第177話 20年後のブラン村 実家
空間転移でブラン村の我が家の前までいどうすると、村のあちらこちらに緑色の光の玉がふわふわと浮いていた。
『なんかやたらとドライアドが多くない?』
『うん~ミアンに預けた子達が作った下位と中位の子で溢れてるね~』
『これだけの精霊が集まっている所ボクは知らないよ……、やり過ぎなんじゃ……?』
レムがそう言うならそうなんだろう。
『まぁ、私達が過剰に存在していても悪い影響はないし~』
『そうだね、豊作になるくらいだしね、しいて言うなら農作物以外の植物の成長も少し早い位?』
農家の方々にとって雑草の成長速度が速いというのは少し迷惑な気も……?
『あ~そうだね~農作業する人にとっては悪い影響かなぁ?』
『まぁ、でも雑草が生えたところで作物には何の影響もないよね~』
『だね~』
本来雑草が作物の分の栄養を持って行ってしまうという悪い柄協があるはずだが、そこはドライアド達が何とかするんだろうなと思いながら、ヒスイとレムのやり取りを見守っていた。
我が家をノックすると、緑色の光を連れた20代半ば位の女性が出てきた。
「えっとどちらさまですか?」
いやこっちも、どちら様と聞きたい……。
『あ~この子!』
ヒスイの知り合い?
『知ってる人?』
『君も知ってるでしょ!ポーコスの奴隷商の所に居た女の子だよ、男の子は……』
あぁなるほど、あの時の子ども達かミアンの所に居るものだと思っていたけど。
『男の子は村長宅の方にいってるね』
『父さんと母さんは?』
『ミアンの所』
最初からミアンの所に行けばよかったかな?
「あ~すいません自分は秋津直人、もしくはナットと言えばいいのかな……」
女性は驚いたように顔を上げ、その後深々と頭を下げた。
「あっ、あの時私達をお救い下さりありがとうございました」
救うという行為だったっけ?と内心思いながら対応した。
「あぁ、いえいえ、元気に成長できたようで良かったです」
「はい、サントさんとカレンさんには会いましたか?」
「いえ、これからですね」
「そうでしたか、サントさんとカレンさんはミアン様の所にいますよ」
「そうですか、それじゃあミアンの所にいきます」
「はい」
一礼をして、実家を後にした。
ミアンの家に向かいながらヒスイに気になっている事を聞いてみた。
『今あそこに住んでいるのは、あの時の男の子と女の子?』
『みたいね、結婚して家と周囲の畑を譲り受けたみたいよ』
普通の人生が送れているようでなによりだが、ミアンの弟子として活動しているものかと思った。
『ミアンの弟子の件は?』
『あの子達も弟子として活動しているけど、君のお父さんとお母さんも弟子として活動しているみたい』
まさかの事実だった。収穫祭の時に薬草や薬をオークションに出品しに王都に行ったりしていたみたいだし考えられる事だったのかな?
まぁ無事に生活しているようで良かった。
その後は村の様子見ながら村の外に出てミアンの家に向かった。
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