第50話 海岸の防衛(5)
〜板橋聖夜(進撃の中郷軍)side〜
橘さんが美味しそうな話があると持ってきた。
それは、高萩の海岸へ侵略する話だった。しかも、多数の同盟が協力して行う作戦で簡単なお仕事とのことだった。
そんな美味しい話あるのかとちょっと怪しい気もするが、多数決の結果、参加する事になり、高萩の海岸線へ向けて南下した。
最初のうち順調に敵の領地を占領出来たが、次の瞬間300体ほどの敵モンスターが『待機』していた。他の同盟員たちも似た状況だった。
俺は他の仲間と違いステータス配分を【配下】重視にしている。
敵の数が少ないので仲間と協力しないで単独で敵と交戦する事になった。
ちょっと不安だが仕方ない、配下モンスターの後方で指示を出している。
順調に敵を撃破していっていたが、突如、敵の新手が現れ、違和感を感じた。
こういったときの勘を素直に信じるようにしている。
攻め手を弱めつつ、いつでも退却できる配置を取っていた・・・・。
「案の定罠だったか……。」
敵の新手はD級モンスター300体ほどで、すぐさまヤバイ相手だとわかった。
「半数は殿をしつつ、残りは撤退だ!遅れるな。」
俺はすぐに判断して、何とかその場から逃げる事ができたが、同盟画面を確認してみると、仲間の表示が消えていた・・・・隼人さんをはじめ他の3人は戦死してしまっていた・・・・。
すぐさま中郷町の主拠点へ戻ろうとしたら、これまで進軍してきた領地が無くなっていた……。
それは、さっき戦死した仲間が所有する領地であったため、中郷町までの退路が無くなっていた……。
敵の『深緑の妖精』たちもその事に気づいており、防衛している部隊と違う別働隊がフリーの土地を占領しながら、北上して中郷町の海岸線へ向かっていた。
この分では、俺の中郷町への退路も断たれてしまうだろう……。
何んとか生き残る道を考えないと。
可能性は低いかもしれないが、これしか考えが浮かばなかった。
敵と交渉すべく白旗を持って相手が現れるのを待つことにしたのだった。
暫くすると1人の男が現れ、お互いに保護期間中の領地上で話をする事ができた。まず、第一段階としては成功だな。
「白旗なんて何の真似だよ。」
「これは失礼しました。私は『進撃の中郷軍』の板橋聖夜と申します。これ以上は難しそうなので、降伏させて下さい。」
「ふーん、人の領地を集団で攻めてきた板橋さんが、何で今更降伏かんなするのよ。」
「それは…私は最初から乗り気では無かったんです。同盟の方針で仕方なく参加しました・・・・。」
「・・・・・それを証明する証拠は?」
一番嫌なところをついてくる。
「……証明する証拠はありません。」
「だよね。だったら俺は何を根拠にその言葉を信じれば良いのさ?」
最もな事だった。
逆の立場でも相手を信用する根拠が無い。
しかもさっきまでこっちから侵略を仕掛けており、状況が悪くなったから寝返っただけにしか見えない。実際そうなのだが…。
「それは、ありません。これから共に歩み証明させて下さい。」
下手な屁理屈より、素直に信じる根拠が無いと紳士的に答えた。
「・・・・・却下だな。状況が悪くなったらすぐに手のひら返すのが気に食わない。後はお互いにこの世界のルールである力で示そう。」
「っちょっと待って下さい。待ってくれって言ってるだろ〜!」
その
〜風馬side〜
敵の総攻撃の手は日付が変わる頃にやっと止まった。
葛城道場は途中で涼真さんがねーちゃんへ合流して何とか死守出来たが、高萩の海岸線と市内の領地はlv5領地以外全て侵略されてしまった。
ただし、代わりに中郷町の海岸線南側半分(約2km)ほどを占領する事が出来た。
『進撃の中郷軍』を4人倒していたため、中郷町の海岸線に着いたときにはフリーの土地が至る所に空いてある状態であった。
そのフリーの土地を占領しつつ、残りの『進撃の中郷軍』の同盟員1人を追い詰めて討伐したのは次の日の昼間頃のことだった。
そして、安堵するのも早々に次は中郷町の同盟から攻撃を受ける事になってしまった。何とか領地の保護期間(6時間)を上手く使い分拠点を建設することに成功して、ねーちゃんと涼真さんにも援護に来てもらい今は一段落ついている。
今後はここを拠点として、力を蓄えて高萩へ進軍するか、磯原へ進軍するか様々な戦略が考えられる。
ただ、いまはもう眠さが限界に近いため、その事は明日以降考えることにした。
高萩市全域を失った失態はあったが、どうにか葛城道場を死守し、中郷の海岸線を新たに確保ができた。
100人以上のプレイヤーからなる総攻撃を俺のD級モンスターが主体となり、どうにか防衛を行った。壮絶な戦いで多大な被害を受けたが、その甲斐もあり今回の戦いを経て、レベルが6へと上がった!!!
今後の課題として、味方プレイヤーが絶対数少ないので、モンスターが足りない。
配下重視型の同盟員を早急に仲間にする必要があると思った。
【配下管理】
従属配下 6人(ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、高橋奈緒、田村秀樹)
D級モンスター 4,073体 → 3,231体
E級モンスター 2,528体 → 948体
F級モンスター 629体
【装備】
鉄シリーズ装備 2,322セット → 1,532セット
銅シリーズ装備 1,899セット → 583セット
木シリーズ装備 273セット
【領地】
lv5 16
lv4 288 → 231
lv3 362 → 214
lv2 152 → 96
lv1 331 → 211
【DP管理】
DP量 11,904/11,904
DP獲得量 496DP/時間
名前 葛城 風馬
レベル 6
クラス ナイト
ステータスポイント 5
能力値
力 C (35)
魔力 F (0)
配下 D (20)
創造 E (5)
名前 ミレーネ
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (14)
魔力 F (0)
名前 ナビル
レベル 5
クラス モンク
ステータスポイント 0
能力値
力 D (34)
魔力 F (0)
名前 ジェイド
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (12)
魔力 F (0)
名前 サミュエル
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (12)
魔力 F (0)
名前 高橋 奈緒
レベル 3
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 F (0)
魔力 D (18)
名前 田村 秀樹
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 D (20)
魔力 F (0)
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・従属配下 : 6人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒
<他作品>
最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489
よろしければ、ご覧ください。
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