8 テレビ局と出版社、爆破。

 「殺人事件、爆破事件、物騒な事件が、報道されてるわねえ。」

 破滅ちゃんは、テレビをみていた。




 テレビ、生まれてはじめてみた。




 「全国ニュースよ。あたしたちが爆破した、学校、病院、介護老人施設、殺した人たちが、特集されてるわね。」

 破滅ちゃんは、笑った。




 「テレビ、面白い?」

 破滅ちゃんは、きいた。




 「つまらないですね。」

 僕は、答えた。




 「でしょ。テレビは、年寄りの娯楽なのよ。だから、テレビ局を、破壊しないとねえ。」




 「テレビ局?」

 僕は首を傾げた。




 「ええ。テレビ番組を作って報道している会社よ。あと、出版社も全部、破壊して、言論弾圧していかないとね。」

 破滅ちゃんは、にこやかな笑みを浮かべた。




 じゃ、行くわよ。




 破滅ちゃんは、庭に出た。




 「ほら、乗って?」

 高級車を出す。




 車に、乗って、移動する。




 しばらくすると、都会の、高層ビルが立ち並ぶ所に、出てきた。




 「大きなビルですねえ。」

 僕は、上を見上げた。




 「○○テレビ局の本社だよ。」

 破滅ちゃんは、車から、降りた。



 

 「じゃ、早速、破壊しますか。」

 破滅ちゃんは、胸から、鉄の塊の棒を取り出した。




 「ミサイルよ。ビルごと、大爆撃して、壊しちゃいましょ。」




 ヒュウウウウ、ドッカーン!




 途轍もない爆音が、街中に鳴り響いた。




 この世の終わりみたいな風景だ。




 「この辺り一帯は、出版社やら、テレビ局が多いから、街ごと破壊すっぞ!。」

 破滅ちゃんは、目をキラキラさせて、ミサイルを胸から出しては、撃ちまくる。




 ドッカーン!




 ドッカーン!




 ドッカーン!




 「楽しいねえ。」

 破滅ちゃんは、満足そうに、微笑む。




 高層ビルは、破壊され、倒れ、ドミノ倒しになり、次々、倒壊していく。




 爆破し、燃え盛り、瓦礫となっていく。




 逃げ惑う人々を、さらに、ミサイルが襲い、爆破されていく。




 戦争だ。




 現代社会に、戦争が、はじまるだなんて―




 「はい。自動追跡型ドローン爆撃装置!。」

 破滅ちゃんは、胸から、空を飛ぶ機械を取り出した。




 「飛んでけ!。」

 破滅ちゃんは、ドローン爆撃機を空中に飛ばした




 バン!




 バン!




 バン!バン!バン!




 空襲だ。




 空から、ドローン爆撃機が、爆弾を投下する。




 「ほら、もっと飛んでいけ!。」

 破滅ちゃんは、胸から次々と、ドローン爆撃機を飛ばす。




 空が、ドローン爆撃機で、埋まって、真っ黒にみえる。




 ドン!ドン!ドン!―




 数えきれないほどの、爆弾が、投下され、辺り一帯は、焼け野原になった。




 「この辺りの、出版社とテレビ局の本社は、だいたい、破壊されたかなあ?全員、死んでくれているといいなあ。」

 破滅ちゃんは、焼け野原となった街をみて、笑った。




 「おい、地下に逃げようとしている、人間どもがいるぞ、絶望させてやらないとなあ。」




 バ、バ、バ、バ、バ、バーン!




 「どうだ、いい景色でしょ、マシンガンっていうんだ。」

 ドローン爆撃機についているマシンガンという武器で、人々が、撃たれて、次々と死んでいく。




 「無差別に人を殺してくれる、素晴らしい兵器でしょ?。」

 破滅ちゃんは、ニッコリと、顔を綻ばせる。




 シーン




 静かになった。



 

 寂しいものだ。




 「お、全員、死んだようだな。」

 破滅ちゃんは、寂しそうに言った。




 「人がいないと言うのも、寂しいものだな―、ま、人間は、いくら殺してもあまりあるくらい、いるのだが―。」

 破滅ちゃんは、呟いた。




 ちょっと、やりすぎな気がした。



 

 「ま、あたしは、世界を滅亡させるのが、夢。避けては通れない犠牲だ。」

 破滅ちゃんは、瓦礫に埋もれた、人のいない街を、眺めて、感傷に浸っていた。




 

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