第65話 攻略再開
ギルドマスターアマネの部屋を後にし、そのまま冒険者ギルドを出た。
『ヒスイ、王都の武術会っていつやるかわかる?』
『いまから5か月後位先だね』
『んじゃその2週間前になったら教えてくれる?ダンジョン内だと時間とか日にちの感覚が全くないからさ』
『OK』
これで忘れてたなんてミスはしなくて済みそうだ、後は、ペンチなんてものじゃなく、本来使うべきヤットコを探そう、鉱山都市なだけあって鍛冶店が多い、武器の修理依頼とか多そうだな、1軒1軒まわり4件目でようやく大小のヤットコセットを購入できた。
よっしこれで、攻略再開するか、街に戻ってきた扉モドキの彫刻の所へ移動した。
扉に触れると、一瞬目の前が真っ暗になったかと思ったが、スマートアイアンゴーレムとやりあったあの部屋に戻ってきた。先に進む道を見つけ22層に降りると、これまでと違い天井も床も壁も水色の淡い光を放っている。
『これは?』
『ミスリルだね~』
『アイアン系とミスリル系?』
『いや~ミスリル系だけ』
てっきりクロム塊が取れる場所があると思ったのだが……
『さっきの所で出たクロム塊ってどこかで取れるの?』
『ジャッスェイの北にある鉱山都市ティファで銅鉱石と一緒にクロム鉱が取れるんだけどクズ鉱扱いだねぇ』
錆に強くなるのに人気がないと……、製鉄関係もまだ研究が進んでないのかな?
まぁいいか、とりあえず進もう、22層を歩いていると、これまで同様ミスリルゴーレム、ミスリルウルフ、ミスリルヴァイパーと遭遇するが、人が全く居ない気がする。
『人いなくない?』
『そりゃいないでしょ、行動速度上昇ついてるから気づかないみたいだけど、魔物達の速さもこれまでよりも大分素早くなってるんだよ』
『そうなんだ』
確かに、アイアン系と行動速度上昇無かった頃戦った時と同じ感覚か……
行動速度上昇で上昇した分、相手も上昇したと考えるべきなのかな?
『そっか』
『うん、それにね、この先56層までヴァイパー系は痺れる程度だけど毒持ちだからね、普通の人からしたらアイアン系とミスリル系の間にはすごく高い壁があるんだよ』
『56層まで?その先は違う毒?』
『うん、痺れるだけじゃなく石化とかもある』
バジリスクか何かですか……?
魔物達はまとまってこない為か普通に刀を抜き身のまま歩いている。襲ってきたら刺すなり斬るなりするだけの単純な作業になっている。ダンジョン内を散歩している気分になった。
ヒスイと雑談しながら狩をしてて思った事がある。ボスは魔石を落とすのに雑魚は魔石を落とさない事に気づいた。
『雑魚って魔石一切落とさないよね』
『そりゃ落とさないでしょ、雑魚の体内にも魔石はあるんだけど、凄い小さいよ砂の粒子よりもね、だから直ぐにダンジョンに吸収されちゃうの、基本はダンジョンの魔素で動いてるから体内に魔石を必要としていないってのもあるよ』
何当たり前な事を言ってるの!みたいな感じで言われた。
『そうなの?』
『そうだよ、外にいる魔物達は基本繁殖行動で数を増やすけど、ダンジョン内はダンジョンに蓄積された魔素で作られ数を増やすんだよ、だからスタンピードで回収したオークやサイクロプスなんかも魔石は存在しないと思っていいよ、有っても霧散しちゃうんじゃないかな?』
『ボスは?』
『強化するために体内に魔石があるんだよ、なかったら道中の雑魚と同じだよ』
そんな秘密があったのか……
『あれ?サイクロプスってボスじゃないの?』
『ここの大きなゴーレムと同じようなのならボスだけど、スタンピードで湧いて出たのはただの雑魚だよ。』
そうでしたか……、雑談しながらフラフラしていたら27層まで降りて来ていた。
セーフティエリアには誰も居ない、目の前の大部屋で戦ってる人もおらずミスリル系がただうじゃうじゃとひしめいている。
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