3.初対面

 会うことになったのは

 全国展開のチェーン店のカフェ。

 晴天だから外で席を取って会うことにした。

 

 向こうから歩いてきたのはきれい系の彼女だ。

 5センチ以上のピンヒールでミニスカ。

 上半身はニットをまとっている。

 

 名前通り華のある人だ。

 俺は立ち上がり挨拶する。


「朝峰です。宜しくおねがいしますっ!!」

「佐々木麗華よ。ヨロシク……

 暑苦しいって言われない?」

「まぁ、多少は」

 

「香から会ってあげてって

 言われたから来たけど」


 注文を取りに財布を持って行ってしまった。

 

 帰ってきた美人の手には

 紅茶が入ったカップがあった。

 アツアツであろう紅茶をすする彼女。


「15点ね」

「じゅっ、15点って」

「香とあうかどうかの点数よ」

 

 明らかにテンションは下がった。

 フフフと美人は笑う。

「落ち込んじゃったかしら?

 もっと低い人もいたわよ。

 7点くらいが私のあった人の最低点だもの」


 わかりやすい表現ではあるが、

 苦手な表現だ。

 恋愛と点数表示は合わない。


「桜木とはどういうお友達なんですか?」

「他大学のサークル仲間ね。人形劇の」

 俺には縁がない趣味だ。

「ねぇ香の好きな人って細身で、

 文系な人が好きみたいよ」

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