第66話 やる気がなくなった!
27層のセーフティエリアまで来た。辺りには誰も居ないし目の前の大部屋にはミスリルゴーレムやミスリルウルフ、ミスリルヴァイパーがわらわらとひしめいていた。
『誰もいないね』
『いないね~』
特に疲れているわけでもないし大部屋攻略しますか~
試しに、セーフティエリアからミスリルゴーレムを斬ってみたが、なにも反応が無かった……
『なにやってるの?』
『いや、安全圏から攻撃できないかなぁと……』
『そりゃ、ここお互いに干渉出来ないような結界があるからね』
『全部のダンジョン共通?』
『うん』
思ったんですよ。
ワラワラと魔物ひしめいている所に1番最初に突っ込む人は、攻撃できるようにスペース作りからしないといけないって事か……、毒持ちヴァイパーとか居る中に突っ込むって相当な重装備をしてもやりたくないな……、超軽装備でこれからやらなきゃいけないけど……
仕方ない、まずはドロップキックしてスペース確保する事からはじめるか!
大部屋の中にいるゴーレムに向かい縮地からの~ドロップキック!
面白い位にゴーレムが吹っ飛んだな後ろにいた魔物達も巻き添えだ、そのまま周囲のゴーレムとウルフを足場にしながら斬る足元にヴァイパー系がいないことを確認し着地、そのあとはただひたすら斬る!斬る!斬る!斬る!斬る!斬る!
時々ゴーレムに殴られ吹っ飛びそうにはなったが踏ん張りカウンターで斬る!一番痛いのはウルフの噛みつきかもしれない!噛みついてきたウルフをゴーレムの攻撃軌道上に持っていくとためらいなくウルフを殴ってくれるのには笑った。ヴァイパーからのダメージは今のところ無さそう。絶対健康持ってってよかった……、痛みがすぐ引くのは大きい!
1度の斬撃でかなりの数を減らせるのが大きいが終わりがあるのかな?と思える位に延々とやっている気がする。
どれだけ時間斬り続けただろうか、ようやく終わりが見えてきた頃、心なしか床の光が強くなった気がした。
『ナット!セーフティーエリアまで下がって!リポップ!』
は!?と思ったが、ヒスイの言葉に従いセーフティーエリアに退避した次の瞬間あと少しだった魔物達が消え、大量のミスリル系の魔物達が湧いた……
やり直し……? 自分そんなに時間かかってたのかな……?
『自分6時間も戦ってた?』
『いや、2~3時間位だと思うよ、リポップ周期は、君が対応してからカウントじゃないからね……』
はぁ……、萎えるわぁ……、あと少しだったのに……、
『まぁがっかりしなくても、気づいてないかもだけど、行動速度上昇かなり上がってるよ』
うれしいけど慰めになってない……、もう……、
気分転換に何か作って食べるかな、さっぱりしたものが食べたいな、寿司がいいなぁ、魚が無いな……、カウ肉のローストビーフでも作るか、セーフティエリアにテントやら野営一式をだした。すべての野営設備の設置が終わり、ご飯を炊いてファイティングカウのローストビーフをつくった。
どちらも時間かかるからな、以前作ったメスを見て見る。1本目2本目は刃の部分の厚みが一定してなかったり刃渡りが長かったりしていたが、3本目4本目と進むにつれて形状が大分安定してきてる。6本目以降は普通に使えそうだな。以前試したオークの死体を出して試し斬りしても8~10本目は問題なく使える。6,7本目は研ぎなおしかな?
『ナットご飯焦げちゃうよ』
『ありがと』
『いえいえ~』
試し斬りをしたオークの死体を神の手を使い解体した。アイテムボックスにしまい、ご飯をよそってスライスしたローストビーフを乗せローストビーフ丼を堪能した。
気分転換したつもりだったがもう一度チャレンジする気になれないので、寝よう……
寝袋にはいろうとしていると。
『ナット寝ちゃうの?』
『うん、ちょっとやる気がね……、次リポップするとき起こしてくれる?』
『はいはい、おやすみ~』
数時間後
『ナット起きて、リポップするよ』
ヒスイの声で目を覚ました。急ぎ撤収準備をした。
撤収準備が終わるとリポップの合図ともいえる辺りの光が強くなる。
よっしきた!前回のリポップ時、1度魔物が消えてから1~2秒ほどしてから沸いたからな消えた瞬間行動速度上昇からの縮地で通路まで駆け抜けれるはず!抜けきれなくても出口付近での戦闘になると信じてる!
ジーっと魔物達が消える瞬間を待つ、消えたっ今っ!行動速度上昇からの縮地!
結果は、上手く行った。
『やるね~てっきり普通に戦うのかと思ったよ。』
『最初はそう思った。』
オンラインゲームで初見レイドボス討伐するときは観察を怠っちゃいけない!癖やパターンがあるならそれを見極めよ!と廃人ゲーマーからお小言のように言われ続けたからね……、ご飯食べているときに“あれ?これっていけるんじゃない?”とか思って試してみて正解だったわぁ、自称かどうか不明だがニートの廃ゲーマーの友人に初めて感謝した。
28層に降りると、7層や14層、21層と全く同じ構造で、通路からの小部屋そして中央の石碑、石碑の元に行き石碑に触れた。
『普通のボスだねぇ~』
ボス部屋に着くなりヒスイがそう言って来た。レアじゃないのは少々残念だが、さっさと肩に飛び乗り頭部に2連撃して終わらせた。
『なんかあれだね~討伐というより作業だね~』
『なんか同じ攻略法で行けるだけだとね……』
『それもそうか、行動速度上昇と縮地があればすぐに終わっちゃうよね~』
『だね』
街に戻らずそのまま29層に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます