第21話
私たち女子チーム三人で隠れ家捜索に当たることになった。隠れ家となりうる場所を考える。まずは、父が現在まで住んでいた家。姉と弟も暮らしていたから、詳しいことは姉に聞こう。そして、夏によく訪れた静岡県熱海市と長野県軽井沢町にある別荘。山と海、どちらも堪能したい、という父が購入した家だ。それから北海道根室市にあるという父の実家。私たちは一度も行ったことがない。それに今もまだ残っているのかさえ、わからない。一番難航しそうだ。距離的にも最終手段として取っておこう。
皐奈ちゃんと姉に連絡し、来週末に熱海へ向かうことが決まった。皆それぞれ仕事があるため、予定を合わせるのが大変だった。簡単に旅行へ行けていた昔が懐かしい。
熱海旅行の前日、パッキングをした。一泊二日の短期間なので、最低限の荷物でまとめるつもりだった。しかし、気がついたら、水着を用意していた。プールや海に入るわけではないのに。初め、この役割を振り当てられたときは、正直外れだと思った。めんどくさいし、出費が経費で降りるわけでもないから。しかし、なぜかウキウキしている私がいる。潮の匂いを堪能しなくては、と水着を準備した。
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