第184話 地神ソラリスとの手合わせ
茜君の現状を聞きながら歩いていると大きな闘技場のような所に案内された。
円形のリングの中央まで来ると。
「んじゃ武器の種類はなんでもいいんだけど、そのノリが使っていた刀以外の武器はあるかな?」
自分が神刀と呼んでる奴以外か。エルメダ様の所で全部折ってから直していないな……。
「エルメダ様の所で折ってからそのままですね……」
「そっか、んじゃ折れてる奴でいいから一振り貸してくれる?」
アイテムボックスから折れてそのまま納刀している刀を出し渡すと。
「へぇ、これ自作だねそれに十分な付与がかかってる。あとで良い鍛冶屋を紹介するからそこで直してきなよ」
鍛冶屋じゃなくても直そうと思えば直せるけど、雰囲気的なものを味わいたいし紹介してもらった鍛冶屋に行ってみようかな。
「ありがとうございます。紹介お願いします」
「うん、それじゃあこれを」
そう言うと、ソラリス様が握っている刀が黒く光りはじめた。
『わ~久々にクロノスの力を見た気がする』
『だねぇ~あの子ろくに喋らんし謎』
クロノス?
そう言えばだいぶ前に時の大精霊がとか言ってたっけ?
となると時の大精霊の名がクロノスって事か。
刀の光が遅まるとこちらに返すように差し出してきた。
「直っているはずだよ、抜いてごらん」
そう言って渡された刀を抜いてみると、折れた形跡がなく新品同様になっていた。
「えっとありがとうございます。どうやって?」
「私はね時の大精霊を使役しているんだよ、その子の力を借りてかな」
やっぱりさっきヒスイとレムがいっていたように時の大精霊の子の力をかりていたのか。
「なるほど」
「それじゃあ、はじめようか、君のタイミングで始めて良いよ」
『ヒスイ、ここヴェンダルの闘技場と同じシステムと思って大丈夫?』
『もちろん!ある程度ダメージはいったら外に飛ばされるシステムだよ』
なら全力で行っても大丈夫そうだ。
時の大精霊使い恐らくこちらの行動速度を下げるか自身の行動速度上昇かなにかをするのだろうと容易に想像ができた。
「では遠慮なく」
右手を刀の柄に添えて腰を深く落とし居合の構えを取った。
「へぇ、ノリの見えない刀術ってやつだね」
やはり先祖もこの技をよく使っていたのだろう。
エルメダ様の所で学んで身につけた。身体能力の縮地とスキルの縮地を両方使っての居合!
瞬時に対象の横をすり抜け一撃を浴びせた。
手ごたえがあった気がするが……、後ろを向くとソラリス様は普通に立っていた。
服が切れたりと、そう言った様子もなかった。
あれ……?
手ごたえはあった気がするんだが?
「君すごいね、最後に見たノリと同等かそれ以上だよ!エルメダの所で色々学んだようだね」
いや、外にはじかれているはずのあなたが怪我一つなく立ってる方が気になる。
これも先の時の大精霊の力なんだろうか……。
その後何度も何度も斬ったりしているのだが、本人は無傷でケロッとしていた。
「ノリの使っていた刀を使われていたら確実に私は負けていたね」
「はぁ……」
ノーダメで突っ立っている人からそんなこと言われても誉め言葉にも思えなかった。
『クロノスがね、君から受けたダメージを無かったことにしているからね~、勝てないって理由が分かったでしょ~』
そりゃ受けたダメージを無かった事にしているならどうやっても勝てないだろ、神刀ならその大精霊もろとも斬るとか何らかの手をうてる気はしている。
「君の腕前は十分に理解したよ、元の所に戻ろうか」
「はぁ……」
ちょっと物足りない感じがしながら、最初の部屋に戻ると、ガッザラと呼ばれる名匠の鍛冶屋の場所を教えてもらい学園を後にした。
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