第135話 到着
(あれがお城だな。問題は宝物庫がどこかということなんだが…、分かるか?、パール?)
(任せてください。すぐにスキャンします。)
頼りになるねぇ、さすが人工知能。面倒くさい事をやってくれるからほんと便利だよな。勇気を出して遺跡に行ってよかった。
(マスター、場所が判明しました。ですが、どうやら思ったとおり結界が展開されていますね。破壊すればバレてしまいます。)
(直接転移するのは可能か?)
(不可能です。古代の魔道具によって探知結界も展開されてますから。)
ちっ、無駄に金かけすぎだろ。そもそもそんなんに古代の魔道具を使うなよ、もっと他に使い道があるだろ。
(どうしようか、いっそ隕石でも降らせるか?)
大きい岩を空間魔法で持ち上げて高いところから落下させれば出来るしな。まぁ、流石にやらないけど。
(やめた方がいいと思いますよ。SS級冒険者がマルシア王国には滞在していますから。)
(おいおい、だからそういう情報は共有しとこうぜ。)
普通、行く前に報告するだろ。そんな重要な情報。
(すみません。関係ないかなと思っていました、今は依頼を受けている最中のようですから。)
(そうか、ならいいけど。そういう情報は早めにくれ。)
訂正する、こいつはやっぱりポンコツだ。カーナビのように信じすぎてはいけない。
(了解です。それでどうされますか?)
うーん、それはそうとしてどうしようかな、アイデアが思い浮かばないな。
(どうすればいいと思う?)
(そうですね、まずは結界を解除すればいいのではないですか?、そうすれば問題なく盗むことができます。)
…、面倒くさいな。もっと手っ取り早い方法はないのか?
(そうだ、いっそあの白い仮面をつけて襲撃するというのはどうだ?、楽そうじゃないか?)
(はぁー-、マルシア王国が敵に回りますがよろしいんですか?、衛兵も警備をしていますから。)
(バレなきゃ問題ないだろ。それにどうせ俺を足止めできるのはSS級冒険者ぐらいだからな。しかもそのSS級冒険者は依頼中のようだし、問題ない。)
監視カメラもないから、いざとなればトンズラすればいいだけだ。
(…分かりました。宝物庫まで案内します。)
(ああ、よろしく頼む。それと仮面もくれ。)
幻術で周囲に溶け込み、ついでに仮面もつけてお城の上空まで移動する。
(では行きます。)
(ああ。)
ゆっくりと気取られないように降下していく。しばらくパールの後についていくと丸い建物が見えた。
(あれがそうですね。)
(大きいな。探すのに骨が折れそうだ。衛兵が来る前に見つけられるかな?)
(大丈夫ですよ、私がいますから。)
頼りにしてもよいのか悩む。でも結界を解除するのは面倒くさそうだし…。やっぱり穴を開けてぶち抜く方がいいか。
「黒槍」
小声で黒槍を召喚し、突きを放つ構えをとる。
「死彗星」
「ドゴッ!!」
ひえっ、思ったより大きい音だ。
「「…なんだ、何の音だ。」」
一気にあたりが騒がしくなる。
怖い怖い、増え鬼をしているみたいだ。
(やべぇな、さっさと目当ての物を探すぞ。)
(了解です。)
ー-??ー-
「ぬう、思ったよりもトランテ・エナメル王国軍は粘るな。即席の連合軍の分際で。」
「何、すぐに落ちますよ。新兵器も用意していますから。」
「新兵器だと?」
「はい、どうやら秘密裏に作成されていたようです。今回はどうやら実戦での威力を確かめたいとのことです。いつでも投入することは可能ですがどうされますか?」
「ふふっ、よしすぐに投入しろ。」
〈攻めておいて何も成果がなかったら不味いからな。とりあえず新兵器とやらを試してみるか。〉
「御意。」
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