第37話 海岸(2)
それから5日間かけて『ドラゴンブレス』の領地である海岸線まで進行した。
海岸線を狙っている他の同盟との衝突もあり、良いポジションまで来るのに結構時間が掛かってしまった。
これが俺の領地から磯原の海岸までと考えると……。
1ヶ月以上掛かっている可能性があるだろうし、かなりの敵対同盟を生んでいたと考えると・・・・。今回は奈緒の救出で意外と高萩の海岸まで近いところに来ていたので、そこまで大変でなかった。
途中に中継地点として、一箇所要塞を建設して防衛体制を整えて進行していった。
要塞について簡単に説明しておく。
この要塞は便利だがプレイヤーのレベルと同等数しか設置できない、そのため侵略を進める上で、どこに要塞(中継地点)を設置するかが重要であり考えどころだ。
また要塞の建設には8時間を必要とする。(DPはそんなに必要ではない)
解体には4時間かかる。
これの時間設定は、良く考えられている。
領地の保護時間より長いため、保護時間が経過してからも最低2時間は守りぬかないと要塞を設置できない。つまり敵が進行を防ぎたい場合は、なんとしても要塞の建設を阻止するために動いてくるのだ。
なぜ、敵が要塞の建設を妨害してくるかというと。
要塞が設置できれば、転送陣を設置できてしまうからだ。
敵としては、そこから無限に敵が湧き出てくるのは何としても避けたい。
また、侵略する側も戦力を補充可能なので、こういった一点突破で攻める場合には、要塞を建設して防衛をしながら進行するのが必須なのである。
そうしないと、退路を断たれて戦力を補充できずに四方から攻撃を受けて、敗北してしまうリスクが格段に高まる。
そして、これから本格的に『ドラゴンブレス』とやり合うわけだが、現在の【戦力】と【内政】はこんな感じだ。
【配下管理】
従属配下 4
D級モンスター 3,387体
E級モンスター 1,759体
F級モンスター 836体
【装備】
鉄シリーズ装備 1,227セット
銅シリーズ装備 2,172セット
木シリーズ装備 273セット
【領地】
lv5 6
lv4 219
lv3 326
lv2 132
lv1 316
【DP管理】
DP量 3,855/10,704
DP獲得量 446DP/時間
※もっとD級モンスターを増やしたいが、コストが高く中々しんどい状況だ。
D級モンスターのコストを1体200DPと仮定して、全てのDPをD級モンスター召喚につぎ込むと、1日50体ほど召喚できる。
ただし、全てをつぎ込むと生活面での負担が重くなるので、半分ちょっとのDPを消費して、1日30体ほど召喚すると仮定する。
10月1日(4.5ヶ月前)1,545体 + 約4,100体(4.5ヶ月間の召喚)− 約1,200体(lv5土地6箇所占領の損出:200体✕6箇所)− 約1,100体(その他戦争等)。
名前 葛城 風馬 (支援スキルLv1)
レベル 5
クラス ナイト
ステータスポイント 0
能力値
力 C (35)
魔力 F (0)
配下 D (20)
創造 E (5)
名前 ミレーネ
レベル 3
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (12)
魔力 F (0)
名前 ナビル
レベル 5
クラス モンク
ステータスポイント 0
能力値
力 D (34)
魔力 F (0)
名前 ジェイド
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (12)
魔力 F (0)
名前 サミュエル
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 E (12)
魔力 F (0)
このうち防衛としてねーちゃんと涼真さんへまわすモンスターは、D級1,500体、E級1,000体。それ以外を今回の攻略にあてる予定だ。
侵略のモンスターが足りなければ、最悪防衛からまわすだけだ。
海岸の領地へ侵略をかける当日、俺はわざわざ高萩市内のチャットで『ドラゴンブレス』に対して3時間後のお昼から侵略する旨の宣戦布告を大々的に行った。
〜高萩チャット〜
To:風馬
我々『深緑の妖精』同盟は、これから3時間後のお昼12時より、高萩の北側海岸を占領している『ドラゴンブレス』同盟に攻撃を仕掛けることをここに宣言する。
これまで『ドラゴンブレス』が行ってきた女性に対する性的行為など、非道な犯行は決して許されるものでは無いと我々は思っている。
実際、我々にもその牙が向けられる事となり、なんとか未然に防ぐことができたが、これ以上野放しにすることはできない。
また、〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
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・
・
・
そのため、我々は本日12時に高萩の北側海岸を占領している『ドラゴンブレス』同盟に攻撃を仕掛けることとする。
以上
予定通り12時になったと同時に、5部隊で一斉に海岸の『ドラゴンブレス』領地へ「占領」を開始する。
『ドラゴンブレス』は約4,000体ものモンスターで待ち構えており、戦闘が始まった。
戦闘が開始されたといっても、全力を出さずに時間を長引かせる感じで対応する。
30分程経過すると敵がどんどんと引き始めた。
ついには敵モンスターが1,000体程度にまで減っていた。
ここで、一気にペースを変える。本気モードだ。
ここまでで2つの策略を行っている。
◯1つ目は3,000体もの敵を引かせた事だ。
このカラクリは高萩市内のチャットでの大々的な宣戦布告だ。
明確にお昼の12時に攻撃を開始する指定することにより、『ドラゴンブレス』に準備の時間を与えてしまったが、海岸線を狙っている同盟にも出撃する時間を与えた。
これが、チャットで大々的に宣言を行った本当の狙いだ。
俺が動くことにより他の場所が手薄になるので、海岸を占領したいと周りを陣取っている他同盟に行動を起こしやすくなる状況を作った。
そして、思惑通りに俺が動いたことにより、他同盟がここぞとばかりに『ドラゴンブレス』へ押し入った。『ドラゴンブレス』は領地の防衛のためにモンスターを引いたのだった。
そして、ドラゴンブレスは、四面楚歌(三面楚歌)で、崩壊寸前であった。
・北からは、南中郷からの侵略。
・南からは、『高萩連合』からの侵略。
・西からは、周りを取り囲む同盟からの一斉に侵略。
・東からは、海なので何処からも攻められてない。
◯2つ目は敵に俺たちを甘く見させた事だ。
これにより、敵は主力となるD級モンスターをほとんど引いて、別の場所の防衛へ回していた。
そう、まだ主力のD級モンスターを参加させずに銅装備のE級モンスターで攻撃を仕掛けたのだ。
ここでモンスターを主力部隊と入れ替える。
銅装備のE級モンスターで構成された3部隊を敗走に見せかけて戦地より退場させた。
そして、鉄装備のD級モンスターを率いて3部隊が入ってくる。
この3部隊600体のモンスターが敵モンスターを蹂躙していく。
瞬く間に敵は全滅して、海岸を「占領」することに成功した。
そして、この場所を我々『深緑の妖精』のエリアと示す意思表示のために、分拠点を築いた。そこから、領地拡大を図るため素早く北と南へ向けて進軍を開始したのだった。
これにより、高萩市の海岸線に新たな同盟『深緑の女神』が食い込んだのだった。
<他作品>
最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜
https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489
よろしければ、ご覧ください。
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