第68話 未開の地から踏破まで
34階層の大部屋でシルバーゴーレムを見かけグラコスの声を無視し突っ込んだ直人、リポップの瞬間無事シルバーゴーレムを討伐し35階層に飛び込んだ。
さてボスだな、石碑に触れボス部屋に飛ぶと部屋の中央に見慣れた液体状ものがある。
『またレア?』
『違うよ、この先しばらくは交互かな、通常ボスとレアボスって感じでね』
ちょっと喜んだのに……、
『ナットの持つスキルを1つ使ってくるから気を付けた方がいいよ』
そういや、1~3と言ってたな気を引き締めるか、そう思っているとポコポコポコと泡立ちはじめ次第中央が盛り上がって自分の姿になった。
『アハハ、馬鹿なボス、木工スキルをまねてやんの』
肩で腹を抱えて爆笑しているヒスイ、なるほど真似るスキルはランダムなのか、運が良かったと思う事にしよう。行動速度上昇のおかげかお話にならないくらいに直ぐに終わってしまった。
スマートゴーレムだったので、魔石とミスリル鉱を含めてレアドロップと思しき大きな糸巻のようなものに巻かれたミスリル繊維が落ちた。ミスリル繊維を伸ばしてみると1mや2mなんかじゃなく10m以上ありそうだった。
『生産スキルじゃぁねぇ、アハハハハ』
ヒスイは未だに笑い続けている。先を急ぐか、36層に来ると真っ黒な壁になった。
『ダマスカスだね~』
36層ここからは地図情報が全くない、ここからは地図を作りながらいくか~
ここからはフロア全部回ったら次の階層に降りた。
ボス部屋の1つ手前の層では攻略方法は変わらない、行動速度上昇からの縮地ドロップキックでスペースを作り暴れて掃除するかリポップの瞬間に飛び込むかで駆け抜ける。
ボスも通常ボスは頭にあるゴーレムコアをサクッと壊してクリア
49層スマートダマスカスゴーレムのボスだが、真似たスキルが革細工と心眼でまたもやヒスイが大爆笑していた。
50層~63層は、アダマンタイト層
ダマスカスエリアと、やる事は変わらず雑魚を適当に倒しつつ地図を作りながら進み、大部屋ではいつも通りの攻略法で乗り切った。そして63層のレアボス、スマートダマスカスゴーレムは体術とアイテムボックスを真似ていた。
『体術は当たりだけど、アイテムボックス……、ブフッ』
行動速度上昇と縮地を使ってすぐに終わらせた。レアドロップはアダマンタイト繊維
レアボスはヒスイが笑うための場になりつつあった。
64層~77層は、ヒヒイロカネ層
道中はやっぱり変わらずに進む、77層のスマートヒヒイロカネゴーレムだが、やっぱりここでもヒスイの笑いをとりにきていた。取ったスキルが、サバイバルと心眼だった。
『アーッハッハ、夜野営するときにすごく役立ちそう~アハハ、ッヒ♪』
笑いすぎて涙目になってやがる……。レアドロップはヒヒイロカネの粉末だった。
78層~84層は壁が虹色になり少し目がちかちかする。
出現する魔物のもこれまで出てきたすべての魔物達がでてきた。
『きらきらしてる~』
やっぱりやる事は変わらない、ボスもストーンゴーレムで魔石しか落とさなかった。
85層~91層
ヴァイパー系、ウルフ系が居なくなり、すべてが自分の姿をしたストーン~ヒヒイロカネ系のスマートゴーレムだった。
『雑魚だから、スキルなしだね~』
スキルなしの為たいしたことなかったが、全アイテムドロップの為か、スマートストーンゴーレムのドロップが凄かった、ピンポン玉大の様々な宝石が毎回10種ドロップしていた。それ以外は特になく進んだ。
91層は、スマートアダマンタイトゴーレムだった。
液状の状態の時、
『さぁ~なにがでるかな、なにがでるかな?リベンジできるかな?』
何かのバラエティ番組状態だった。だがここでようやく、見切りと体術を引いてきた。
『なんだ~両方とも当たりじゃん~つまんない~ちゃっちゃとやっちゃって!』
ヒスイは、笑いを期待していたのか少し不機嫌だった。行動速度上昇と縮地を使ってサクッと終わらせた。この時見切りの特性は相手が見えてなければ意味がない可能性が高い事が判明した。ヒスイからはブーイングが飛んだ。
そして……
92層に降りると、濃い玉ねぎ色の壁だった。
『お~オリハルコンだね~、神鉄に一番近い金属だよ、それから全部雑魚のスマートゴーレムだけどスキル1つ持ちだから注意してね。』
また何のスキルを模してるのかで笑い出すのが容易に想像できた。
地図作りの為に、歩いていると突如突進してくるスマートオリハルコンゴーレムが稀に存在する。こういう時は必ず縮地持ちだった。こっちが先に気づくと刀を構える。向こうが気づいた瞬間態々刀に斬られに突っ込んでくる。その度にヒスイが……
『アハハハ、ばかじゃん、自殺しにきてる、クッフ♪』等毎回笑うし、革細工や木工等の生産スキル持ちの時も、ゴーレムたちを馬鹿にしながら笑っている。ひとつ気になったのは行動速度上昇を使ってくるやつが居ない事だった。
『ねぇヒスイ』
『ん?』
『行動速度上昇使ってくるやついなくない?』
『そういえばそうだね~あ~偽装中だからじゃない?偽装したステータスの中から真似てるのかも』
なるほど、ここを出るまでスキルなしに偽装してみよう。
その後92層の奴らは皆なんらかのスキル持ちだったが、93層以降はスキルなしになっていた。
『偽装中のステータスから選んでるね、馬鹿だねぇ……』
97層まで降りて来た時ヒスイから
『王都の武術会まで2週間~』
大分長い事潜り続けていたらしい……、もう残りあとわずかだから踏破しちゃおう。大部屋の中に突っ込み掃除して98層に向かいボス部屋に飛んだ。
道中の雑魚と変わらずスキルなしのボスだったのでサクッと終わらせた。
99層に降りると、そこには今まで見た大量のドロップアイテムがあった。
『ここは?』
『ダンジョンコアの1つ手前の階層だね~このダンジョンで取れるドロップ品が大量にある宝物庫なのさ、また1層から潜りなおせばもう一度取れるよ~』
『どのダンジョンにも共通?』
『うん、7層周期、6時間周期でリポップリポップポイント変更とか基本一緒~深さはそれぞれ変わってくるけどね~全部回収して次いこう次!』
各金属の塊とピンポン玉サイズの宝石類が本当に多い全部回収し次のフロアに向かった。
100層いよいよ最下層だ、床が黄色い輝きを放っていた。そして大部屋の中央には10m四方の正方形のクリスタルの様なものが角を下にしクルクルと回っていた。
『これがダンジョンコア、言い方変えると超巨大魔石だね~そして下を見て何か気づかない?』
言われた通り下を見ると、黄色い液体の様なものが一定方向に流れていた。
「何か流れてる?」
『うん、液体の魔素だね~他の場所では気体の魔素が流れてる事もあるよ、ダンジョンは必ずこの地脈の上にあるの』
「地脈か~もしかしてラーネバン北のダンジョンもこの先に?」
『この先というより、ここの手前だね~』
「ラーネバン方面から流れてると……」
『そそ~でね、スタンピードは、そのダンジョン内の魔素が溜まりすぎると発生するの、人気のないダンジョンほど、スタンピードが発生しやすいかな~』
「はぁ、なるほどね」
『最後に~このダンジョンコアに触れてごらん~』
ヒスイに言われた通り触れると、“チャリン”という音共に何かが足元に落ちた。手に取ってみると、金色のドッグタグ形状の金属板2枚と金色のチェーンだった。
『100層ダンジョン単独踏破の証、オリハルコンのタグだよ~』
裏返すと、1枚目には“秋津直人 トザズトアダンジョン100層踏破”と書かれていた。
2枚目は“ナット トザズトアダンジョン100層踏破”と書かれていた。金のチェーンって部分はどうかと思うが、ナットの分はアイテムボックスにしまい、直人の分は首に掛けた。
『これはねー冒険者カード登録してる枚数分出てくるよ。』
「リンクしているの?」
『うん~だから冒険者登録してない人がやっても、証は出てこないんだよね~ちなみに冒険者カード同様、他の人が触ると黒くなるよ~』
「へぇ~それが本物の証と」
『そそ~それじゃあ外に出ようか~もう一度コアに触れて~』
触れた瞬間、目の前が一瞬真っ白になりトザズトアに戻ってきた。なんか久々の外の空気だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます