第12話 部屋着
ミレーネが仲間になってから住居問題が出てきた。
俺とは別の住居をミレーネの為に用意したのだが、寂しいとの理由で新たに用意した住居に住んではくれず、ずっと俺と同じ家に暮らしている。
「確かに配下モンスターはいるが話し相手にはならないからなぁ~。」
正直俺さえも今まで忙し過ぎたので気にならなかったが、改めて考えてみるとかなり寂しいと感じる。
俺もいい歳なので、それ相応の女性とのお付き合い経験はあるが、同居はした事がなかった。
しかも、あんな絶世の美人となんてなおさら一緒に暮らせば緊張してしまう。
万が一、魔が差してしまって何かの間違いで・・・・いやいや、そんなことになってしまったら、ミレーネの信頼を裏切ってしまう。しれだけは何としても、駄目だ。
だが、どこまで我慢できるか・・・・、ミレーネはお風呂が珍しいのか相当お気に入りになっている。
今まで村の生活では沐浴で済ませていたらしい、更に日本のようなシャンプーなんて物は、異世界にないとのことだ。
シャンプーで髪を洗って、リンスで仕上げて、ツルツル、キラキラの髪になり、良い香りまでする・・・・お風呂の虜である。
そして、厄介なのはミレーネのお風呂上がりだ。
俺がいるにも関わらず薄着で部屋の中を歩き回るのだ・・・・・。
何とか理性を抑えているが、下半身が反応してしまいたまったもんじゃない・・・・(我慢だ我慢)。いった側から、ミレーネが風呂から上がってこっちへやって来た。
「っあ、フーマこの部屋着どう?似合ってるかな〜。」
「う、うん。とても似合っていて綺麗だよ。って、いっても服がちょっと薄すぎないか?」
「っそ、そうかなぁ〜?普通こんなもんじゃ無い?(ちょっと薄すぎないか?少し恥ずかいけど・・・フーマがこの胸の事も気にして無いみたいだし、チラチラ見てくるからこうしてるんだけどな・・・。)」
「異世界の常識は知らないが、恋人同士ならまだしも・・・。」
そう言うと、ミレーネが顔を赤くしてもじもじしている。
「(恋人同士って・・・)私とフーマは、従属契約している訳だし、私の世界では別に変じゃ無いと思うけど・・・・ただ、その場合、性奴隷的な扱いをされているけどね・・。」
ミレーネの最後の方の言葉が声が小さくて聞き取れなかったが、異世界では常識なら仕方がないか・・・、徐々にどうするか相談だな。
「そ、それなら良いけど。まあ、風邪を引かない程度にしてくれ。(異世界では普通なら、俺にとっては、目の保養が出来てありがたい事だがね。)」
「・・・わ、わかったわよ。」
そんなこんなで嬉しい悲鳴を毎日あげている。
ミレーネがこんな俺と一緒にいたいと言ってくれるのはうれしい事だが、このままでは身が持たん。
いつ理性が飛んでしまうか……心配だ。
そんな日々を送りつつ、エルフたちとの対戦から数日が経ち、配下モンスターの補充もだいぶ出来てきた。
また、力EとDによる能力上昇が大きく、俺は土地lv3を占領できるくらいに強くなっていた。
忘れているかも知れないが、【支援スキル】も毎回使用しているが・・・・あまり能力上昇を感じない。
今後、スキルレベルが上がってくれば、違いが分かるようになることに期待だ。
そんな中、ミレーネはレベルが2へ上がり土地lv1の占領に積極的に当たらせ、俺は土地lv2、3の占領に当たっている。
やはり、レベルが高い土地を獲得するとDP(ダンジョンポイント)の獲得量が着々と増えてきている。
この前までエルフたちと戦争を繰り広げていたので、今は防衛体制を整えつつ、レベル上げと高レベル帯の領地拡大を進めていっている。
・北側は川まで領地を可能な範囲で確保した。
・東側は土地lv3を取れる事になりどんどん市街地の方へ向けて前進している。
・西側はエルフとの戦いで奪われた領地も全て回収し終わり更に前進中だ。
・南側は地球人対異世界人の対立が起こっているので、関与せず傍観中だ。
西側と北側を基本的にミレーネに任せて領地拡大してもらっている。
十分な配下を伴わせてあるので大丈夫だろう。
そして、ミレーネに何があれば些細な事でもすぐに連絡が来る。
元プレイヤーが配下にいるとこのようなやり取りが行え、緊急性の高いことでもメールやチャットで連絡を取れるのだ。
本当は、電話がある方がありがたいが・・・・そんな機能はなかった。
東側を俺が注力して領地拡大している。
磯原の市街地の状況も知りたいのもあり、こちらを優先している。
もちろんチャットなどにより磯原の情報は入手出来ているが、その情報の信憑性は分からない・・・・そのため、自分の目で見て確認することは重要だと思っている。
数日後、俺が注力していた東側は結構進軍していた。
途中に他プレイヤーの領地があったが、態々占領することはないのでスルーし、土地lv2、3を中心に占領しながら進軍している。
更に重要なことの一つとして、進入困難な川に掛かった橋の獲得だ。
橋は川を渡るために必要な重要なポイントなので、確実に押さえておきたい。
もちろん他プレイヤーも同じ考えであり、橋に隣接していたが、橋の土地はlv4で現時点で誰も占領できていなかった。
橋の隣接地に土地lv3があったので、それすら誰も占領出来ていないので、俺がありがたく頂いておいた。
かなり磯原の市街地へ近づいており、周りには民家もちらほら見受けられ、こんな世界になる前までは私有地だった場所も多々ある。
私有地だろうが、こんな世界になっているので関係ないと俺は思っているが、当人にとってはそんな事はないのだろう。
自分たちでは土地レベルが高く占領出来ない土地に対して、俺が占領したら「返せ返せ」とうるさく言ってくる。
侵入してきて占領してくるプレイヤーもいるが、今まで獲得できなかった土地を気合だけで何とかなるはずはない。
「こんなご時世なんで、自分の土地もないでしょ。欲しいなら占領して良いから勝手にやってくれ。」
俺は相手にするのも面倒なので、そう言い放ちこれ以上面倒になり、東側へ進むのを一時やめる決断をとった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます