第121話 友好2
本当は主人公以外の視点も書きたいんですけどね。とても難しいんです。それに短くなると思いますし。書いた方がいいですかね?
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学園生活って本当に疲れるな。いやでも身分差を気にしないといけないからな。身分を誇示するしか取り柄のない奴もいるし。
(起きられましたか?)
(ああ。ほんとうに怠いわ。はやく学園終わんねぇかな。)
(同情しますよ。今日もフレイとの戦いが控えてますからね。)
(本当に泣けてくるな。涙が止まらんよ。)
(涙の一つでも見せてから言ってください。それと報告です。ジルギアス王国が東部諸国連合の一か国を落とし、拠点としています。)
(いくらなんでも早すぎないか?、全然日数が経ってないじゃないか。)
(最短距離で王都へ突撃したようです。そして一気に王都を落とし、王族を皆殺しにしました。諸侯も降伏したようです。)
(パワフルすぎんだろ。一気に王都に突撃なんて怖くてできないぞ。兵糧の問題もあるだろうし。)
(兵糧は途中の町や村から略奪したようです。現地調達ってやつですね。)
兵糧を現地で調達するのは悪手だ。長きにわたって禍根が残る。
(ジルギアス王国は統治するつもりがないのか?)
(あると思いますが、拠点がまずは欲しかったんでしょうね。)
(不味いな。本格的に戦争の時代だな。やっぱり原因はリュウとの生存競争か?)
(ジルギアス王国に限っては関係ないでしょうね。大陸東部は被害を受けてませんから。つまり起こるべくして起こったということです。)
大陸から逃亡しようかな。でもいつも考えるように言語が通じないだろうし、この大陸よりもっとひどいという可能性もあるからな。ほんとに最後の手段にしとこ。
(なら仕方ない、とでも言うと思ったか。とりあえずジルギアス王国が帝国までやってくるようなら島国にお帰り願おう、強制的にな。)
(そうですか。それとトランテ王国軍がフォーミリア王国軍を圧倒して、ついに均衡を破りました。フォーミリア王国軍は態勢を必死に立て直そうとしてますが、兵が逃げ出し始めているようです。)
(そりゃそうだ。負けると分かってて戦いたい奴なんていないだろ。)
(そうかもしれませんね。)
そんな会話をしていると他のルームメンバーが朝の準備を始めたので俺も始めることにする。
すると昨日、コテンパンにしたバルアが話しかけてきた。
「おい、てめぇ。お前のことは気に入らないが、俺と毎日戦え。」
…ふむ、もう一度立ち上がったか。だが俺の平穏な生活を壊すのはいただけないな。毎日ってもう日課になるじゃねぇか、ふざけんな。
「お断りだ。俺にメリットがない。」
「お前の飯を毎食奢ってやる。なんでも食っていい。」
ほーう、なら高い飯を食いまくってやる。それにバルアと戦うのはいい運動になるだろうしな、少しは動かないと太ってしまう。
「…いいだろう。だが、ボコボコにされても泣くなよ、バルア君?」
「ちっ、やっぱてめぇ気に入らねぇわ。」
「別にお前に好かれたいとは微塵も思ってないからな。」
「二人とも仲良くなったようで何よりだ。」
「フレイ、お前の目は節穴だな。」
「そんなことはないと思うけどな。」
「いや、あるだろ。」
三人で会話をするが、エッグは相変わらず一人黙々と服を着替えている。
これでとうとう後はエッグのみか。こいつも何か抱えていそうで関わりたくないんだよな。引き続き放置だな。
「なら、朝食を食べに行くか。約束は守れよ、バルア。」
「わあってるよ。その代わり俺と戦えよ。」
「へいへい。」
(マスター、バルアと友達になれましたね。おめでとうございます。)
(友達ではないだろ。ただの利害関係で結ばれた関係だろ。)
(違いますよ。ぶつかり合って友達になる、まさにど定番じゃないですか。)
(いつも思うが、どこでそういう知識を仕入れてくるんだ?)
(もちろん青春小説です。最近は恋愛小説を特に読んでますね。)
まじか、異世界にもそういうのがあるのか、知らなかった。今度買ってみよう。ラノベはないよな、さすがに。
(人工知能が恋愛小説を読んでるのはすげぇシュールだな。)
(成長には避けて通れない道なのですよ。)
そんなことはないと思うけどな。
カフェテリアへ向かっていると、マリーとラギーナに出会った。
「あれ~、バルア君が一緒なのは珍しいね。何かあった?」
「まあな。色々あるにはあった。」
「このやろうが手抜いてたことが分かって勝負を挑んだだけだ。」
バルアァー--、てめぇ約束破りやがったな。
「ああ。ジンってそういうとこがあるからね~。とうとうバレちゃったんだ。」
まぁ、マリーは何となく気づいているかなぁとは思ってたけど、やっぱり気づいていたのか。
「全くお前は。そんなんじゃ強くなれないぞ。」
「おっしゃる通りでございます。」
「はん、よくいうぜ。俺を軽くあしらったくせに。」
「何を言ってるのか分からないぞ、とうとう呆けたか?」
こいつ、もっと痛い目に合わせりゃよかった。同情して手加減するんじゃなかった。
「本当なのか?、ジン!!。」
「だから違うって。そんな強いわけないだろ。」
「なら私と戦え。手加減はしてくれるな。」
血気盛んすぎんだろ。今の若者ってこんな感じなの?、ついていけねぇよ。
「ええー-・・・・」
「諦めろ、ジン。氷姫は一度決めたことは譲らないんだ。」
「おい。その名で私を呼ぶな、殺すぞ。」
「すみません…」
こんな恐ろしい子と戦うの?、面倒くさいよ。
「わかった。だが条件がある。戦うのは一回きりで、誰にも言わないこと。フレイもだからな。あとバルア、お前は半殺しな、約束を破った罰だ。怖いなら引っ込んでろ。」
「えっ、俺にも適用されるのか?、友達だろ?」
「友達でも譲れない一線があるんだよ。」
フレイがぶつぶつ文句を言っている。独り言が癖なのか?、こいつは。
「分かった、いいだろう。そのかわり手加減するな。」
「ラギーナ次第だな。まぁ、頑張ってくれ。」
「ふっ、言ってくれるじゃないか。」
ラギーナってかっこいいんだよな。これでギャップがあったらなお良いんだが、まだ発見していない。いつか見つけてやる。
「はん、今日こそはお前をぶっ倒す。」
「昨日、俺にコテンパンにされたくせに。」
「うるせー、本調子じゃなかっただけだ。」
はいはい、言い訳言い訳。言い訳していいわけ?なんて思ってないからな。
「マリーは戦わないのか?」
「勝てないって分かってるのに挑むようなことはしないよ。」
「なるほどな。」
俺と同じ壁には挑まないタイプか。親近感がわくな。
皆と話しているとカフェテリアに到着し、一番高いメニューを注文する。
「てめぇ、一番高い料理を頼みやがって。俺の小遣いから払うんだぞ。」
「約束は約束だからな。お前を破産させてやるよ。」
「ちっ、悪質な野郎だ。」
いい気味だ。おかげでこっちはラギーナとも戦うことになったんだからな。まだ割に合ってない。
それからご飯を受け取り、皆で頑張って座席を探して朝食をとる。
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