第18話 縞パンの向こうは秘密の花園。
「あーこれ、指にヒビ入ってるね。ほら、ここ「ピキッ」ってやっちゃってる」
外科医の先生が、俺の右手が映ったレントゲンをペンでつっついている。
俺は、病院にいた。
「とりあえず、全治一ヶ月ってところかな。固定してしばらく安静だね」
「マジで! じゃあ自転車に乗ったら……」
「ダメダメ! 片手運転なんてとんでもない!」
まいったな、しばらくバイトはおあずけか……それにしても……。
俺は、看護師さんに包帯を巻いてもらいながら、今日の昼、文芸部の部室で起こった大事件を思い出していた。
いや、これは正確じゃないか。
事件の瞬間に何故だか文芸部にいた、三人の女子がそう証言をしたからだ。
クラスで一番の
クラスで一番地味な
この三人が、口をそろえて、
『
と、証言したからだ。
ちょっと意味がわからない。
そもそも、この証言をした女子三人が一緒にいる意味がわからない。
普段なら、絶対につるまない三人だ。
特に、絵に描いたような陽キャの
・
・
・
「それじゃ、一週間後にまたきてください」
俺は、看護師さんに包帯を巻いてもらって、受付でお金を払って病院をでた。
九月初頭の日差しはまだまだ強烈だ。今日もきっと真夏日なんだろう。
「ただいまー」
俺は、だれもいない家に入ってつぶやくと、キッチンで顔を洗い、麦茶をガブのみしてひといきついたあと、自分の部屋のベッドにゴロンと転がる。
そして、レヴィアたんに今日起こった不可解な事件のことを聞いてみた。
「んー。わたしもよくわかんないんだよねー」
小学四年生くらい?
ずいぶんとちっちゃく縮んでしまったレヴィアたんは、腕を組んで歯切れの悪い返答をした。
「部室にいた三人の女子の頭ん中をのぞいてみたんだけどさー。
あの娘たち
「レ、レイプ!?」
「そ。あの三人は、
レヴィアたんは、右手で輪っかをつくって、左手の人差し指をシュポシュポと出し入れしながら三人の関係性を説明してくれた。
「……ってことは、
「うん。わたし、あの包丁持った男の嫉妬を食べた所まではハッキリ覚えてるんだけどさー。そっからの記憶があいまいでー。
きっと、ベルゼバブおねーさまのチカラが及んだんだと思うけどー」
確かに、レヴィアたんは、随分と縮んでしまっている。
包丁を持って暴れるくらいだもんな、
俺は、意外と一途な
「ん? なになに、わたしとセックスできなくなったのが不満ー?」
ぐ……頭の中を読まれるのって本当にやっかいだ。
「じゃあさー。今日は、クラスの女子と一戦しちゃう?」
レヴィアたんは、したなめずりをすると、ネイビーのダブダブのワンピースを脱ぎ去った。
「今日のお相手はだあれ?
クラスで一番やらせてくれそうな、
クラスで一番の美少女の、
クラスで一番の巨乳の、
一糸まとわぬレヴィアたんは、次々とクラスメイトに変身していく。
「んー? どれも、下半身がピンと来ない?
あ! なるほどなるほど、この子かぁー!」
そう言うとレヴィアたんは、あの娘に変身する。
そう、あのリスのような可愛らしい
……って、あれ? なんで制服着ているの??
「ざんねーん。わたしが再現できるのは、食べた嫉妬や魔力の記憶だけなのー。
でもまあ、これくらいなら再現できるよー」
そう言って、
「絶対、絶対、見に来てくださいね! 約束ですよ!!」
と、ピンクの縞パンをチラリチラリと見せながら、花が咲いたようにほほえんだ。
「もう、
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