第8話

第八話

「お邪魔しまぁす。綺麗にしてるね。」

「雨季ちゃん、お邪魔するね。」

「どうぞどうぞ。」

 私は自分の家に2人を迎え入れた。この週末になるまで掃除を頑張った。エロ漫画もたぶん見つからないところに置いたし。早速3人でテーブルを囲う。

「じゃあ、早速数学しよっか。」

 私は1人で座って対面に2人が座る。2人ともいつもと髪型や私服だからなんだか恥ずかしい。茜ちゃんは髪の毛を巻いてるし、咲夏ちゃんは三つ編みだ。

「お願いします。」

 頭を下げ、正座で挨拶をして数学の勉強スタートだ。とりあえず、自分で最初解いていってわからないところがあれば聞くという感じにして各々の勉強を進めていく。

 2人とも真剣に解いているから自分も頑張ろうと思いペンを握る。わからないところを2人に教えてもらってあっという間に1時間が経とうとしていた。

「15時になったら休憩しよーよ。」

 茜ちゃんからの提案で休憩することにした。2人のために、私は家の近くで買ってきたケーキを出すことにした。

「好きなの選んでいいよ。」

「え、どうしよぉ。咲夏、全部美味しいそうだよお。」

「ほんとだ。全部美味しそう。」

 2人がこれもいい、あれもいいという会話を眺めながら思わず笑ってしまう。2人とも可愛いなぁなんて。

「あ、そういえば、今日親戚が来るからお泊まりできなくなっちゃった!ごめんねぇ。2人とも。」

 茜ちゃんが手を合わせてごめんねって感じで謝ってくる。ってことは咲夏ちゃんと2人っきりか。全然緊張しねぇし、意識なんかしてない。うん、大丈夫。いつもより勉強に集中できなかった。

 それから6時ぐらいまで勉強を続け、茜ちゃんは帰って行った。騒がしかった茜ちゃんが帰りシーンと静まり返る私の部屋。

「雨季ちゃん、ご飯作ろっか?」

「え!?作ってくれるの!?ありがとう!私、料理出来なくてさ……基本コンビニか宅配なんだよね。でも食材ないや。どうしようか。」

  「明日夕方までいるから買い物行こう。」

 そう答えてくれて咲夏ちゃんの手作りご飯を食べれることが決定した。人の手作りとか何年振りだろう。親とは、外食ばっかだし。今日は泊まりって聞いてたからどこかに食べに行こうと思ってた。

2人で出かける準備をして家の近くのスーパーに向かう。カートを押してどんどん咲夏ちゃんが食材を入れていく。何を作ってくれるかな。わくわく。

「雨季ちゃん、嫌いな食べ物ない?」

「んー、強いて言えば抹茶かな。」

「ふっふ。覚えとくね。わたしは抹茶好きなんだけどね。」

 抹茶論争をしてお会計をする。さすがに作ってくれるし、お会計は全額払う。袋は大きな袋二つだからそれぞれ一個ずつ持って歩く。誰かと生活するというのはこんな感じなんだなと思う。

「わたし、作るから雨季ちゃん、お風呂入ったら?」

「うん、そうするよ。ありがとう。」

 暑いし、シャワーだけでいいや。コンタクトを外して服も脱いで風呂に入ることにした。

 

 

 

 

 

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