第49話 海岸の防衛(4)
〜橘隼人(進撃の中郷軍)side〜
俺は『進撃の中郷軍』のリーダー橘隼人だ。
高萩の某同盟より高萩市の海岸線を入手したくないかと話を持ちかけられた。
もちろん可能ならば高萩の海岸線の領地を手に入れたい。
中郷町の海岸線はすでに俺たちが全て占領しており、領地拡大の手段が少なくなっている。このまま内陸へ攻め入るか、海岸線の南北のどちらかへ攻め入るかだ。
そんな矢先のこの誘いだ。
話を聞くと1つの同盟を集団攻撃するようだ。
簡単なお仕事で、領地の拡大を図れるので願ったりだ。
この話が本当ならこれで、高萩への進軍の足がかりができるな・・・・。
4月15日13時ときは満ちたが、口約束の誘いだったので、本当に他の同盟が動くのか不安であり少し様子を見守った・・・。
すると、『深緑の妖精』の占領する海岸線の領地へ向けて、相当な数のプレイヤーが攻め入っていた。
【地図】を見ながらその状況を確認し終わると、俺たち同盟員4人もこの流れに遅れてはいけないと、慌てて『深緑の妖精』の領地へ攻撃を仕掛けた。
敵のモンスターは大したこと無かった。
守備に配置されたモンスターはF級のザコモンスターばかりだった。
見張り役のモンスターなのだろうがそいつらを蹂躙して、次の領地へ侵略を進めても一向に本命の防衛兵がやってこない。
更に明らかに『深緑の妖精』はこちらに対処が出来ていない状況だ。
まさか中郷町から市を越えて攻撃の手が伸びてくるとは思ってもなかったのだろう。どんどんと侵略が進む。
1時間後、やっと本命の守備隊がやってきた。
しかし、プレイヤーの姿は無く、300体ほどのE級モンスターが守りを固めているだけだった。
俺たちは最初こそ慎重になって、同盟員で一塊になって侵略していたが、敵の対処が全く追いついていないと分かると、個々に分かれて別々の領地を侵略していった。
他の同盟員とチャットで連絡を取ると、みんな300体ほどのE級モンスターが防衛しているようだった。
俺たちは敵が300体程度のモンスターなので、各自で殲滅する方針で動き出した。
俺はレベル4なため、4部隊を編成出来る。
ステータスの配分は、【力】D級、【魔力】F級、【配下】E級、【創造】E級である。
出撃できる総モンスターの数は640体(160体×4部隊)だ。
<対戦状況>
敵 300体ほど VS 俺 640体
ここへ俺の4部隊の全てのモンスターを集めて一気に決着を付ける。
同盟員4人が4ヶ所で別々に300体のモンスターと戦闘し、敵の数を一気に減らす作戦だ。300体×4ヶ所=1,200体の討伐だ。
開始20分、こちらは1割程の被害に対して、敵は半分ほど減りだいぶ押している。
このまま押し切れると思っていたら新手が現れた。
その数300体ほど、最初と同数程度の増員だった。
<対戦状況>
敵 450体ほど VS 俺 600体弱ほど
「っち、新手か、数はこっちが上だから乗り切れるかな?まあ、新手の姿が良く確認出来ないが、さっきと同じ程度のモンスターが300体ほど増えようが、ここまで進軍して来た勢いのまま押し通る!」
俺は前衛付近に立ち配下モンスターを鼓舞して、いま戦っている敵E級モンスター残り150体の殲滅する速度を上げる。
しかし、そのタイミングで敵モンスターの配置が変わり、いままで戦っていたE級モンスターと新手のモンスターと入れ替わる。
そこには、鉄シリーズ装備(D級)したD級モンスターが姿を現した!!
モンスターを鼓舞するために前線付近へ来ていた事が裏目に出てしまった。
敵の攻撃力が凄まじく、直ぐにこちらのモンスターが倒されてしまい、敵が俺目掛けて迫ってくる。
「っな!ヤバイ撤退するぞ。」
直ぐに撤退の指示を出した・・・。
しかし、更に敵の遊撃部隊の足が速い・・・100体ほど現れて側面、背後へ回ってきて足止めを受けてしまう。
挟み撃ちを受けてしまった。
正面からD級モンスターと戦うが、俺でさえギリギリ倒せる状態だ。
複数相手をすると攻撃に堪えるのがやっとで、完全に押されてしまう。
配下のモンスターなら、簡単に蹂躙されてしまうだろう・・・。
「くっそーなんでこんな強いんだよ〜。」
その時、素早い動きからプチタイガー2体が俺の右足と左腕を攻撃してきた。
「っう、うぐぅぅ〜〜。」
大ダメージを受けて立っているのがやっとでこれ以上足が動かなくなってしまった………。
そこへ、ベアーの爪が俺へ迫ってきた。
そして急にテレビの画面が切れたように目の前が真っ暗になった……。
『プレイヤー橘隼人は死亡しました……。』
例の声が聞こえた。
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おまけ
<風馬派閥>
・恋人 : 2人 ミレーネ、高橋奈緒
・従属配下 : 6人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒
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