第23話 ドラゴンスレイヤー(1)



そんなこんなで数週間後。

謎の声から地球人に試練が与えられて以降、日本人の間で派閥化や摩擦が拡大している。

そりゃあ、半年後に日本人の半分死ぬと宣言されたのだから尚更だ。しかも、1ヶ月後に1/10の人々が見せしめとも言えるように殺されるのだから・・・何とも胸糞悪い。



涼真さんには頑張ってもらって、ついにレベル3になった。

順調にランキングも上がっており、いい流れだ。

涼真さんは、【創造】をDランクとして、鉄シリーズの装備を召喚できるようになり、これから装備の量産に入ることができるようになった。


名前 五十嵐 涼真

レベル 3

クラス なし

ステータスポイント 0

能力値

 力 F (0)

 魔力 F (0)

 配下 E (5)

 創造 D (15)




そして、次のステップとして、涼真さんには俺の領地の東側(磯原の市街地方面)の防衛をお願いした。


磯原市内では、日本人同士で戦いが激化しており、様々な同盟が生まれて勢力争いを繰り広げていた。

そんな中、ドラゴンスレイヤーという若い青年4人組の同盟が俺の東側領地(華川町の山中の領地)を求めて、ちょっかいを出して来た。


この同盟員は、頭数を生かして、単独のプレイヤーを集中的に狩っている過激な学生同盟だった。

チャットの掲示板で常に同盟員の募集を出しており、ご丁寧に能力値まで自慢げに公開されている。(嘘の情報かもしれないが)


同盟の協力メリットを理解していないのか、攻撃特化・創造特化(裏方)などに役割分担されておらず、自分優先のステータス振りである。中途半端な、力重視が3人、魔力重視が1人の同盟のようだった(嘘の情報かもしれないが)


   力 魔力 配下 創造

健太 D  F  E  F

亮平 D  F  E  F

隆史 E  F  E  E

直人 F  E  E  E



こちらで迎え撃つのは、涼真さんとなる。

武器は涼真さんが有利。

モンスターは同等だが、俺のDランクモンスターが領地に配置されているのでその点でも有利。

涼真さんは直接戦闘に参加しないので、指示などに不安が残るものの大丈夫だろう。



◇◆◇◆◇◆


〜ドラゴンスレイヤーside〜


ここは、ドラゴンスレイヤーの主拠点のミーティングルームだ。

30畳はある部屋の真ん中に高級感のあるテーブルとイスのセットが置かれ、その場で話が行われている。


「なあ健太、次はどうするよ。そろそろ俺たちも大きく動いた方が良くねーか?」

「そうだな亮平。この辺りのソロプレイヤーたちも狩りまくったしあそこに行ってみるか・・・。

周りも力をつけてるやつはどんどん大きな動きを始めている。遅れを取らずに、周りに差をつけるためにも、そろそろ大きく動いた方がいいと思っているんだ。」

「2人して何話してんの?大きく動くとか聞こえたけど、俺たち4人に敵う相手はそうそういないでしょ。」


ずっとマンガのキングダ◯を読んでいる男が、マンガを読みながらこの2人の会話に入ってきた。


「そう大きく動くこうって話だ隆史。今度のターゲットは、俺が前から調べていた華川町の山中のプレイヤーだ。

あそこはソロプレイヤーだったはずだが、相当領地が広くDPを稼ぎまくっているはずだから、兵隊数が多く骨が折れるだろうがその分見返りがでかい。

排除できれば、広大な領地が俺たちのものになる。」

「おぉーいいね。これまで雑魚ばっかりで退屈だったから、楽しみだよ。」

「直人もいいよな?」

「俺はなんでもいいよ。」


近くのソファーに横になって寝ている男がそう答えた。


「じゃあ決まりだ。丸1日の準備の後、明後日から侵略を開始しようと思うがいいか?」

「「「いいよ(OK)。」」」




◇◆◇◆◇◆


〜風馬side〜


涼真さんに管轄してもらっている俺の東側のlv1、2の領地が失われ始めたとの報告を受けた。【地図】を見てもわかるように、こんな大規模な侵略を受けたのは久々だった。


とわいっても、東側の防衛は、涼真さんに任せてあるのでとりあえず俺から何かするつもりはなく放おっておいている。

涼真さんは最初相手の出方を見ていると思われる。


1時間後。


「ふーん。4人が、それぞれ4箇所に別れて低レベルの領地を来てるって訳ね。じゃあ、これはどうかな。」


ゴブリンを20体ずつ4箇所に用意して、敵が侵略されている場所へそれぞれ送った。


「やっぱり、すぐにやられるよね。じゃあ、次。」


涼真さんは次にゴブリンを40体ずつ4箇所に用意して、先程と同様に侵略されている場所へ送った。

そんな事を数時間続けている。



◇◆◇◆◇◆


〜ドラゴンスレイヤーの同盟チャット画面〜


To:亮平『みんな、こっちにはまた雑魚ばっかが来てるよ。ゴブリンばっかりだ。そっちはどうだ?』

To:隆史『こっちもゴブリンばっかり』

To:直人『同じく』

To:健太『おかしいな。流石にゴブリンだけしかいないってことは無いだろう』

To:亮平『そうだよな。他の場所で手一杯なのか?だったら、俺たちにとっては好条件だが』

To:健太『それならありがたいが。もう少し様子を見てみようか。みんな何かあったらすぐに連絡をくれ。よろしく』

To:直人『り』

To:隆史『了解』

To:亮平『OK』




〜隆史side(ドラゴンスレイヤー)〜


「まったくここはゴブリンの巣かよ。どこもかしこもゴブリンばっかりだな。」


俺は華川町の山中をかれこれ数時間ほど進軍しているが、ゴブリンばかりが現れる。


「まあ、巨大な領地を持っていようが俺たちドラゴンスレイヤーの4人にかかれば相手もビビるか。」


周りの仲間の進軍状況を地図で確認しながら、時折休憩を挟みつつ歩調を合わせ進軍した。


「またかよ。ゴブリンばっかり山中からうじゃうじゃと降りてきてこっちの様子を伺ってやがるしキモいな。」


敵のゴブリンはこっちを襲ってはこない。

正確には襲えないとの表現が正しい。


俺は保護期間中の領地に居るので敵のゴブリンは俺を襲えずただ見ているだけだ。

そして、俺がlv1、2の領地へ攻め入ろうと動くとゴブリンもそれに合わせて動き出し同じ領地へ移動してくる。


先に敵の領地へ入っても、既に数匹のゴブリンが「待機」されて居るので、解放領域に飛ばされてしまう。

そこへ俺の後を追ってきたゴブリンたちが30体ほどが進軍してくる。


本当にこの数時間この繰り返しだ・・・。

仲間に状況を確認したが、変わり映えせず同じ内容だった。



「本当つまんねーな。そろそろ骨のある奴がこねーかなぁ。」


俺はまた作業と化したゴブリン退治を続ける。


「今回も同じか、じゃーなゴブリンくん。」


敵のlv1領地へ入りゴブリンが数十体いたので、俺は先頭にたって敵を葬った。

最後の1体を葬ったが解放領域が消えない…。


「あれ?何かおかしいな。相手の「待機」モンスターを倒したから・・・、あとは、土地lv1にいる雑魚モンスターが2体出現してきて、終わりのはずだよな?」


その時だった、後方の配下がやられた。

後ろを向くと獣人が1人でモンスターと戦っていた・・・。






<他作品>

最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489


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