第24話 部屋の完成とその後の学生生活

※急にはなりますが、本話で最終話とさせていただきます。

-side リック-




 家具を出し終わった俺達は、ざっと部屋を見渡すことにした。

 3LDK、3つの寝室と、広いリビング。ダイニングも広く、キッチンだけでも、布団がひいて寝れるのではないかというくらい広い。

 とにかく、広いので、家具は、ある程度自由に置ける。だけど、正直な話、広い家ほど家具は悩むんだよね。

 家具の選択肢が幅広くなり、色々悩む結果、中々決まらないからだ。

 なので、家具選びは、まず、基本的な部屋のスタイルを検討することから始める。

 モダン、クラシック、ヴィンテージなど様々あるが、

 この世界に多いのは、クラシックスタイルだ。重厚感があり、繊細な装飾がたくさん施されている家具が多い。デメリットを挙げるとすれば、実用性に乏しい場合が多い。

 なので、生活のしやすさ的には、モダンかヴィンテージを選びたい。ヴィンテージより、モダンの部屋に慣れているから、そうしようか。



 スタイルが決まった後は、全体的な色を決める。俺の場合は、全体的に、落ち着いた色で統一したいから、寒色系かな。部屋によって変えるのも良いかもしれない。

 とりあえず、まずは、リビングのソファーや、テーブルを作ってしまおう。



「[クラフトスキル]うん!出来はいい感じ!」



 中々、全体的に統一感ある雰囲気になったのではないか?

 3つある部屋もそれぞれ同じように、整える。どんな家具を選ぶかを調べる時間が1番楽しくもある。

 さて、モデルルームという名の俺の部屋が完成した。隣の部屋のウィリアムに声をかけに行く。ピンポンと押すと、さっきまでいなかった、お世話係の人が中に入れてくれた。

 おそらく、ライと同様に、学校について、職員ぁら、色々説明を受けていたのだろう。

 メイドの人もいるし、もう大丈夫かな?とホッとしていると、中から、ウィルが出てきた。普通に元気そうである。



「さっきは、悪かったね。今は、だいぶマシになったよ。」

「そうか、良かった。ところで、うちの部屋が完成したよ?」

「え!?今日寮に着いてから、もうかい?ま、まあ、リックだからな。」

「あはは……!流石に俺もこんな早くに完成するとは思っていなかったよ。」

「それで、後日でも良いけど、お茶会を行おうと思ってね。」

「良いね!ちょうど、新しいクラスも始まるし、交友関係も広がるし……、リックの家具の宣伝も出来るし、一石二鳥といったところだろう?」

「あはは……!流石、バレてるね。」



 ウィリアムは、優秀な王子である。

 こちらの意図など、全て見抜かれているだろう。こちらも、それは想定の範囲内。

 そもそも、相手は王子なので、最低でも、敵に回さない。あわよくば、協力関係になるか、味方になってもらうのが、ちょうど良い。



「その様子だと、事前に俺に知らせて、あわよくば、協力を願おう、という感じかい?」

「うん。そこまで、人数は多くない身内だけの会みたいなのが開きたいんだけど、俺はそこまで、顔が広くないからさ、ウィルだったら、上手い事、できないかと……。協力してくれたら、部屋の家具を無償で、俺が作るけど、どうかな?」

「なるほど……、それは魅力的だね。

 お茶会も、俺がよく知った面々だけで良いのだろう?」

「もちろん!全部、ウィルにお任せするよ。」

「分かった。そういう事なら、喜んで、引き受けよう。」

「やった!」



 そのような感じで、俺は、お茶会を無事開催でき、友達も増え、家具を宣伝出来たのだった。





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                -完結-



[エピローグ]




 さて、その後の、俺らの話をしよう。

 学生生活は、特に大きなトラブルもなく、極めて、順調な日々だった。

 授業は、ライが教えてくれた範囲しか、出てこず、楽勝だった。

 どうやら、俺が、ライに入学前、叩き込まれた知識は、学園卒業レベルだったようである。それを入学前に全て叩き込んだ、あの人はやっぱり、鬼だな。



 だから、学生生活の主役となったのは、主に社交の方である。……まあ、大体の、貴族の場合、そうなるらしい。

 仲良くなった子をお茶会に呼んでは、宣伝して、呼んでは、宣伝して。

 そんな感じの日々を送り、気づいたら、卒業していた。



 卒業後は、前に国王陛下が言っていた通り、辺境伯領を引き継ぐ事になった。

 今、俺は、婚約者で、第二王女のルカと一緒に、引き継ぎの準備をしている。

 領地経営は、覚える事も多いが、学園で出来た人脈や、俺のクラフトスキル、シルフなどの助けもあるし、きっと大丈夫だろう。

 日々、幸せを噛み締めながら、俺は、今日も仕事に励むのだった。




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                -完結-

[コメント]

 急かもしれませんが、これにて、リックの物語は一旦完結です。ここまで、読んでいただきありがとうございました。楽しんでいただけたら幸いです。

 なんの前触れもなく、完結したので、「え!?」と思われた方もいらっしゃると思われます。作者も、もう少し、展開が緩めの完結の仕方もあったとは、思ったのですが、そうなると、無駄に話数が長くなってしまい、だらだら展開を読ませてしまう可能性があったので、このような形にしました。

 完結した理由は、片付けに関して、書きたい事を書ききり、書ける事もなくなったからです。正直に言うと、ネタが尽きました。

 新作描き始めました。タイトルは、「転生キッズのほのぼのライフ〜溢れんばかりの愛情を、受けながら、幸せなスローライフ〜」です。

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[完結]クラフトスキルで片付け改革!〜公爵令息と精霊の幸せなスローライフ〜 西園寺わかば @book_hobby

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