第107話 入学式
うーん、まずはどこに行けばいいんだろうか?
とりあえず、みんなの後についていけばいいか。それにしても広いな。どれくらい金かかってんだろ?
(マスター、友達の方は見当たりませんね。)
(見当たらなくていいよ。相手するのもめんどいし。)
(はぁ~、先が思いやられますね。)
「お、ジンかい?、久しぶりだね。」
はぁ~、捕まったか。ちょっと早くないか?
後ろを振り返ると懐かしい顔の奴らがいた。
「ああ、久しぶりだな。ロハド、それと…」
「あんた、あいかわらず気怠そうね。シャキッとしなさいよ。」
黙れ赤毛、お前が元気すぎるだけだ。
「ロゼは相変わらず元気そうだな。」
「当然。どっかの誰かさんと違ってちゃんと体を鍛えてるから。」
「へ~。」どうでもいいや。
「さあ、いこうか。まずは体育館で学園長の話があるからね。」
ああ、こっちの世界でもあんのか、だりぃな。
体育館に向かおうとしたらマリーがやってきた。
「みんな~、久しぶりだね。」
「久しぶりね。これからよろしくね。」
「うん、ジンたちもよろしくね。」
「ああ。」
「こちらこそよろしく。」
ああ、もう早く行こうぜ。他の奴らが来たら不味い。特にローナに出会ったら面倒くさいことになるのは確定だからな。
「そろそろ行こうぜ。」
「そうね。」
四人でとても巨大な体育館に入る。とてもたくさんの椅子が置かれており、それぞれ真ん中ぐらいで座る。この時、俺はロゼの隣にならないように気を付けた。
寝てたら絶対この手のやつは起こしてくるからな。
そしてマリーの隣に座り、入学式が始まるまで待つ。
「ねぇ、ジンの魔法の適正って何?」
「俺は火・水・無・風・闇だな。」
「すごいね~、そんなにあるんだ。マリーは光・土・水なんだ。」
「へ~、でも光はいいじゃないか。かっこいいし、応用も効くし。回復もできんだろ?」
「うん、そうだよ。」
そんな会話をしていると、隣の席に人が座る気配がした。
なるべく見ないようにしよ、絡まれたらいやだし。
マリーと会話しながら、隣の様子をうかがうと眼鏡をかけた大人しそうな男の子だった。
陰キャだな、でも気は合わなさそうだ、勤勉っぽいからな。
無難に過ごしていると、学園長が登壇し、ありがたいお話が始まった。
「みなさん、ご入学おめでとうございます。……………」
おもんな、眠って体力回復しよう。
疲れていたのかすぐに眠ることができた。
「…ね、ねえジン起きて。もう終わったよ。」
「ん、そうか。ふぁー、よく寝たな。」
「普通初日から寝る?、他に寝てたひとはいなかったよ。」
「疲れてたからな、仕方ない。」
「ほら、マリー、ジン行くわよ。」
慌ててロゼとロハドの後についていく。
「今、どこに向かってるんだ。」
「クラス分けを確認しに行くんだよ。」
しばらく進むと、ATMのような機械に生徒が並んでいるのが見えた。
「学生証で確認するんだよ。」
「へ~、すごいな。」
ギルドのカードみたいなもんか?、理論を分かって使ってんのかな?
分かれて列に並び自分の番になるのを待つ。
(マスター、友達と同じクラスになれたらいいですね。)
(まぁそうだな。一から友達を作るのはだるいし、あいつらと違うクラスになったら帝都を回った意味もなくなるからな。)
(損得で考えないでくださいよ。)
(無理。)
俺の貴重な時間を費やしたんだからな、見返りがないと泣けてくる。
列が進み自分の番となった。
ええと、ここにカードを入れてと。
すると個人情報がモニターに一挙に映し出された。
(この学生証なくしたら終わりだな。)
(そうですね。お金も入っているようですし。それでクラスはどうでした?)
(うーん、Fクラスのようだ。)
(そうですか。)
三人が集まっている所に向かう。
「あんたは何クラスだったのよ?」
「Fだが、皆はどうだったんだ?」
「私はEだったわ。」
「僕はCだったよ。」
「マリーはジンと同じだったよ。」
マリーだけか。まぁ、6クラスもあれば当然か。
「そうか、よろしく、マリー。」
「うん、こちらこそよろしく。」
「いいわね、私も誰か知っている人がいたらいいけど。」
「僕も誰かいればいいけどなぁ。さすがに誰も知ってる人がいなかったらきついからさ。」
「まぁ、まだミラにケルン、セラもいるからな。可能性はあるだろ。」
「そうだといんだけどね。」
しばらく会話を交わしてそれぞれのクラスへ向かう。
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