第196話 勇者育成施設

いやはや、本当に参った。今まさにマルスラン大陸人は滅亡しかかっているのか。

…果たして救うべきなのかな? 大陸が違う以上、マルスラン大陸人は潜在的な敵とも言える。実際、1500年前は争ってたわけだし、今の状況を考えるとマルスラン大陸人がサルベリア大陸人を恨んでいてもおかしくない。なら、もしマルスラン大陸の危機が去ったらどうなる? サルベリア大陸に復讐を仕掛けようとしてもおかしくない。文明的にもマルスラン大陸の方が進んでいる…。

(…なあ、パール、大陸間戦争ってもう終結しているのか?)

(というと? 条約とか、そんな感じですか?)

(ああ。講和条約とか色々あるだろ。)

(残念ながらどの大陸間でも結ばれていません。それぞれ各大陸とも戦争中に問題が発生し、なし崩し的に終了しましたからね。サルベリア大陸でいうと…ギラニア帝国第213代シャンポリオ・ロウ・ギラニアの急逝とか。)

そうだ。そのせいでサルベリア大陸は大混乱に陥った。まだ皇太子が決まっていなかったから。結果的に大陸中で帝位争いが始まった。

だが、そんな都合よく問題が生じるだろうか? 魔法陣の攻撃が直撃したならともかく、当時の皇帝は病死だった。その頃の医療は今と比べ物にならないはずだ。なんせ、再生医療すらあったんだから。となると現実的なのは――

(影のモノか…。)

(でしょうね。まずは大陸間戦争を引き起こし、ある程度大陸を疲弊させる。そして次に内側で争わせて、その隙に要人の暗殺、魔法陣の記録媒体の破壊を実行し、人類の弱体化を狙ったのでしょう。ここで素晴らしいのは彼らには損らしい損がない事です。)

(褒めてる場合か。俺は人間だぞ。)

影のモノが絡んでくると色々とこじれるんだよな。サンシャレクスだっけ? あいつがどのくらいの強さなのか分からない以上、迂闊には行動できない。何より、あいつらが何体居るのか分からないのが怖い。大元は一つで単に分身しているっていう可能性もあるからな。

(…マスターはマルスラン大陸を救いたいのですか?)

(…分からん。)

地球に対する未練を捨てきれない俺はどうしたらいい? 俺が介入すべきなのか? ギラニア帝国人として? 日本人としての帰属意識の方が強い俺が?

(…私にはマスターが何に悩んでいるかは分かりません。ただ、何をしても私は支持します。マルスラン大陸を見捨てようと人類を絶滅させようともです。)

(…。)

思わず顔が歪みそうになるのをこらえる。ただただ無条件で俺に味方してくれるのが嬉しかった。理解者がいる、それが有難かった。一人じゃない、そう確信できた。

(…そもそもマスターは人望がありませんからね。私ぐらい味方しないと不公平という物でしょう。)

(…うっせーよ、バーカ。………決めた、マルスラン大陸人に抵抗する意志があるなら、手を貸してやる。)

(上から目線ですね。)

(それが俺という人間だからな。)

この世は本当に糞だ。どこまでも非情な現実しかない。ならばハッピーエンドで終われるなら、それに越したことはない。人の不幸は自分の幸せかもしれないが、笑えないほどの不幸は嫌なんだよ。軽く笑えるくらいがいい。

ハッピーエンドで笑っている人間がいたら、舌打ちの一つくらい出すかもしれないが、本当はそれが喜ばしいという天邪鬼な人間なんだよ、俺は。

…まぁ、戦争を引き起こしたこともあるけど、あの被害は俺の目に入ってないからな。何も問題なし。俺の視界外で起きる分には関与しない。それに俺がヴァルクス商会の金を盗んだ時点で戦争は遅かれ早かれ起きた。なら結果は同じだ。何ならもっとひどかった可能性もある。金を盗まないという選択肢はなかったからな。

(…ファァーア、ねみぃ。ちょっと寝ようかな。)

(どうぞ、お眠りください。あと一時間半ぐらいはかかるでしょうから。)

(そうか。おやすみ。)

(ええ、良い夢を。)

毎回、そう言うよな。見たい夢を見れるようにはできないのかな? …今度聞いてみようか…。


 

それからどのくらい寝ていただろうか。突如として強大な魔力の存在を感じ取り、跳ね起きる。

(…これは。)

(おはようございます。とうとう着きましたよ、大陸中心都市ハイベルク。勇者のいる都市です。)

(…バカな。これが勇者の魔力か?)

(はい。シールドの内側に入ったので感じ取りやすくなりましたね。)

(化け物め。)

顔が強張っているのを感じる。それだけ感じ取れる魔力は異常だった。これまで様々なモンスターやリュウでさえも戦ってきたが、このレベルの相手はいなかった。

…これが1500年かけて作り上げた作品かよ。間違いなく俺の魔力量を凌駕している。魔力量には結構自信あったんだけどな。

(当代の勇者は最強と名高いです。これまでに3体のダークエルフを討伐していますし、海龍すら討伐しているようです。ま、それはマスターも似たようなものですが。)

いや、ちょっと待て。

(ダークエルフは3体じゃないのか!?)

(はい。記録によると50体もの個体が存在しているようです。ただその多くは歴代の勇者によって討伐され、残りは3体のようです。あの放送で流れていたあ号、い号、う号ですね。)

(…この大陸の人間はそいつらの場所は把握しているんだろ?)

(はい。莫大な魔力を有していますからね。追跡するのは問題ないでしょう。)

(それでも今まで生き残っているということは手強いのか?)

正直、これだけの魔力を持つ人外がいるなら何も問題がないと思う。だが、それでもダークエルフが駆逐されていないところを見ると何らかの理由があるんだろう。

(ご明察です。どうやらあ号、い号、う号は連携して動いているようです。そのため、各個撃破できないようなのです。)

(…纏めて相手取るには不安が残るってか。そんなにダークエルフは強いのか…。)

(はい。ただ、遅かれ早かれ決戦を挑むと思います。残された時間は僅か、しかも勇者の命も僅か。それに最強と名高い今代の勇者に匹敵する勇者が残された時間内に誕生するとも限りません。)

(…戦う理由はあるか。)

(はい。)

(嫌なタイミングに来ちまったな。)

(そういう星の下に産まれたのでしょう。)

(嫌なこと言うな、お前。)

まぁ、生まれた時点で俗世に絡め取られるのは確定してるからな。やるせないというのは不滅なんだろう。


「キィィィーーー」


列車がゆっくりと減速し、駅で停車する。これまた、立派な駅だった。多分、ここから大陸各地へ向かう列車が発車しているのだろう。

(…凄いな。)

(そうですね。犠牲になる子供たちがいなければと言ったところですが。)

(だな。)

子供こそが次の時代を作っていく。少なくとも老いぼれどもよりは生産性はあるだろう、輝かしい未来も。…そして今度はそいつらが邪魔になると。世の中ってのは上手くできてないな。不完全だからいいんだろとかドヤ顔で宣う奴もいるけど、どう考えても完全の方がいいに決まっている。


「ガチャ」


「…レッド君? もう着いたよ。起きてるかい?」

「はい、起きてます。」

「そっか。じゃあ、これから保護施設に向かうからね。とりあえず、降りようか。」


俺は言われるがままに列車を降り、ロータリーで止まっているこれまた黒いセダンの車に乗り込む。なお、ロン毛のほかには例の黒髪女性が一緒に付いてきていた。


「よし、出してくれ。」

「はい。」


「ブロロロ」


車は都市の大通りを走っていくが、意外と他に車が走っていない。それに何か凄い見られている気がする。

(なぁ、パール、あんまり車走ってないんだな。)

(車は役人しか使えません。一般市民は行政が運営する乗り物に乗るしかありません。)

(ふーん。)

まぁ、それがいいよな。個人が車を持っていたら渋滞が発生するし、資源にも限りあるだろ。

(それよりも勇者育成施設で友達ができるといいですね。)

(…お前さぁ、ほんといい性格してるよ。)

友達なんかいらん。…それよりも勇者の魔力の圧がヤバい。こんなところじゃ安心して眠れない。俺が最強じゃなかったのか? これじゃ、銀の長髪姿になっても勝てるか怪しいぞ。…俺、いらないんじゃね?

(それはそうとマスター、字を読むことができる魔道具を開発しましたよ。)

(おお、ありがとう。)

(付けますか?)

…これってコンタクト? 無理だろ。前世でもつけたことがないぞ。目は良かったからな。

(…それは目玉につけるのか?)

(ご明察です。)

ご明察とか言われても、ちっとも嬉しくない。目に異物を入れるとか狂気だろ。他に方法があるんじゃないか?

(…なぁ、眼鏡じゃ駄目なのか?)

(眼鏡だと魔力を供給できないのです。その点、これは自然に人体から魔力を吸収できるのです。)

(…。)

くそっ、言い返せない。でもコンタクトは怖すぎる。流石に無理だ。…ていうか――

(パールがいちいち言ってくれたらいいんじゃないか?)

(私が所用でいなかったらどうするんですか?)

(諦めよう。目は大事だ。というか、俺の側にいてくれ。)

(…もう、マスターは大胆ですね。)

(…は? そういう意味じゃねぇよ!)

(分かってます、分かってますよ〜。)

(こいつ…。)

どうせなら美少女型アンドロイドだったら良かったのに。球体に言われても萎えるだけだ。


「見てご覧、あそこが君が住むところだよ。」


ロン毛が話しかけてきて、指を差しているところを見ると、大学のように建物群が乱立していた。

…ハァ、また鳥籠の中の鳥になるのか。真の意味で自由なんて存在しないのだろうか?

「ほら、あとこれも付けておこう。」


「カチャンカチャン」


ロン毛が物凄く自然に俺の両手に腕輪をつけてくる。

…な、何してくれとんじゃーーー、ワレェーーーーー。

(パール!!)

(落ち着いてください。爆発物の類ではありません。)

(じゃあ、何だよ、これは!)

「これで君が迷子になっても大丈夫。それで位置情報が分かるからね。」

(…説明してくださいましたよ?)

(いや、他にも効果あるだろ。魔力の流れが悪い気がする。)

完全に魔力を封じられたわけではないが、いつも以上に制限されている気がする。

(…そうですね、軽く解析してみたところ、あの腕輪の魔道具にそっくりです。)

(あれか…。…腕輪って落ち着かないから嫌なんだよ。)

(安心してください。その気になれば私がすぐに外して差し上げます。)

(…ハァ、マジだりぃわ。)

(潜入するには今は堪えるしかありません。)

(…しょうがない。)


「ちょっと違和感を感じるかもしれないけど、すぐ慣れるから大丈夫だよ。」

「…はい。」

…絶対こいつが死にそうになってても助けない。絶対だ。


「ブロロロロキィーー」


「到着しました、主任。」

「ご苦労様。さぁ、行こうか。」

「…はい。」


「ガチャ」


初めて転校生の気持ちが分かった気がする。すごい嫌だ。こう、何というか胃がきゅっとなる。それに口周りの筋肉も硬直し始めている気がする。

「緊張してるのかい? 大丈夫だよ。ここで暮らしている子達は良い子ばかりだから。」

「…。」

その言葉に少し冷静になった。パール曰く、ここは勇者育成施設。恐らくここで体内に許容量以上の魔力を流し込んでいるんだろう。

(マスター、大丈夫ですか?)

(全然大丈夫じゃない。俺、とんでもない所に来たんじゃないか?)

(それはそうですね。マルスラン大陸1500年物の闇です。濃厚でしょう。)

(…脳梗塞で死ぬかもな。)

(…はい?)

(いや、何でもない。)

(マスターって…、ダジャレ好きですよね。)

(頭の回転が速すぎてな、つい口から出てくるんだよ。)

(そういうことにしておきましょう。)


「コツコツコツ」


様々な建物が存在する中で、その中でも中央に存在する一番大きな建物の中を進んでいく。

思いっきり学校だな。二回目の人生でもやはり学校という呪縛からは逃れられないのか。

「その子が編入生かい?」

「はい。どうやら潜っていたようです。よろしくお願いします。」

「任せな。何年、働いていると思っているんだい。」

「ハハ、そうですね。レッド君、こちらの女性がここの責任者だ。何かあれば頼るといい。」

「…はい。」

ロン毛が紹介してきたのは赤毛で老年の女性。ただ、お婆ちゃんだからと言って油断してはいけない。赤毛は生意気法則があるからな、まともに相手してはいけない。――それに感じ取れる魔力の圧が半端じゃない。あの黒髪の女性よりも勝っている気がする。

「レッド・アイラー君ね。私はメインリー、これからよろしく頼むよ。」

(マスター、この女性は十五代前の勇者です。勇者は基本的に寿命は短いのですが、どうやらこの女性は例外的に長いようです。その特異性のためにここに配属されているようです。)

(…ふーん。)

十五代前だと? そんなに勇者の入れ替わりが激しいのか。…人体改造のせいだな。どれだけの犠牲のもとに勇者が存在するのかが分かる。


相手が手を出してくるので、とりあえず握手する。すると、老婆は目を細めた。

「ほお、これはなかなか。」

!!、こいつ俺の魔力量を覗きやがった。だが、それはこちらも同じことだ。

「ッ!、坊や。」

「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのですよ。」

フォォーーー、言ってやったぜ。着実に言ってみたいリストを消化している。厨二病と言う勿れ。今の俺は子供、年齢で言えば小学六年生。何も問題ない、むしろ今しか言えないと言ってもいいだろう。

「…そうだね、道理だ。」

「じゃあ、後は頼みましたよ。私はまだすべきことが残っていますから。」

「ああ、任せな。」

「じゃあまたね、レッド君。しばらくしたら様子を見に来るから。」

「はい。」


ロン毛が部屋から出ていき、老婆と二人きりになる。

「…坊や、ここがどこか知っているのかい?」

「良く知らないです。ここで暮らすと良い、そう言われました。」

「そうだね、それは間違っちゃいないよ。ただ、それだけでもない。気を付けることだね、…私の言うことでもないが。」

「…。」

「今、ダークエルフが大陸を危機に陥れていることは知っているだろ。」

「はい。」

「そしてその対策として勇者が存在することも。」

「…はい。」

「ここはね、次世代の勇者を輩出することを目的としているんだよ。」

うん、知ってる。でも、そんなことを言っていいのか? 重大機密だろ。

「…。」

「急にこんなことを言われても困るだろうね。でも、遅かれ早かれ分かるだろう。」

「じゃあ、俺がここに連れてこられたのは…。」

「ああ、勇者になるためだろうね。」

「……。」


(大嘘ですね。きっと勇者を補佐することを期待してはいても、勇者に取って代わることは期待していないでしょう。今代の勇者こそが至高だというのが政府の上層部の認識ですから。)

(…勇者の補佐ねぇ。具体的には?)

(勇者が強力な魔法を放つための時間を稼いだり、囮として攻撃を引き受けたりですね。)

(…使い捨てかよ。)

(人類のため、という崇高なる大義のために正当化されるのでしょうね。)

(…まぁ、それでダークエルフを倒せるなら必要な犠牲なのかもな。)

(おや? マスターなら否定すると思っていましたが?)

(そう? 俺はさ、どう生きるのかも大事だと思うけど、どう死ぬかも大事だと思うわけよ。それで人類のために死ぬっていう名分があって、その死が意味を持って本人が納得しているなら別にいいと思う。押し付けられているのだとしたら話は別だけどな。)

自分に酔いながら死ぬ、きっと甘美な死だろうな。たぶん俺には無理だ。変なところでリアリストだし。

(…そうですか。果たして勇者はどうなのでしょうね?)

(さあな? それは本人しか分からないし、推し量るのは無粋ってもんだ。)


「…ッド、レッド。」

「はい…。」

「ボーっとしてどうしたんだい?」

「いや、何でもないです。」

「そう。いいかい、今日はとりあえず身体検査から始めるからそのつもりでいな。」

「はい。」

「じゃ、その前に顔見せといこうかね。ついてきな。」


老婆が立ち上がり、部屋の外へと出ていく。俺としてはずっとこの場に居たいんだが、そういうわけにもいかず、渋々付いていく。

(ハァ、帰りてぇ。)

(いつもそんな事ばっかり言ってますね。)

(しゃーねーだろ。帰りたいんだから。)

(そもそも帰る場所なんてあるんですか?)

(カハァ…それは言っちゃ駄目だろ。…飛行船だ、飛行船。)

(…なるほど。)

こいつ、同情してやがるな。それだと俺が可哀相な人間みたいになるじゃないか、やめてほしい。


パールと話していると老婆が一つの部屋の前で止まる。どうやら着いてしまったようだ。

「じゃあ、入ろうかね。」


「ガララ」


老婆が扉を開けた先にはこちらをじっと見つめる同年代の少年・少女たち。勇者候補生だけあって、それなりの魔力を持っているのを感じる。ただ異様なのは、首に巻き付いている首輪、そして腕輪。腕輪はたぶん俺がつけているのと同じだが、まだ首輪はつけていない。多分、隙を見て付けられるんだろうが、絶対良いものじゃないのは確かだ。

「さて、皆はすでに聞いていると思うけどね、今日から同級生となるレッド・アイラーだよ。さぁ、坊や、自己紹介できるかい?」

坊や、言うのやめろ。ちゃんと偽名があるだろ。

「…レッド・アイラーです。よろしくお願いします。」

(…何ですか、それは。自己紹介じゃないじゃないですか。)

(黙れ! 考える時間もないのに、そんなスラスラ言えるか。)

何で俺がこんな思いをしないといけないんだ。せっかく人が手を貸してもいいって思ってやってるのに、この仕打ちはないだろ。自分で自分の首を絞めてるぞ。


「短いね。もっと他にないのかい?」

追い打ちかけてんじゃねぇぞ、ババア。殺すぞ?

「…ないっす。」

「そうかい。じゃあ、とりあえず坊やは身体検査だ。皆はいつも通りに負荷訓練をやりな。」

(身体検査ねぇ。魔力を流し込まれんのかね?)

(まだでしょう。マスターも気づいていましたが、彼らに着けられた首輪。あれで完全に魔力の出力をコントロールできるようです。しかし、銀の魔力までをコントロールすることはできません。いざとなれば、それで脱出してください。)

(りょーかい。)

問題はここにいつまでいるかだ。まさかあと20年もいるわけにはいかない。…優秀な成績を収めて、勇者の側近になるのが手っ取り早いか? 勇者に匹敵するほどの人間がもう一度現れたとなると、決戦も大幅に近づくだろう。要は俺TUEEEをやればいいわけだ。素顔は晒してるけど、サルベリア大陸ではないから問題ない…はずだ。

(…ご機嫌そうですね?)

(そう? まぁ、そうかもな。刻み込んでやるよ、俺の存在を!)












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