7 介護老人施設、爆破。

 「老人は、社会にとって害悪だ。はやめに駆除しとかないとなあ。」

 破滅ちゃんは、気分よさげに、歩く。




 「着いた。介護老人施設だ。」

 破滅ちゃんは、立ち止まった。




 薄い茶色の壁に、窓がたくさんついた巨大な建物だ、病院や学校に似ていた。




 「介護老人施設?」




 「ええ。もう、身体とか頭がダメになった老人が収容されて、面倒をみられている所よ。」




 破滅ちゃんは、答えた。




 中に入る。




 「相変わらず、くっさい所ねえ。」

 破滅ちゃんは、中に入ると、鼻を摘んだ。




 うんこと、ゲロの混じったようなにおいのするところだった。




 年寄りが、介抱されていた。




 車椅子を押されてリ、身体を支えられて、年寄りが歩いている。




 介抱している人も、大変だろうなあ。




 破滅ちゃんは、引き戸を開いた。




 ガラ、ガラ、ガラ




 中には、老人たちが、いた。




 自分で歩くことも、トイレに行くことも出来ない、老人は、ベッドで、うんこを漏らしていた。




 くささの原因は、これか―




 別の老人は、ゲロを床に撒き散らしていた。




 老人たちを介抱する人たちは、ゲロやうんこを、掃除する。




 「大変ですねえ、介護士も。」

 破滅ちゃんは、笑った。




 「誰ですか?」

 老人たちを介抱する女は、いぶかしそうな目で、破滅ちゃんをみた。




 「殺戮者さつりくしゃです、みていなさい。」

 破滅ちゃんは、老人たちをナイフで、刺殺した。




 「まあ、なんてことを―。」

 介抱人は、絶句し、青ざめた。




 「うふふ。次は、あなたですよ? はやく逃げてください 3 2 1―。」




 「きゃああああああ。」

 破滅ちゃんは、介抱人を、右手で、お腹から真っ二つにした。




 腹から上の胴体と、足が、ちょん切れ、絶命した。



 

 腹から、大腸、小腸が飛び出て、血が噴き出している。




 「ふう。これまでお疲れさん。さぞ老人の世話も大変だっただろう。」

 破滅ちゃんは、笑った。




 部屋から出る。




 道を老人が歩いていた。




 「今日は、孫が、学校に行くんじゃ。送ってやらないかん。かわいい孫がのう。」

 男の老人は、おかしかった。




 「あなたのお孫さんは、もう成人してるじゃありませんか?」

 介抱人の女は、呆れた様子で、言った。




 「あれは?」

 僕は、きいた。




 「ああ、脳がもうやられてるんだね。夢をみてやがる。」

 破滅ちゃんは、面白いものでも見る目で、みた。




 「あたしの事を迎えに、男が来ておるわ。ほら、あそこをみて、凄い、いい男が、いるじゃない?」

 老人の女は、指を指して言う。




 何もない。




 「もう、何もないですよ。」

 介抱人の男は、困った様子だ。




 「殺しときますか。」

 破滅ちゃんは、老人たちの首を、ナイフで真っ二つにした。




 生首を、介抱人に、投げる。




 「どうだ。プレゼントだ。」

 破滅ちゃんは、ニッコリ、笑った。




 介抱人は、青ざめている。




 「君たちも、殺しといてやる。よかったなあ、楽になれるぞ?」

 破滅ちゃんは、介抱人2人の、首を握りつぶし、ちょん切った。




 「ふう。飽きてきたな。そろそろ、建物ごと、爆破するか。」

 破滅ちゃんは、外に出る。




 「よいしょっと。」

 破滅ちゃんは、胸からロケットランチャーを取り出した。




 「破壊くんも、やってみる?」

 破滅ちゃんは、ロケットランチャーを、僕に手渡した。




 「え?」




 「あなたが、破壊するのよ。できるよね?」

 破滅ちゃんは、優しく微笑む。




 破滅ちゃんの天使の笑顔




 僕を破滅に導く。




 美しい。




 「はい。できます。」

 僕は、ロケットランチャーを肩に担ぐ。




 「殺ります。」




 バッコーン!




 凄まじい音と爆風。



 

 巨大な黒い弾が、介護老人施設に直撃し、窓ガラスが、割れ、壁が破壊される。


 


 バッコーン!




 バッコーン!




 バッコーン!




 介護老人施設は、燃え盛り、粉々に砕け、瓦礫の山となった。





 「よく、やったわね。よしよし、えらい子ね。」

 破滅ちゃんは、笑顔を浮かべ、僕の頭を撫でる。




 全てが許される笑顔。



 

 魔性の笑みだ。


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