機械
「うわあああ!!」
ゼノが雄叫びを上げながら叫ぶ。
「クソッ!」
ヴェティは歯を食いしばり、再びナイフを瓦礫に突き刺そうとするが、刺さらずに、弾かれてしまう。
そのまま滑り落ちて肉片ゾーンに……その時、一気に勾配がガタンと無くなる。
「何が……!?」
ピーラータがそう言いながらエレベーターシャフトを見るとそこには見知った人物の姿があった。
「あ、アルマ……!」ピーラータがそう叫んだ瞬間に彼の肩に鋭い鉄芯が突き刺さり、壁に貼り付けられてしまう。
「……ごふッ!?」
壁に貼り付けられたピーラータの前にアルマが立つ。
「スライムで床を持ち上げて滑り台作りとは、随分と楽しそうだな?ピーラータ」
アルマは無表情のままそう問いかける。
「ここまでとは予想外だったなァ……」
そう言いながら血塗れの顔で笑い、無理やり鉄芯を引き抜くと無造作に放り投げる。
「ストゥルティッッ!!!!コイツを仕留めるぞォォ!!!」
ピーラータがそう叫ぶと同時にアルマをスライムが包み込もうとするが、アルマはそれをひらりと躱すと廊下に踵落としを喰らわせるとその衝撃でスライムが雲散する。
すかさずアルマの手に背中の鞄から飛び出たブレードが収まり、それを構える。
「諦めろ、ピーラータお前では俺には勝てない」
ピーラータはアルマに向かって駆け出す。
「そぉーかもなぁァ!!??」
ピーラータが叫ぶと床のスライム兵が一斉に這い出し、アルマの四肢を拘束する。
「くらえやァッ!!」
一瞬拘束されたアルマに数十発もの銃弾を撃ち込むが全て火花を散って弾かれる。
「機械の身体かッ!?!」
ピーラータは驚きながらもカットラスでアルマの刀を受け止める。
(お、重いッ!!)
ピーラータが驚き、アルマの顔を見ると彼は今までのような無表情ではなく一瞬ニヤリと笑った様に見えた。
「この身体にもだいぶ慣れてきた」
アルマはそう言うと刀の出力を一気に上げると同時に爆発的な火花が散り始める。
(マズいッ!!)
ピーラータは何とかすんでの所でカットラスから手を離して身体を逸らすが、鮮血が飛び散る。
「くっ!」
ピーラータはよろけながら撤退を始める。
「逃がさない『武器操作』」
アルマの目が一瞬変わったかと思うと共に大きく壁がサイコロ状に崩れると道を完全に塞ぐ。
「クソッ!!サイボーグ野郎ォ!!!」
ピーラータのそんな叫び声は崩れる壁の音に掻き消される。
それと同時にアルマはピーラータを地面に叩き付ける。
「かはっ……ッ!?」
瓦礫に埋もれながら吐血するピーラータにアルマが冷たい視線で見下ろす。
「敵に回したのが間違いだったな」
ピーラータは血塗れの顔で笑うとアルマを睨み付ける。
「セキュリティ装置まで武器判定かよ……クソ野郎ども……が……」
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