4 警察、皆殺し。
「返せ!あたしの、晃ちゃんと、真子ちゃんを返せ!。」
20代後半くらいの女が、僕の方をみて睨みつけていた。
誰だろう?
「誰、あの人。」
僕は呟いた。
「あたしとあなたで、殺した、兄妹の母親ね。」
破滅ちゃんは、笑った。
母親?
どうして、子供が殺されて、怒っているのだろう。
むしろ、喜ばれるのではないのか?
僕は、いない方がいいといわれて、すぐに捨てられた。
「お前ら?殺ったのか?」
20代後半の、男が青ざめた表情で、立ち尽くしていた。
「兄妹の、お父さんね。」
破滅ちゃんは、男の絶望のし壊れた表情を面白がっていた。
「おい、警察に早く通報しろ。」
男は、スマホを取り出し、100当番する。
ブシャアアアアア
「仲良く死んでね。」
破滅ちゃんは、男の首を、右手で刎ねた。
刀のような切れ味だ。
破滅ちゃんは、常識では考えられない、身体能力を持っていた。
「きゃああああああああ、あなた!、あなたああ。」
女は、泣き崩れ、壊れた。
「ははは。壊れちゃったねえ。面白いなあ。」
破滅ちゃんは、壊れて泣き叫ぶ、女をみて、爆笑した。
「ふふふ。どう、あたしに殺されて光栄でしょ?」
破滅ちゃんは、地面に転がった男の顔面を、踏みつけて、蹴り飛ばした。
ゴロン
「やめて、やめてよおおお。返せ!晃ちゃんを、真子ちゃんを、研一さんを返せ。」
女は、憎しみの籠った声で、唇を噛み締め、口から、血が流れていた。
いいなあ―、僕も、ああやって、破滅ちゃんに、殺されて、首をちょんぎられて、蹴とばされたい。
って、何考えてるんだ、僕―、もうダメかも知れない。
「ほら、あなたの番よ。母親の女を殺して?できるよね。」
破滅ちゃんは、微笑みかけた。
「うん。できるよ。」
僕は、女に近づく。
「え?な、なによ、あなた、あたしをどうする気?ねえ!」
女は、恐怖し、身体を震えさせていた。
まるで、小動物みたいだ。
僕に捕食されようとしている。
今までとは真逆だ。
いつも、僕は、捕食される側だった。
「ごめんね、安らかに眠って。」
僕は優しく微笑み、女の胸に腕を突き刺し、心臓を握りつぶしていた。
女は、死んだ。
素早く、綺麗に苦しまないように、殺った方が、いい。
生命に対する敬意を払い、僕は、即座に女の首を右手で、刎ねた。
「え?」
驚いた、僕にも、破滅ちゃんみたいに、腕で、人の首を落とせるらしい。
「ははは。やっぱ、面白いね君。」
破滅ちゃんは、腹を抱えて笑っていた。
「よく、殺れまちたええ。いい子よ、ぎゅうう」
破滅ちゃんは、僕を胸の中で、抱きしめた。
プニプニが、顔に当たって、いい気持ち。
女の匂いで、意識が飛びそうだ。
ピーポ、パーポ、ピーポ―
「あ、警察だ。ヤバい。」
破滅ちゃんは、ニッコリ笑った。
「警察?」
僕は、首を傾げた。
警察って?
わからない。
「ああ、人を殺したり、物を盗んだりすると、捕まえに来る人たちの事だよ。」
破滅ちゃんは、答えた。
どうして、殺したり、盗むと、警察が来るのだろうか?
世界の事がわからない。
「ま、いつか、色々わかる日が来るよ。取り敢えず、警察殺そう!。」
破滅ちゃんは、ニコニコ笑顔で、楽しそうだ。
なんだか、僕も嬉しくなって、笑った。
「うん。殺ろう!。」
僕は、頷いた。
「よし。」
破滅ちゃんは、空を飛んだ。
宙を浮いていた。
パリーン
破滅ちゃんの、右足の回転のかかった蹴りで、パトカーの窓ガラスが割れる。
「ば、化け物?、美しすぎる!。」
警察の男たちは、破滅ちゃんに見蕩れていた。
3人乗っている
「さようなら、ボーイ。」
破滅ちゃんは、運転席の警察官の男の首を刎ねた。
シュパ
破滅ちゃんは、男警察の首を、右手で握りつぶし、投げた。
男警察の首から上が、地面に転がる。
首は潰されて、グチャグチャだ。
バン、バン、バン!
助手席と、右後部座席に座っていた、警察官が、ピストルを撃つ。
「腕が震えてるわよ?本当に、あたしを殺す気があるの?」
破滅ちゃんは、ひらりと、ピストルの弾丸を躱し、助手席の警察官の男の首を握りつぶして、生首を、後部座席の男に投げた。
後部座席に座っていた警察官は、助手席で、殺された警察官の生首を両手で受け取ると、青ざめた。
恐怖で、わなわなと震えている。
「美しい。」
後部座席の警察官の男は、破滅ちゃんに魅了されていた。
グサリ
破滅ちゃんは、後部座席の警察官のこめかみに、指を突っ込み、頭を骨ごと砕いた。
グリョリョオン
頭から、脳みそが飛び出す。
後部座席の男は死んでいた。
ピーポ―、パーポ―、―
パトカーに囲まれた。
「破壊くん、ほい。」
破滅ちゃんは、丸いボールを4つ、僕に向かって投げた。
キャッチする。
「ボール?」
「ええ。爆発して、辺り一面を木っ端微塵にするボールよ、パトカーに向かって投げつけて。」
破滅ちゃんは、二ヤリと、笑った。
「はい。」
大量に、人が死ぬんじゃ―
大量殺人者になろうとしている、いいのだろうか。
「できるわよね?」
破滅ちゃんは、天使の笑みを浮かべ、僕をみつめる。
やらなきゃだめだ。
僕が、世界を破滅させるんだ。
「えいいい。」
僕は、パトカーに向かって、爆発するボールを投げた。
バッコーーーーーンッ!
物凄い、鼓膜が破れるほどの音がなった。
パトカーは粉々に砕け散り、辺りの人たちは、丸焦げになり、死んだ。
「えい、えい、えい。」
前、後ろ、右、左、四方向に、ちゃんと、爆発するボールを投げる。
バッコーーーーーんッ!
一掃され、焼け野原になった。
僕がやったのか―
放心状態だった。
100人は、殺しちゃったな―
「よちよち、いい子でちゅねえ。」
破滅ちゃんは、焔の上がる、屍の上で、僕を抱きしめた。
「えらいでちゅねえ。あたしのかわいい、かわいい、破壊くん。」
破滅ちゃんは、耳元で、魔性の甘い声で、囁き、口元を緩めた。
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