5.居酒屋へ

 お互いの家の中間にある大衆居酒屋。

 お通しはまずいが、ほかの料理と酒は安くてうまい。

 そこで男2人、飲んでいる。


「ったくわけわからん。ほんとにさぁ」

「だな」


 たくさん同じ話を聞かせてしまったが、気晴らしにはなった。


「お前がモテるのがうらやましい」

「好みの相手にはモテないって共通だよな」

 

 3時間強飲んでいた。

 そうして憂さを晴らしたら、桜木のことを思いだした。

 そんなに好きだったのかと自分で驚く。

「でも俺のことは思ってくれていない」

 

 カノジョが言った言葉が耳を離れない。

 15点。2番目に低い点数。

 

 ぐるぐる回る彼女の評価。

「もっと高いやつらがいるんだよな」

 

 そう。振り切らないと。


 

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