第141話 情報2

すみません。リアルが忙しすぎて…

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はぁ、朝か。今日はもう少し寝ていたいな。

(おはようございます。)

(まだ俺は起きんぞ。もう少しゴロゴロしたい。)

(了解です。では朝の情報などどうですか?)

最悪じゃねぇか、すっかり目が覚めたわ。

(はぁ、頼む。)

(分かりました。先ほど自宅でドンの遺体が発見され、その後に家が燃えて大騒ぎとなっています。また現在ではマルシア王国の宝物庫への襲撃と関連付ける見方が増えていますね。しかし、マスターの特定には至らないでしょう。)

(当然だな。身バレだけは気を付けているからな。しかし、もしかしたらシュレインはあの白仮面が殺したって気づいているかもな。)

(そうですね。あの会話をした後だけに、気づいている可能性もあります。それと今朝、帝国軍がトランテ・エナメル王国軍に再度攻撃を仕掛けました。)

(へー、それは面白そうだな。で、首尾は?)

(見事に成功しました。どうやら火魔法の魔法陣が組み込まれた新兵器が投入されたようです。現在、帝国軍が首都を占領し、トランテ・エナメル王国軍は首都の郊外で待機していますね。)

なるほどな、首都を追い出されただけってことか。オセロみたいだ。

(そうか。今はそれよりもドンの言ってた情報が気になるな。)

(そう仰ると思って私も昨夜いろいろ探ってみました。しかし先程も言いましたが、どうやらドンの死亡が判明した直後、家が全焼し、家族も行方不明になったので情報が得られませんでした。)

(…消されたか。)

(そう考えるのが正しいでしょう。)

パールが重々しく言う。

そこまでやるのか。これは相当の覚悟が必要だな、4年後が恐ろしい。

(ふむ。…あいつが言ってたけど、人類が強くなりすぎないようにしているってどういうことだろうな?)

(そうですね。推測とはなりますが、おそらく戦争の規模が大きくならないようにしているのでは?)

(死者が増えないようにってか?)

(はい、人というのは愚かな生物ですから争いがなくなることは未来永劫あり得ないでしょう。ですから必要最小限度の争いは許容し、人類自体が滅亡するのを避けようとしているのではないでしょうか?)

耳が痛いな。人工知能に言われると反論すらできん。

(確かにな。過去に影のモノの介入があったとはいえ、文明が衰退したのは武器の殺傷能力が高すぎたという側面もありそうだしな。)

(はい。)

その後もいろいろ推測するが、これといったものは思い浮かばない。

はぁ、やっぱり生きるって大変だな。まだチートがあるからいいけど、もしこれで弱かったら泣くしかないな。

(マスター、今日はどうなされますか?)

(のんびりする。もう平日と昨日の疲れが残ってるからさぁ。)

(昨日のは自業自得ですね。)

(ぐっ…)

パールと会話していると、ルームメイトが起きだしたので俺も諸々の準備をする。


ー-??ー-

「無事に奪還できましたね。」

「ああ。しばらくは維持に力を注ぐ。本国に早馬は出したな?」

「はい、複数のルートで向かわせました。遅くとも夕方には着いているでしょう。」

「ご苦労。兵に休むよう伝えておけ。すぐには連合軍も攻めては来るまい。」

「了解いたしました。」

〈とりあえず首都は奪還できた。しかし宝物庫はもう空だったな、くっそ。初戦で勝てていれば。〉

シュバルツには相手を舐めてかかるという悪癖がある。自覚しているが矯正しようとはしない。今まで最後には勝ってきたからだ。

〈ふん、まぁいい。過去は変えられん。それに最後に勝てば大局的には勝ちだ。〉


ー-??ー-

「さて、どうされますかな?」

「とりあえずは静観だな。ジュラが暗殺されたことで、他の奴らも神経質になっているだろうし、こちらも手駒が足りない。」

「今までサボってきたつけですな?」

「ふん。それはそうとフォルナ家の動きの原因は分かったか?」

フォルナ家、つまりローナの実家はジンの指示で第一皇子エンベルトの陣営から距離を取り始めた。この不可解な動きは帝国貴族の間で注目されているのだ。

「いえ。まだわかりませぬ。しかし、噂によるとどうやらガルド様の奥方の病が治ったようです。」

「…今まで治らなかったものが急に治るものなのか?」

「噂ですから。しかし、もしかしたら関係あるのかもしれません。」

〈待てよ、仮に治ったんじゃなくて治してもらったんだとしたら…、家の方針が変わったのにも納得できる。治癒者の意向には逆らいづらいだろうからな。でも現在、中立の姿勢を保っているということはどの陣営が関与していると言うわけでもないのか?。はぁ、これだから帝位争いっていうのは面倒くさいんだ。〉

「…、まぁ今は地盤固めが先だ。今日は帝都にいる北部の貴族を訪問しに行くぞ。」

「御意。」

追い詰められた時しか動かないノルヴァリアも動く。他の者も優秀だと知っているがために。




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