第25話 護衛クエストの準備
冒険者ギルドを後にたあと、街の市場にやってきた。食材の露店が大量に並んでる。どこかの朝市みたいで活気があるな。
「ナットは、サントとカレンから旅の必需品について聞いたか?」
「聞いていますね、基礎知識は教わっています。道具もある程度持ってます。」
生前使っていたテントとか寝袋は、使わないほうがいいんだろうな、土魔法でテント代わりになりそうなものは出来るし、熱の与奪魔法使えば、布団無くても風邪ひかないだろう、食材は、ファイティングカウの肉があるとして、必要なのは野菜くらいかな。
「ふむ、食料位で問題なさそうか?」
「それ位で大丈夫だと思います。」
「なら、露店で済みそうだな、最低でも3日分は買っておけ。目的地までは12日位かかるが、途中途中街に寄るからな」
それ位なら十分ある気がするな、12日か拘束期間長いな。
「自分なりに買ってみろ、今回は俺が居るから失敗してもかまわんからな」
「ほい」
露店を見てて思った、この世界の通貨がなんとなくだが理解できた。毎回毎回貨幣の枚数で言ってくるのが慣れないが、
白銀貨 1,000,000円相当
大金貨 100,000円相当
金貨 10,000円相当
大銀貨 1,000円相当
銀貨 100円相当
大銅貨 10円相当
銅貨 1円相当
ざっくりとこんな感じだ、すると昨日1日で53万円稼いだのか!医師より儲かるじゃん! なんて思ってしまった。
1点気になる事があるとしたら。生前の土地代とか貯金だろうか? アイテムボックスの中には、1万枚以上の白銀貨がある事だ。貯金と土地代合わせても絶対にそんな金額にはならないはずだ、何のお金なんだか……
露店で適当に出来合いの物を買って食べながら、適当に3万円分の食材を買ってみた。個人的には1か月分以上はあると思う。
「ずいぶん買い込んだな……」
「まぁ昨日の報酬が余ってますからね」
「ありゃ冒険者初日に稼げる金額じゃないからな?」
でしょうね、賞金首が美味しかっただけだし、
「他何か買うものあるか?」
個人的には、投げナイフと、弓矢の一式が欲しい所、投げナイフは、存在するかどうか知らないが、投擲スキルを身に着けたいし、弓は親から教わっていても1度も実戦で使った事が無い、せっかくの弓術がもったいない。
「投げるナイフと弓矢の一式ですかね」
「弓も使うのか?」
「一応母さんに教わっていますね」
この世界の弓はショートボウが主流らしい、和弓みたいに長くない分、射程距離も短いのが難点、竹を見つけたら自分で和弓作るのもありだな、使える弦が存在するのか不明だが、とりあえず、母親に教わったショートボウが欲しい。
「そうか、武器屋にいくか」
食材を置いてた露店の通りからしばらく歩くと店舗を構えた店の通りなのだろうか?
通り沿いの建物には、様々な看板が出ている。そのうちの1軒の店にはいった。
カウンターに、髭を生やしたおっさんがいた。
あっちこっちに様々な武器が置かれている。鎖の両端に鉄球の付いた武器やら、モーニングスターと書かれた武器とか本当に色々あったが、銃や、ボウガンは無かった。
いつも肩に居るヒスイがフラっと飛び樽に挿してある武器の下に飛んでいった。
『ナット、これ買った方がいい』
ヒスイがペチペチしている武器を手に取ってみると、ただの長い金属の棒?手に取って思ったのは、見た目の割にあまり重くない、なんでこれを勧めた?
『なんで?』
『これ、ナットの刀と同じ金属』
『実体のないやつか』
『そそ、ナットと同じ使徒が使っていた武器』
なんで、そんなものがこんなところにあるんだろうと思っていると。
「ほう、おまえさんその棍を持てるのか」
声のした方を向くと、カウンターに居たおっさんが、後ろに居た。5歳の自分と大して変わらない大きさの髭を生やしたおっさんだった。もしや、ドワーフ?
「これ買ってもいいです?」
「良いぞ、だれも持てんからな、ただでもっていっていいぞ」
ただって、本当に貰っていいのだろうか?
『そりゃ使徒しか使えないからね~貰っちゃえ!』
「ありがとうございます。何でここにこれがあるんです?」
「さぁな、20年前に俺がここを継いだ時には既にあったからな、んで、今日は何がほしいんだ?」
「弓と投げナイフ」
「投擲用ナイフや弓は隣の部屋だ、ついてこい」
案内されたの部屋には長弓、短弓に矢、小さいナイフ、小さい斧が置いてあった。なるほど、近接用武器と遠隔用武器と分けてあるのか、
「予算はいくらだ?」
「ん~大金貨3枚位で」
「ふむ、おまえさん、歳はいくつだ?」
武器に年齢関係あるのか?
「5ですね」
「歳の割には鍛えてるな、背もすぐ伸びるだろう、こいつを持ってみろ」
そう言って渡されたのは自分の背丈と同じ位の白い弓だ、大きすぎと思ったが、和弓を考えればこんなものか?
「そいつは、レッドドラゴンの骨で出来た弓だ、少し弦を引いてみろ」
言われた通り引いてみるが、軽いとてつもなく軽い。
「もうちっと重くしても大丈夫そうだな、ちょっと待っとけ」
おっさんが、弦の重さ調節してくれてるようだ、やり方を見学しておこう、自分の武器位は自分で手入れしないとだし、しばらくすると、調整が終わったらしく、弓を渡された。
「引いてみろ」
先と同じように引いてみると、ちょうどいいかもしれない。
「良さそうだな、ナイフはこっちだ」
ショーケースの中に数種類のナイフが並んでいた。左右対称のデザインがおおいな。斬るより刺すだからだろうか?
「おすすめは、何に対して投げるかによって変わるが」
「主に魔物ですかね」
「まぁ硬い奴に使わないならどれでも構わんぞ、堅い奴を狙うなら左側のミスリル製以上だな」
ファンタジー鉱物、ミスリル!初めて見た。青みがあるのが多い、青系の金属なんだろうか? いつか自分で手に入れてみたいところ。
とりあえず、スキルを身に着けるための物だから、一番安いものにした。
「これでお願いします。」
「はいよ、10本位でいいか?」
「おねがいします。」
おっさんが10本用意しながら、聞いてきた。
「他に必要な物はあるか?」
「武器を手入れするための道具と予備の弦がほしいです。」
「ふむ、弓自体はそんなに手入れする必要が無いがなぁ、砥石と予備の弦は付けておこう、他にあるか?ないなら残りの分は矢にするが」
「ありがとうございます。それでお願いします。」
「あいよ、カウンターの方に回ってくれ、矢を用意してこよう。」
言われた通り、前の部屋のカウンター前に周り待機した。
「決まったのか?」
「弓矢と、投げナイフ10本買いました。」
「刀に槍に弓か、おまえさんはカレンに似て器用だな、」
阿修羅様の加護のお陰だろうね、適正武器全部だし。
「多分親の影響じゃないですかね」
「槍と弓はわかるんだが、刀は2人とも使ってなかったと記憶しているが」
「村に居たハイエルフの人にもらったんですよ、それから自分なりに使い方を工夫して身に着けたんです。」
そう伝えると、グアーラが驚いたような表情をした。
「我流で居合を極めたのか?秋津でもいつ抜いたかわからないレベルの使い手は、多くないと聞いたが。」
あー答え方間違ったかな……
そう思ってると、おっさんが矢束を持って現れた。
「またせたな、矢はきっちり300本にしておいたぞ、きっちり大金貨3枚でいいぞ。」
言われた通り、大金貨3枚をカウンターに置いた。
「たしかに、まいどあり! また来いよ」
弓矢とナイフを受け取りグアーラと武器屋を後にした。
外に出ると夕暮れにはなっているが、集合時間までは、まだ時間がある気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます