第13話 分拠点


ミレーネが仲間になってから、労働時間を設定してみた。

基本的に9時〜18時(昼休憩1時間含む)で残りは自由という取り決めだ。

もちろん緊急事態の場合はこの限りではなく、臨機応変に協力しあいながら対応する。


そのため、朝起きて一緒に朝食を取って、9時~18時までの労働というなの戦闘を終え夕方に家に帰ると、ミレーネと2人で雑談しながら夕食を食べたりしている・・・・う~ん、リア充だね。


本当に同棲しているカップルみたいだな・・・いっていて恥ずかしくなる。

ミレーネみたいな絶世の美女と同居なんで幸せすぎる。



自給自足の体制もある程度整ってきている。

米は田植えから刈り取りまで、約2週間で取れるため量産体制に入った。

稲の刈り取りはモンスターたちに指示して、脱穀は機械を召喚した。

ボタン一つである程度の物は揃う、DP様様である。


調味料類もDPで召喚できたので、自炊の幅もだいぶ広がっている。

そして、俺はある考えをミレーネに提案してみるのだった。


「この機会に配下による食堂を作ってみるのも良いかもな。ミレーネどう思う?」

「それは良いわね。私も食事のためにDP使うのがかなり勿体ないと思ってたのよね。ある程度の料理は出来るから、ゴブリンあたりを召喚してくれれば教えるわよ。」

「本当か!それは助かるな。

俺もちょっとは料理には自信があるぞ。今度一緒に作らないか。」

「良いわね。・・・・フーマの手料理も食べてみたいし♡」


ミレーネはちょっと顔を赤らめた。

なんか気のせいか、言葉尻がハートだったような・・・・リア充だ。


「俺も・・・・ミレーネの手料理を食べてみたいな。

てか、モンスターたちにミレーネの手料理は勿体ない。」


俺も照れながら冗談を言った。


「じゃあ決定ね!(やった、フーマの手料理が食べられる♡)」

「そうだな。善は急げだ、大規模な食堂、キッチン、調理器具、食器、製造庫、これとこれも・・・・・。」


ミレーネと意見を出しながら、必要そうな機材を揃えた。

ボタン一つで何でも召喚できて、移動も楽々できるのであるが、何やかんやで半日近く掛かってしまった。

まるで、カップルが同棲するにあたり新たに家具を揃えているみたいだ・・・。




俺たちは新たに設置した大食堂のキッチンにいる。


「とりあえず、こんなところで大丈夫かな。」

「そうね、あとは料理人候補のゴブリンと食材を用意してちょうだい。」


そして、ミレーネは楽しそうにゴブリンたちに料理を教え始めたのだった。

その光景を見てなぜか、ゴブリンたちに焼き餅を焼いてしまった。




結果、食堂は大成功だった。

配下たちも食堂で出される料理を気に入っているみたいだ。

大きめの鍋に野菜スープを作り、肉野菜炒め、ご飯を付けて定食の完成だ。


まだまだ、食堂は始動したばかりなので、慣れていないのと作り手の数が少ないので、行列になっていたが、それも最初だけだろう。

今度、簡単に作れるカレーなどを教えてみようと思う。

俺自身もカレーを久しぶりに食べたいし、調味料をだせるならカレールーも出せるのではと考えていた・・・が、カレールーはDPで出せなかった。

致し方なかったが、カレーを作れるだけの調味料は用意できたので、後日、香辛料をブランドしてカレーを作るのには成功したのだった。



その後大きな敵プレイヤーの動きはなく1週間が経過した。

自給自足も良好。

専属の料理人ゴブリンが30体まで増えて、ローテーションを組んで食堂を切り盛りし始めたので、食堂もだいぶ回ってきた。



その為、配下モンスターの数も日に日に増えている。

近場の取れる土地lv3は取り尽くした。


「こんなに敵を倒しているのにレベルが上がらない。結構シビアだな…。」




そこから更に1週間が経った頃。

南側の異世界人たちへの対応を見据えて、南側に分拠点①を設置することにした。

今後、何が起こるか分からないので、余裕がある時に備えておく事は重要である。


本当は東側にも拠点を設置したいのだが、今ステータス画面で選択できそうなのは、分拠点①だけだった。

分拠点②も表示されているが、暗くなっていて選択できない状態だった。

何か条件を満たせば解放されるのだろうが、後々の楽しみだな。


もちろん、分拠点について、ミレーネにも相談は済ませている。




分拠点には移転陣を設置出来る。

転送陣は拠点や要塞にしか設置できない。


この転送陣は主拠点と分拠点に転送陣を設置すると、2つの間を一瞬で移動でき大幅な時間短縮が出来るなど超絶便利なものである。

マンガの未来のネコ型ロボット(ドラ◯もん)の四次元ポケットからでる道具みたいだ。『どこでもドア』モドキかな。

今までは、主拠点内だけに設置して状況でも、便利といえば便利だったが、拠点間を一瞬で移動できるまでになると相当なメリットである。


そして、分拠点にも地下室を設置する事ができる仕様だった。

こちらにも500人程度が暮らせる住居、食堂、田畑を設置した。

もちろん転送陣もばっちり設置したので、主拠点と行き来が出来る。

主拠点で不測の事態が起きた場合のため、逃げられるのでリスク分散をはかれた。


ミレーネは転送陣を始めて使用したときは、何度も使用してたっけ・・・。

伝説の古代魔法である【転移】が使えることで、テンションが可笑しくなっていたのだろう。何とも可愛らしかった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る