「そうか、因みに母上と言っていたが、お母さんも俺の配下になることを認めているのか?というか、何人配下になりたいんだ?」


「母上も風馬様の配下に加わる意思があり、母上含めて3人が風馬殿の配下にさせていただきたいです。」


「そうか、わかった。他の配下のものと同じく従属契約で良ければよろしく頼む。」

「「はい。ありがたき幸せです。」」


こうして、忍者マニアの家族が俺の仲間に加わることになった。


そうそう、名前を聞いていなかったが、田中さんと言うらしい。


田中一雄(夫)、田中和美(妻)、田中美咲(娘)の3人家族だ。


名前 田中 一雄

レベル 4

クラス なし

ステータスポイント 0

能力値

 力 D (25)

 魔力 F (0)


名前 田中 和美

レベル 3

クラス なし

ステータスポイント 8

能力値

 力 E (5)

 魔力 F (0)


名前 田中 美咲

レベル 4

クラス なし

ステータスポイント 0

能力値

 力 E (5)

 魔力 D (20)



仲間に加わったと言っても、従属契約は1度使用すると10日間のクールタイムが発生するため、3人を配下に加えるまでに20日間かかった。


この20日間で、中郷町内で追い払った同盟は数しれず、5つの同盟を壊滅させて南中郷駅まで領地の拡大を成功させた。


その間に田中家(忍者マニア)たちには、特別なミッションを与えていたのである。





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おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒

・従属配下 : 9人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲


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いつもご愛読ありがとうございます。


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これからもよろしくお願いします。






<他作品>

最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489


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