第2話 現実

仕様の一部改定です。

DP(ダンジョンポイント)の最大量は、10時間→24時間へ変更とします。

具体的なストーリー展開に影響は及ぼしません。


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光の玉が光を放ち消えたあと。

俺は誰かに体を揺さぶられて、ふと夢の中から目覚めたのであった。


「風馬起きろいつまで寝てるんだ。仕事の邪魔だから、午後半休なら家に帰って寝ろ。」


そういって俺の肩を揺すって起こしているのは、親友の和也だった。


「ああ、すまんな。何か夢見てたみたいだわ。」

「何度声かけて揺すっても全然起きなかったぞ。」

「・・・・マジすまん。」


すでに13時05分となって昼休みは終わっていた。

昼飯を食べ逃した俺は、朝に会社で頼んでおいた弁当を持ち、1人で休憩スペースへ行き弁当を食べ始めた。


「それにしても、夢にしてはまだ鮮明に覚えているんだよなぁ。普通の夢だったら、鮮明に覚えてないんだけどな・・・・あれは夢だったんだよな。」


不意に心の中でステータス画面と念じてみると・・・・「っえ!」。

目の前に夢の中で体験したステータス画面が現れた。


「マジかよこれ・・・。触ったら画面は変わるんだな。主拠点も夢の中で設定した場所のままだ・・・・・・。」



俺は気になって、同僚達にあの謎の声の事を確認すると、みんな聞こえていたそうだ。

一時的にネットでも騒ぎになったが、勤勉な日本人は仕事優先で普通の生活に戻ったらしい。


「なあ、和也。俺の目の前に何か見えないか?例えば、変な四角いパネルみたいなものとか。」


俺はステータス画面を目の前に出しながら和也に話しかけた。



「・・・・・風馬、何言ってんだ。まだ寝ぼけてるのだったら、家に帰ってさっさと寝ろ。」


「そっか、・・・・・・真面目な話、あの謎の声は本物だ・・・・・。俺はさっき寝たらそのチュートリアルを受けた。そしたら変な画面が見えるようになって……って、そんなの信じらんないよな?」


「ああ、信じられる訳ないだろう。熱でもあるのか? まさか、変な薬物でも飲んで、幻覚でも見えてないだろうな・・・・って、そんな訳ないか、本当に大丈夫か?」


「まあ、大丈夫だ。和也これはお願いだが、今日は早いところ家に帰って早めに寝ろ。そしたらわかる。」


「…わかった。その忠告だけは聞いておくよ。」


和也は、俺が寝ぼけていると思ったのか、適当に相槌を打ってそのまま仕事に戻った。


ネットを調べてみると、チラホラとチュートリアルが本当に起こったなどの書き込みがあった。ただし、ほとんどの人は、現実的にあり得ないとの反応だった。


俺は目の前にこの画面が見えてなければ、現実だなんて思わなかったが、さっきの夢は現実に起きていることだろうと判断した。

そうなっては、急いで主拠点である(茨城県北茨城市)華川町の山の中へ向かうべきと考え、急いで車に乗ってその場所へ向かった。




主拠点の近くまでは車で行けたが、山の中までは道が無く、路肩へ車を停車させ、ステータス画面の地図を見ながら俺の領地のエリアまで山の中を歩いて進んで行く。

道なき道を歩いて行くと、急にさっきまでいなかったゴブリンが目の前に2体現れた。


「うわぁー!……いきなり目の前にゴブリンが出現するとか無いよな。」


何となくそこが俺の領地だと分かった。

地図を見ると俺の領地の中を指している。

多分、俺が自分の領地に入ったから、配下のゴブリンが見えるようになったのだろう。


「本当に陣取りゲームって訳か。まあ、ステータス画面やら、目の前にゴブリンが居るわけだから・・・・、現実なんだろうな。さてと、一度家に戻って必要な物資とか持って来るか。買い出しも必要だしな。」


さっき来た道を戻ろうと少し進んだら何かにぶつかった。


「あれ? 何も無いはずなのにこれ以上進めない…。」


見えない壁みたいなのに阻まれて進めなかった。

確かチュートリアルで、領地が隣接していないと進めないと言っていた・・・・。


「ってことは、このままここから出られないのかよぉ〜〜〜。いや違うな、領地を拡大させていけば家に帰れるだろうが・・・・・。途方も無い時間と労力がかかるな・・・・・。

携帯電話も圏外か…連絡も取れないし、外の情報も得られないのか厄介だな。マジで、こっから出られないんだったら、食料とか必要なものとか準備して来たわ。最悪だし。」


ここの場所なら携帯電話も繋がるはずなのだが、圏外だった。

また、急いで来すぎたのも裏目にでてしまった。


「もう、こうなっちまったんだし、こんな状況だったら、やることは一つだよな。

この馬鹿げたゲーム世界で悠々自適なスローライフができるように生き残る。これは明確な目標だな!」



俺はすぐに気持ちを切り替えた。

なぜか知らないが、そうすべきと強く思ってしまった。思わさせている感覚かもしれない。


【この世界で悠々自適なスローライフを目指す】との目的が決まったので、短期的な実施事項を整理することにした。


<短期的な実施事項>

・ステータス画面でやれる事の確認

・戦力UP

・主拠点の防守

・領地拡大


改めて、【ステータス管理】画面で、俺のステータスを確認した。


名前 葛城 風馬 (支援スキルLv1)

レベル 1

クラス なし

ステータスポイント 30

能力値

 力 F(0)

 魔力 F(0)

 配下 F(0)

 創造 F(0)



ステータスポイントを使って能力値を上げられるので、確実に上げる項目で試してみた。


名前 葛城 風馬 (支援スキルLv1)

レベル 1

クラス なし

ステータスポイント 25

能力値

 力 E(5)

 魔力 F(0)

 配下 F(0)

 創造 F(0)


力にポイントを5振ったら、F→Eへ変換した。

一旦、割り振ったポイントを戻そうとするが・・・・・、戻すことができなかった。


「マジかよ!!ポイントは再振りできない仕様かよ。最初にその説明してほしかったぜ・・・。ただ、「力」はどのみち自分を強化するためには、必要な項目そうだから、取り返しのつかないミスって訳でもなし、今後のステポ振りは慎重に行わないとな。」


ステータスポイント振りは、今後の俺の命に関わってくる項目であるので、方針を決めたあとに落ち着いて慎重に実施したいと考えており、他にもいろいろ検証したいので、とりあえずステータスポイントの検証は後回しにした。


「次は、拠点でもいじってみよう。」


【土地・拠点管理】→【拠点】を選択した。


【拠点】

 主拠点(36.8○○○○○○,140.6○○○○○○)

 分拠点① ー

 分拠点② ー

 分拠点③ ー

 分拠点④ ー

 ・

 ・

 ・


主拠点の脇に座標が表示されている。

そして、その主拠点を選択すると更なる選択肢が出た。


【拠点】

 主拠点(36.8○○○○○○,140.6○○○○○○)

  B1 設置可能

  B2 1,000

  B3 10,000

 分拠点① ー

 分拠点② ー

 分拠点③ ー

 分拠点④ ー

 ・

 ・

 ・


俺はB1 を選択すると、主拠点の中央に地下へ下りる階段が現れた。

B2とB3は選択したが、DPが足りないと表示された。

俺は、恐る恐る、かつ慎重になって、その地下への階段を下りると、目の前には明るい昼間の草原が現れた。


「おぉー地下室なのに明るくて、結構広いな。ここが俺の拠点になるわけだな。秘密基地みたいで少年心をくすぐるな。

まず衣食住が重要というし、住居設置と食料を出してみるか。」



俺は【DP管理】→【創造】と選択した。


【DP管理】

DP量 25/240

DP獲得量 10DP/時間

従属契約

配下召喚

創造

 施設等

  建物

   家小(1DK) 5

   家中(3DK) 10

   家大(5LDK) 30

   マンション(30部屋 ※3階建) 150

   小屋(5m✕5m) 5

  家具類

  日用品

  娯楽品

  その他

   転送陣 100 ※主拠点・分拠点・要塞に設置可能

   川(100m) 30

   畑・田(1面) 30

   山(20m×20以上) 1㎡あたり 1

   鉱山 1㎡あたり 10

   湖(10m×10m以上) 1㎡あたり 1

   地下室拡張 1㎡あたり 1

 食料・創作料理

  食事粗 1

  食事普 2

  食事良 3

 武器防具等

  木・皮シリーズ


俺の目に飛び込んできた画面を見ると、いろいろと項目があり、検証するのに胸が高鳴るのだった。


「結構、いろいろな物があ作れるんだな。どんな仕組みかわからんが、この地下室みたいにボタン一つで、いろいろとポンと出てくるんだろうな。検証のしがいがあって楽しみだ。よーし頑張るぞ。といっても、腹も減っているし、まずこれだよな。」


当初の目標をコロっと忘れていろいろな検証に時間を費やそうとしていた俺だったが、方向修正して家中を目の前設置した。

またたく間に、それこそ一瞬にして目の前に3DKの家が現れたのだった。


「やっぱり、魔法?ってすごいな。こんなの一人でやってたら、自宅作りで数ヶ月かかっちまうよ。あとは、食事も3つ頼んでっと。

おーい。とりあえず、飯にするぞ。ゴブリンこっち来い。」


家の中に入って、ステータス画面を操作して、食事普を3つポチったのだった。

そして、呼び寄せたゴブリンと一緒に飯をたべるのであった。



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