第51話
皆が一つの目標を達成できたことに喜んでいた。手を叩いて喜んだ。私もその中に入った。でも、やっぱり心のどこかに不安があった。安心して手を叩くことはできなかった。
不安は誰にでも常にあるものだと感じている。その誰にでもある不安よりかは、大きい不安を感じていた。このように心の底から笑えていないのは、私だけかもしれない。皆、心の底から喜んでいる。一人だけ取り残されているようだった。
その不安の正体が何か、知っている。さっきも考えていたように、如紀ちゃんの正しさが立証された今、新たな容疑者を考えなくてはいけない。そうなることは覚悟していた。ずっと前からわかっていたつもりだった。でも、その理解は表面だけのもので、奥深くまでの理解は行き届いていなかったのだろう。だから、こんなに不安に襲われている。
どうして私はいつもこうなのだろうか。同じものを繰り返しているだけの人生は面白みが一ミリたりともない。
いつかこの悪習慣から抜け出すことはできるのだろうか。
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