第44話 来襲

翌日。夜明けと共に、襲撃が始まった。

この世界の「運営」一味が乗る「飛行船」からの攻撃だ。

空襲というか、爆撃というか、空からの一方的な攻撃。

最初なんか偉そうな態度で空中から一方的に降伏勧告してきて、答えを待つのも面倒なのか、すぐに爆撃を開始した。平和交渉したあとでないと爆撃できない、とか、マニュアルがあるんだろう。たぶん。


「うわ、本当に攻撃してきやがった。」

「ずいぶん遅かったが、やはり来たか」

「結界が防御。損害は軽微。」

「反撃しまーす!」


住民が生活する市街地への爆撃は完全にギルティーでしょう。

正当防衛やむかたなし。


さて、どの「呪いの武器」で迎撃しましょうか。

①アロンの杖。対象を真っ二つにする。ただし使用者は呪われ、全身が痒くなる。

②如意金箍棒。自由に伸び縮みする。ただし使用者は呪われ、退化しサルになる。

③インドラの矢。街、国、大陸などを消滅させる。吹き飛んで自分も死ぬ。

…如意棒一択ですな。


ヤツらの飛行船が頭上に来たところで…

地面に固定して…伸びろ、如意棒!


ヒューン!と伸びた棒が飛行船にクリーンヒット!

致命的な破損をした模様で、高度を維持できず、ゆっくり降下してくる。

…アレ、ちょっとヤバくね?

なんか俺らの頭上からまっすぐ落ちてきてるんですけど…

結界の強度、持つかな?

に、逃げたほうが良くないかコレ?


なんでまっすぐ落ちてくるんだよ!

慣性の法則仕事しろよ!


俺、弱いから、衝撃だけで軽く死ねるし。

死ななくても、飛行船に搭載されてた爆弾が誘爆したら確実にやばい。

自分の攻撃で自分が死ぬとか、アホか俺は。

みんな逃げろ!


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