第193話 ガッザラとの再会

 露店で2人の分の食べ物を買い食べ歩きをしながらガッザラの武器屋に向かった。 


 武器屋があった場所に来ると、外観が変わっていた。


 あれ?と思いながら中に入った。


「いらっしゃいませ~」


 中に入るとカウンターに女の子が居て、日本に居た頃にあったコスメ類や雑貨が大量に並んで、武器屋とは思えない状況だった。


「すいません、ここってガッザラさんの武器屋だったと思ったんですが……」

「そうですね、1カ月ほど前までそうでしたよ。お客様のお名前を頂いても良いですか?」

「ナットです」

「あ~はい、お待ちしておりました」


 そう言うと、カウンターから奥の部屋に入って行った。


 しばらく待っていると、女の子と一緒にガッザラが出てきた。


「お、師匠久しぶりだな」

「えぇ、お店はどうしたんです?」

「あぁ、ここは嬢ちゃんの商会の店になっただけだ」


 武器屋はなくなったのか、鍜治場が無ければ仕事も出来まい。


「そうなんですね、仕事は辞めたんです?」

「いや離れで仕事しとる。ワシらはヘイムの町に行くことになってってな、それで師匠も一緒にどうだ?」


 ヘイム?どこかで聞いた単語だな、どこだっけ?


『ヘイムってどこだっけ?』

『ん~今はだいぶ変わって大きな街になってるよ』

『だね~地・水・闇の精霊達が集まってる町だね』


 あれ?そんな内容で話聞いたんだっけ?


『そうなんだ』

「ヘイムに何かあるんです?」

「なに、師匠の想い人が居るんだよ」

「茜君が?」

「あぁ、ジャイアントツリーから船が早いから船で行こうと思うがどうだ?」


 どうだ?と言われて断る理由がなかった。


「是非に」

「決まりだな、ところでそっちの嬢ちゃんたちは師匠のなんだ?」


 ザックは、後ろに居たカスミとヒナを見て言った。


「家族みたいなものですかね」

「「だね!」」

「そうか、ならその子らも行くのか?」

「行く?」

「「もちろん!」」


 まぁノンは1人で生活できると思えないからついてくるとは思うが。


「何時出発する?」


 自分としては今すぐ希望だがそういうわけにいかないだろう。


 エルメダの用事もすぐ終わるだろうし明日とかでも大丈夫そうだが。


「ガッザラさんの方はいつでも出発できるので?」

「あぁ、ワシらはいつでも出発できるからな、師匠にあわせるぞ」


 エルメダ次第になったな。


「それなら出発できるようになったらここに来ればいいですか?」

「あぁ、それで問題ない」


 いよいよ会えると思うとワクワクしてくる。


「んじゃ、またあとで来ます。多分明日明後日には出発しても良いと思いますが……」

「あぁ、わかった」


 と、ガッザラの返事を聞いた瞬間店の入り口が開いてエルメダとリースが入ってきた。


「ん?どうした?」


 あっけにとられている自分に対して、どうしたとは。


「もう用事が終わったんです?」

「あぁ、この後ヘイムに行くぞ」


 あれ?偶然にも目的地が同じだった。


「自分もヘイムに行こうかと思ってましたが……」

「だろうな、んじゃ出発するぞ」

「だそうです。ガッザラさん今から行きましょうか」

「あ、あぁ……、弟子を呼んでくる町の西門集合でいいか?」

「えぇ、こっちも1人回収しなきゃいけないんで……」

「わかった、じゃあ弟子と共に西門に向かう、またあとでな」

「えぇ」


 エルメダの頭には休むという言葉がないのだろうか?


 宿屋で寝ているノンを回収しないとだ。


 この後、宿屋で寝ているノンを回収して西門に向かった。

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