転生!
第2話 植物の大精霊
身体が揺れている。あやされてる感じがあり目を開けると民族衣装?を着た、茶色い長い髪のお姉さんがいた。
「ナットちゃん~~ママでちゅよ~~」
なるほど、この人が母親か、どこかの家庭に生まれ変わったのか、ただなぁ……、一度85歳まで生きた年寄りに赤ちゃん言葉か、凄い抵抗があった。
ふと、排泄は……、血の気が引いた。屈辱的な生活を送らないといけないのか?
生前もボケたりしてなかったから経験はないし、アイテムボックスに収納してどこかの次元へ廃棄できないだろうか?とりあえず、尿意や便意が襲ってきたら試そう、そもそも身につけているのはおむつなんて大層な者ではない、ごわごわした何かだ……そんなことを思っているとどこからともなく声が聞こえてきた。
『うっふっふ、可愛い赤ちゃんだ~』
声の主を探してみると、母親の肩に肌の色が深緑の小さな女性が、座っていた。母親には、みえてないのか?大分小さいな20㎝そこらか?
『そうね~普通の人には見えないかな、身長はそれくらいだね』
こいつも人の心を読むのか……
『そりゃ~これでも私は、大精霊だからね~ネア様から君の旅の相棒にって、言われてきたんだよ~まぁ、私に伝えたいと思えば、伝わるよ~』
テレパシーや、念話と言われるやつか。
『大精霊ときたか、緑だからイメージとしては風か?』
『残念~私は、植物の大精霊かな~』
植物か、薬草育てるのに力になってくれそうだった。
『ふっふっふ、それ位は朝飯前ってやつですよ~もっといろいろできるんですよ~』
『んで、君の名前は?』
『名前はないかな、しいて言うならドライアドと呼ばれてるけど、種族名だからね』
名前なしか、彼女の肌の色を見ると、宝石のヒスイを思い浮かぶ。
『名前は、ヒスイでどうだろうか?』
『ん?私に名前をくれるの!?』
『そりゃ、名前ないと呼びにくいし』
『ふふふ、ありがとう!私の名前は、ヒスイ!よろしくね!』
その瞬間、ヒスイの身体が淡く光を帯びた気がした。
『あぁ、よろしく』
『ふっふっふ!これで君と私はつながったね!』
意味が分からなかった。つながるとは何?と思った。
『わかってない顔だね~名前を与える行為は、契約の証だからね~もっと色々なことが出来るよ~試しに目を閉じて』
そう言って自分の額の所まで、ふわふわっと飛んできた。とりあえず彼女の言うとおり、目を閉じた。
『ではでは、私の力の一部をお見せしましょう~』
そう言った瞬間、まぶたの裏にどこかの農村の風景が浮かんできた。
『これは?』
『君の家の周囲の風景だよ』
え?
『私の力の一つは、植物のあるところなら、こうやって今の状況を見せることができるよ、もちろん見るだけじゃなく聞くこともできるよ』
どえらいチートだな、植物は砂漠や荒野でもなきゃ大体存在するではないか……植物プランクトンも対象だったら海の中も見れるのかと思った。
『ふっふっふ!そのプランクトンも対象だよ~』
そう言うと、どこかの水中の風景に切り替わった。群れを成した魚が泳いでるが見えた。これって、戦場で自分に対しては、伏兵の意味が全く意味をなさなくなりそうな気がした。
『砂の中にかくれたら解からないけどね~』
そう言ってヒスイは、ケラケラ笑った。
もしかして暇を持て余しそうな、赤ちゃん時代、ヒスイに色々な場面を見せてもらえば暇にならなくなりそうだ。
『それ位なら良いよ~お望みとあれば、世界の果てまでご案内しましょう~』
良い笑顔だ、とても楽しそうに見える。あとは、この時期出来そうな修行は何かあるかな?特定の範囲内の気配を察知できるようになれればいいかな、心眼ってスキルがあるなら、ぜひとも習得したいと思った。
「ナットちゃんは、あまり笑ったり泣いたりしないですね~」
ヒスイとの会話に集中してたら、母親とのやり取りを忘れていた。
笑ったり泣いたりと言われてもな、とりあえず適当に、泣きまねをすると、ヒスイが
『ん~すごく不自然!少し手伝ってあげる!』
そう言った途端、目につーんと来る刺激が襲って来た。玉ねぎでも切ったような刺激が、嫌でも涙があふれてくる。
『これで少しは自然になるでしょ!』
ならんわ!涙だけ流す赤ちゃんとか、そんなにいないだろ!
「おやおや~声は出さないけど一応は泣いてるのかな~?」
無理やりな!
ヒスイのありがたくない好意のせいだ。とりあえずは母親とのやり取りは適当に対応した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます