第21話 寮初日のトラブル!

-side リック-




「ここが俺の部屋か。」



 俺と、シルフ、そしてフェルは、魔法学園の俺の部屋の扉の前に着いた。

 流石、この国の一般的な貴族が使う学生寮だ。俺が建て替えたボロ屋敷とは全く違うしっかりとした作りの建物である。

 うちのボロ屋敷は、確実に貴族の平均以下だったからなあ。--っとそれはともかく、中に入ろうか。



「おお。……ゲホッ、ゲホッ……!ほこりくさいっ!」



 部屋に入ると、大量の埃が俺を出迎えた。

 これ、ウィリアムは大丈夫だろうか?

 そう思って、ウィリアムのところへ行く。



「うう……。うう……。」



 やっぱりだ。ウィリアムは苦しそうに、下を向いてうずくまっている。



「ウィリアム……!落ち着いて。深呼吸だ。深呼吸。吸ってー、吐いてー!」



 スーハー、スーハー。

 しばらく、してくると、ウィリアムの呼吸が落ち着いてくる。



「とりあえず、シルフ。保健室の先生を呼んできてくれ。俺は、フェルは、看病。俺はその間、ウィルの部屋をどうにかする。」

『わかった。』

『了解だ。』



 さて、埃まみれのこの部屋を片付けるには本来このような手順である。



①一度全てのものを出して、部屋を空っぽにする。これにより、部屋の床や壁などの隅々まで清掃しやすくなる。

②収納場所があるものは、それぞれの場所に戻す。本は本棚に、洋服はクローゼットにという感じだ。

③片付けるべきものをカテゴリー別に仕分ける。例えば、書類、洋服、食器などである。

④各グループごとに、必要なものと不必要なものを仕分ける。必要なものは適切な収納方法を考え、収納する。不必要なものは処分するか、寄付するなどして、手放し、場所を取らないようにする。



 その上で、最も大事なのは、片付けた状態を維持するために、毎日少しずつ片付ける習慣をつけることだ。

 例えば、朝起きたらベッドを整える、食器はすぐに洗う、書類はすぐに整理するなど、簡単なことから始めて徐々に習慣化していくのが重要である。



 今回は、緊急事態なので、とりあえず、窓を開けて、まずは換気から、スタートする。

 そして、そのあとは、パワープレーでゴリ押す!いつものあれだ。血は争えない。



「[クラフトスキル]カバー」



 ベッド以外の家具を全て、カバーで覆い隠し、埃がベッドに付かないようにする。

 あと、これ。ベッドも作り直さないとな。



「[クラフトスキル]収納ベッド]

 


 最近、うちで作っている人気タイプの収納ベッドを導入する。これで、ウィリアムも少しは休めるだろう。



「んん……。」



 ちょうどその時、ウィリアムが目を覚ました。



「お、目を覚ましたか、ウィリアム。とりあえず、応急処置は、完了した。今、シルフが保健室に行って先生を呼んできてくれているから、もう少しだ。」

「わかった……。ありがとう、リック。」

「これくらい、友達なら当然だろ?」

「友達……、友達……か。うん、ありがとうリック。」



 それから、ウィリアムは、こちらを見て、嬉しそうに、安心した顔で眠ったのだった。

 さて、俺は、これからどうしようか?





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